インバウンド対策で中国人を外国人雇用する際に知っておくべきこと:平均年収や仕事観、国民性について解説

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2016年9月の訪日中国人観光客は約52万人で、前年同月比6.3%増加。2016年1月は前年同月比110%増だったことや、今年1月から9月までの平均伸び率が30%超えであったことを考えると、少々失速気味の中国市場です。

それでもなお、訪日外客数ベースでインバウンド市場の25%のシェアを誇る訪日中国人観光客は、現状、インバウンド対応優先度が高い状況にあると言えます。

JNTOは、9月の伸び率の低下について、台風によるクルーズ船のキャンセルが相次いだことが要因だとしていますが、今後の動向に注意が必要です。

今回は、そんな訪日中国人観光客向けインバウンド対策として、中国人を外国人雇用する場合に知っておくべき国民性や賃金の目安について解説していきます。

 

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中国人を外国人雇用する際に知っておくべき国民性

訪日中国人観光客向けに中国人を外国人雇用する場合、また面接をする際に知っておきたいのが、中国人の国民性です。

中国人といえば、インバウンド業界では最近下火になりつつも訪日中国人観光客による「爆買い」が有名ですが、この「爆買い」の裏には中国人特有の価値観が有ります。

中国人はメンツや意地を重んじ、家族や親族、圏子(チュエンズ/同様の経済力、ライフスタイル、価値観などを持つ仲間)を大切にする心理があります。大量のおみやげを購入し、それらの人々にプレゼントすることで、自他のメンツを立てていると言われており、これが「爆買い」に結びついています。

その他では、中国人には以下の傾向があると言われています。

  • 強い行動力を持ち、団体行動はあまり得意ではない
  • 特別なもてなしをされるのが好き
  • 親しい人に対してはとても親切だが、無関係な人には冷たい
  • 頑固なところがあり、自分の言い分をなかなか譲らない

中国は国土が広く地域差も大きいため、一概には言えないものの、全体としてこのような国民性だと言われています。

中国人の仕事や会社に対する価値観

中国において、儒教的な礼節や忠孝といった価値観は健在で、地縁や血縁、派閥を中心にした人間関係の中で社会が動いています。そのため、会社組織内においても、一度「仲間」と認識すれば比較的礼節をもって接する傾向にあります。

また、中国国内の会社組織においては、上記のように儒教的な思想のもと、内部の縦の命令系統ははっきりしている傾向があるものの、翻って横の連携は希薄であることが多いです。

また、契約や約束事については、自分の不利益に関わることには厳格な傾向があり、逆に相手の不利益に鳴ることにはアバウトである傾向があります。そのため、いざ雇用契約を結ぼうとするときや、面接時での待遇に関する説明などについては細かい質問や確認が予想されます。また、後々の言った言わない論争になったときに備えて、雇用する側から指示をする場合は、必ず書面などで証拠を残しておくことが重要です。

 

中国人を外国人雇用する際に知っておくべき母国での平均年収

中国人を外国人雇用するにあたって、募集をかける際、または雇用条件を交渉する際に参考になるのが、母国での平均年収です。

平均年収の算定にあたって、スイスの大手金融機関であるUBSが作成・公表している調査「Prices and Earnings」と、日本の厚生労働省が作成・公表している「賃金構造基本統計調査」をもとにして、中国の平均年収を算出しました。東京の平均年収と比較して見てみましょう。

 
 
2012年
2015年
 
中国
83万円
116万円
 
日本(東京)
 406万円
 460万円

中国は経済発展がめざましく、2012年の83万円から2015年には33万円アップの116万円となっています。しかしながら、東京都比較するとまだまだ経済的に後進国であると言えます。

一方、だからといって安易に賃金を低くすることは危険です。日本では、労働基準法第3条において、均等待遇の定めがあり、労働者の国籍による賃金などの労働条件に差別をつけることは禁止しています。そのため、日本人と外国人雇用する中国人が同じ業務をしている場合は、賃金を低めにする、といったことはできないので注意しましょう。

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<参考>

※UBSの「Prices and Earnings」はニューヨークの平均年収を100として、世界各都市の平均年収を比較。その比較値を東京を100として算出しなおし、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」による東京の平均年収と掛け合わせることで各都市の平均年収を算出。同一国に複数都市ある場合は、その平均値を平均年収とする。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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