日本国内でも成長が続く電子商取引(eコマース:EC)ですが、その勢いが止まらないのがお隣中国のEC市場。中国のEC市場は3年前に米国を抜いて世界一位となりました。2015年には6300億ドル(約75兆6000億円)に達し、間もなく100兆円、数年後には200兆円規模に達するだろうと言われています。

この爆発的な成長に目をつけ、越境ECに力を入れている企業も増えてきました。中国の小売市場におけるEC比率は約20%にまで達しており、中国の消費者にとって「ネットで商品を購入する」という行為が一般化していることが伺えます。

 

中国のEC市場の今

中国では現在、百貨店やスーパーマーケットなどの実店舗の売上が減少し、変わりにECサイトの売上が伸びています。これはスマートフォンの急速な普及、Alipay、WeChat Paymentなどの電子決済の普及などに加えて、店頭価格は人件費などの固定費のために販売価格が高いことが上げられます。そのため、B to B、B to C、C to Cなど様々な形態でECサイトが存在しています。

 

中国主要ECサイト

淘宝網(Taobao.com)

淘宝網(Taobao.com)

淘宝網(Taobao.com)

アリババグループのC to Cサイトでもあるが、B to Cの取引も行われている。会員数はおよそ5億人以上、商品点数10億点以上。価格が安いが、自営業者の出展者も多いために偽物が多い。

天猫(Tmall.com)

天猫(Tmall.com)

天猫(Tmall.com)

アリババグループのB to Cサイト。2014年10月にニューヨーク証券取引所で上場している。実店舗を持っているショップなども出展する。価格はTaobaoに比べて高めだが、偽物を買いたくない場合などに利用されている。

京東商城(JD.com)

京東商城(JD.com)

京東商城(JD.com)

もともと家電の通販サイトとして生まれたサイト。最近は家電製品以外のラインナップも増やしている。2014年5月にアメリカのNASDAQに上場している。家電製品の購入に関して最も利用されているサイト。

唯品会(vip.com)

唯品会(vip.com)

唯品会(vip.com)

中国でブランド品のフラッシュセールを行う最大のサイト。2012年3月にニューヨーク証券取引所に上場している。

蘇寧易購(Suning.com)

蘇寧易購(Suning.com)

蘇寧易購(Suning.com)

中国の大手家電量販店であるスニンによるサイトで、家電を中心に扱っている。知名度が高いためサイトとしての信頼感が高い。

国美在线(gome.com.cn)

国美在线(gome.com.cn)

国美在线(gome.com.cn)

スニンと同様に家電製品を中心に扱うサイト。規模はスニンの半分ほどながら、こちらも知名度が高いため、サイトとしての信頼感が高い。

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越境EC爆発のきっかけは

中国国内のEC市場に加えて越境ECが盛り上がったきっかけには、中国側が「保税区」と呼ばれる、税関が管理する税制などに優位性がある区域を設定したことにあるとされています。

従来中国で海外から商品を購入する場合、インターネットで注文をした後に国際便として受け取る形が一般的でした。しかしこの場合、配送に時間がかかり、配送コストも高くつくという問題がありました。さらに関税に加え、増値税、消費税がかけられていました。

「保税区」は中国自由貿易試験区、寧波保税区などいくつかの区域で始まったもので、販売者側はコンテナで輸入した大量の商品を通関手続きをせずに、保税区域内の倉庫に保管。商品が売れる売れる度に通関手続きをとります。これは中国国内からの発送となるため個人向け貨物扱いとなり、税率の低い「行郵税」が適用され、配送時間も短縮されます。さらに関税額が50元以下の場合は免税対象となるなど、こうしたメリットがあるため保税区内の倉庫を活用した越境ECが注目を集めてきたわけです。

 

越境EC今後の課題とは

越境ECの成長の原動力であった保税区に関する制度ですが、2016年4月8日に見直され、免税枠がなくなり税率が変わりました。また輸入可能な商品を規定する、第一次越境EC輸入商品リスト、第二次越境EC輸入商品リストが発表され、このリストに記載のある商品に限り越境ECとしての輸入が可能となりました。

この見直しは保税区を利用した越境ECは引き続き許可するが、中国の税収獲得に貢献していない、店頭で販売されている海外商品に比べて税率が安すぎるといったことによるものとされています。免税枠の廃止の影響を嘆く声も大きく、今後さらなる変化が起きる可能性もあります。

まとめ

成長を続ける中国のEC市場は、越境ECを行う上で魅力的な市場であることに変わりありませんが、税制度の見直し、越境EC輸入商品リストが設けられるなど新たなルールが設けられています。これから越境ECに参入する場合はこうした制度のしっかりとした理解が必要となってくるでしょう。

<参考>

 

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