訪日前の期待と今回したこと:観光庁

訪日前の期待と今回したこと:観光庁

訪日ラボでもお伝えしている通り、2016年は2500万人突破のペースで訪日外国人観光客が増加しています。2020年に東京オリンピックも控えていることもあり、今後も増加の傾向は続くものと思われます。

その訪日外国人観光客の訪日目的として上位にランクインするのが「温泉入浴」。観光庁の「訪日外国人 消費動向調査」によれば、訪日外国人観光客のおよそ3割が、訪日前に温泉入浴に期待しており、また4割弱が実際に温泉入浴を楽しんでいる模様。

そこで課題となるのが「温泉施設で刺青(入れ墨)・タトゥーをどう扱うべきか」という問題です。今回は、各温泉施設の刺青・タトゥーの可否と訪日外国人観光客の一例として訪日米国人観光客の刺青・タトゥーを入れている人の割合について調査しました。

 

タトゥー・刺青を許容している温泉施設は全国でたったの0.86%

それでは、現状の温泉施設がどれくらいの割合でタトゥー・刺青を許容しているのかを見てきましょう。今回調査には

を利用しました。なお、「Tatoo Spot」に登録されている件数は2016年7月現在のものです。

まずは、全国の温泉施設の分布状況がこちら。

都道府県別 温泉施設数

都道府県別 温泉施設数

ここでの「温泉施設」は「(温泉を擁する)宿泊施設数」と「温泉利用の公衆浴場数」を合算したものです。有名温泉地帯に温泉施設が集中しており、また日本全国どこの都道府県であっても、おおよそ100件以上の温泉施設があることがわかります。

それに対する「Tatoo Spot」を利用して割り出したのタトゥー・刺青OKな温泉施設の割合がこちら。

都道府県別 温泉施設のタトゥー・刺青許容率

都道府県別 温泉施設のタトゥー・刺青許容率

かなりの温泉施設でタトゥー・刺青がNGとされており、タトゥー・刺青を許容している温泉施設は全国平均で0.86%しかありません。

「Tatoo Spot」が全ての温泉施設のタトゥー・刺青可否を掲載できていないと思われます。そのため低めの数値が算出されていますが、我々の肌感覚に近いのではないでしょうか。

 

観光庁によると56%の温泉施設でタトゥー・刺青お断り

タトゥー・刺青の入った人の入浴可否状況:観光庁

タトゥー・刺青の入った人の入浴可否状況:観光庁

官公庁が昨年2015年10月に行った「入れ墨(タトゥー)がある方に対する入浴可否のアンケート」も参考になります。

この調査結果は、全国のホテル、旅館約3,800施設に調査表を送付、約600施設(約15%)からの回答をもとに作成されています。

こちらの調査によると

  • お断りをしている施設:約56%
  • お断りしていない施設:約31%
  • シール等で隠す等の条件付きで許可している施設:約13%

となっております。なお、本調査は、調査対象が「公衆浴場」を含まず「ホテル、旅館」に対する調査である点、また、調査対象の「ホテル、旅館」が「温泉施設」に限ったものなのかが不明です。

とはいえ、前述の「Tatoo Spot」を利用した集計と観光庁のアンケート結果を鑑みるに、6割〜9割の施設でタトゥー・刺青のある利用客をお断りしているのが現情の模様です。

 

アメリカ人の10人中3人がタトゥー・刺青をいれている

それでは、どれくらいの訪日外国人観光客がタトゥー・刺青を入れているのでしょうか?その一例として訪日米国人観光客を取り上げてみます。

2015年のThe Harris Pollによる調査によると、体のどこかにタトゥー・刺青を入れている人の割合は、タトゥー・刺青を入れている人の割合は年々増えており、アメリカ国民全体で2008年は14%、2012年には21%、2015年には29%までのぼります。

米国人のタトゥーを入れている人の割合年別推移:The Harris Poll

米国人のタトゥーを入れている人の割合年別推移:The Harris Poll

また、2015年の調査を年代別に見ると、18-24歳で35%、25-29歳で42%、30代は55%にも及び、2人に1人が体のどこかに1つ以上のタトゥー・刺青が入っており、比較的若年層での普及率が高い模様です。

米国人のタトゥーを入れている人の年代別割合:The Harris Poll

米国人のタトゥーを入れている人の年代別割合:The Harris Poll

 

まとめ:施設の努力だけでなく、日本人の意識を変える必要があるかも

観光庁の「入れ墨(タトゥー)がある方に対する入浴可否のアンケート」によれば、「入れ墨をした方を巡る苦情の有無」の項目では、「ある」と回答した施設が47.2%にものぼるようです。

やはり、現在の日本人の意識では「刺青・タトゥー=暴力団や不良」というイメージが強いことがあらわれています。とすれば、温泉施設の努力や規則の変更だけで解決する問題ではなく、観光立国を目指すのであればこそ、受け入れる側の日本人の意識改革が必要になってくるのではないでしょうか。

 

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