コンピューターを使って、一瞬にしてある言語の文章は、別の言語に変えてしまう自動翻訳。Google翻訳やエキサイト翻訳など無料で使えるサービスが以前から存在し、誰もが一度は使ったことがあるでしょう。

対応言語数や精度の面で徐々に向上していると言われていますが、残念ながら、訪日外国人観光客を接客し、口頭でコミュニケーションする際には使うことができません。もっとテクノロジーが進化して、アニメ「ドラえもん」に登場する「翻訳こんにゃく」のようなものがあれば……と思ったことがある人も多いのではないでしょうか。

自動翻訳デバイス「ili(イリー)」イメージ画像:iamili.comより引用

自動翻訳デバイス「ili(イリー)」イメージ画像:iamili.comより引用

実は、そんな希望を叶えてくれるかもしれない「ili(イリー)」というウェアラブル翻訳デバイスが平成28年(2016年)9月29日に、ハワイ州観光局により「公認商品」として認定されたことで、にわかに注目を集めています。

今回は、インバウンドビジネスで大活躍してくれそうな「ili(イリー)」についてご紹介します。

 

インバウンドビジネスに一役買ってくれそうな「ili(イリー)」とは?

「ili(イリー)」を開発したのは日本のITベンチャー

「ili(イリー)」を開発したのは、日本のIT企業・ログバー。2013年に事業を開始したベンチャーながら、ジェスチャーで電気機器を操作する指輪型ウェアラブルデバイス「Ring」のような独創性の高い製品を世に送り出しており、グッドデザイン賞などを獲得しています。

インターネット接続不要で、手軽に使えるのがポイント

「ili(イリー)」の特徴は、インターネット接続をせずに音声翻訳ができること。日本語、英語、中国語の3ヶ国語に対応しており、音声を吹き込むと任意の言語に翻訳することが可能。旅行での利用を想定しており、一般的な会話だけでなく、買い物、トラブル、レストランなどのシーンにも対応。人混みの中でも使えるように、音声は大音量かつクリアになっているといいます。

 

「ili(イリー)」の翻訳能力の高さは?

日本語→英語の日常表現をばっちり翻訳

気になるのは、翻訳能力の高さ。PR動画では「おいしいレストランを教えてください」「この商品の色違いはありますか」「ワイキキトロリーどこから乗れますか」「キャラメルは好きですか」などの日本語を、たちまち完璧な英語に置き換えて音声出力しています。これくらい使えれば、小売店やレストランでの接客で使う表現はほぼカバーできそうです。

英語→日本語でも自然な会話文に

ある外国人男性は「ili(イリー)」を使って東京で初対面の日本人女性にキスをさせてもらう、という企画を敢行し、動画を投稿しました。この際にも「ili(イリー)」は「I know this is sudden, but can I try to kiss you?」を「突然ですが、あなたにキスしてもいいですか?」、「Today’s weather is beatiful, but not as beatiful as you」を「今日の天気は美しいけれどもあなたほど美しくはない」と自然な文章に翻訳しています。

企画内容に対し賛否両論があったためか、執筆時点では動画は非公開になっています。しかし、「ili(イリー)」の翻訳能力の高さを明らかにしたという点に限れば、非常に興味深い内容だったと思われます。

 

毎年800万人以上が訪れるハワイで「公認商品」に:実証実験も完了し、ハワイ各所で導入へ

「ili(イリー)」の製品コンセプトを1月に発表したのち、ハワイの観光関連事業者から、導入に関する問い合わせが多数寄せられたとのこと。ハワイは毎年800万人以上の観光客が訪れる世界的なリゾート地であり、高い需要があったようです。

すでに実証実験は完了しており、ハワイ州観光局局長は「旅行者の満足度をとても高めてくれると考えています」「ハワイに訪れる旅行者の体験をとても素晴らしいものにすると感じています」と絶賛するコメントを発表。ハワイの各所で本格的な導入が進められる予定です。

ハワイでは主に日本人観光客を対象に使われるようですが、反対に日本では英語圏、中国語圏の訪日外国人観光客に対して高い効果を発揮してくれるのではないでしょうか。

 

まとめ:自動翻訳の世界の盛り上がりに期待

日本のITベンチャーが開発したウェアラブル翻訳デバイス「ili(イリー)」が米国ハワイ州の「公認商品」に認定。主に日本などからの観光客への対応に使われるものと見られ、ハワイ各所で導入される予定です。

外国人観光客とのコミュニケーションをより良いものにしたい。そう思っているのは日本の観光関連業者も同様でしょう。日本語、英語、中国語の3ヶ国語に翻訳することができるので、インバウンドビジネスにもかなり役立ってくれるのではないでしょうか。今後、翻訳の分野でどのようなソフトやデバイスが現れるのか予測するのは困難ですが、更なる盛り上がりに期待したいところです。

 

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