年々、訪日外国人観光客が増えるにつれて、インバウンドビジネスに参画する企業も増えつつあり、それにともない、インバウンド業界におけるマーケティング手法が確立しつつあります。

現在、インバウンドマーケティングにおいては、訪日外国人観光客の行動について「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」、すなわち訪日旅行前、訪日旅行中、訪日旅行後にフェーズわけをした上で、それぞれの段階ごとに適切なアプローチをすることが重要となってきています。

今回は、その「旅マエ」「旅ナカ」「旅アト」のうち、「旅ナカ」について徹底解説していきます。

旅ナカとは?

旅ナカとは、インバウンドマーケティングにおいては、訪日外国人観光客の訪日旅行中の、観光地をめぐり、ショッピングを楽しみ、ホテルや旅館などの宿泊施設に泊まるなどして旅行を満喫している段階のことを指します。期間としては訪日旅行中の5〜10日間程度です。

旅マエ・旅ナカ・旅アトの各フェーズ解説一覧/旅ナカについて

旅マエ・旅ナカ・旅アトの各フェーズ解説一覧/旅ナカについて

旅ナカは、主に旅マエに立てたスケジュールの消化をしながら、訪日旅行を満喫します。また、どこで何を買うか、何を食べるか、といった日本に到着してから選択するような事柄を、調べたりしながら決めていきます。

旅ナカでの訪日外国人観光客の行動

訪日外国人観光客の滞在日数:観光庁 消費動向調査 平成27年 年次報告書より引用

訪日外国人観光客の滞在日数:観光庁 消費動向調査 平成27年 年次報告書より引用

旅ナカの訪日外国人観光客の行動は、旅マエ期間で手配したりスケジュール立てしたものの消化、そして現地で決められる・手配できるものの調査や決定をしていくことが主なものになります。日数では、国籍や地域によるものの、おおよそ5〜10日間程度です。

初訪日の訪日外国人観光客にとっては、日本で目に入るものすべてが新しく見えます。旅慣れていない人の場合や、団体旅行で訪日した場合は、事前に立てたスケジュールをこなしていくことに手一杯になりがちです。

また、リピーターの訪日外国人観光客は、心も移ろいがちでその場の雰囲気で決めることも多くなってきます。

旅ナカを狙ったプロモーション戦略

旅ナカは、出国〜訪日中〜帰国するまでの期間であり、訪日外国人観光客は、前述の通り旅マエで立てたスケジュールをこなしたり、現地で決める・手配することができるものの調査や決定をしていきます。この期間において、積極的なプロモーションをすべき業種、タイミング、そして適切な広告などの配信先について見てみましょう。

旅ナカにインバウンドプロモーションをすべき業種とは

旅ナカにプロモーションをすべきは、主に訪日中に現地で決めたり手配ができる業種です。具体的には、

  • 小売店
  • 飲食店
  • 観光施設
  • イベント、アクティビティー
  • 通信(SIM、レンタルWi-Fi)
  • 交通機関

などが対象となります。それぞれ、

  • 小売店
    • お買い物リストを作成していたとしても、どの店鋪で購入するかは決まっていないパターンもある。また、訪日中国人観光客、訪日台湾人観光客を除き、厳密な買い物リストや購入先リストを作成しているのは稀で、現地で適当な店鋪を探し適宜買い物をする。
  • 飲食店
    • 事前に予約が必要な高級店でない限りは、ある程度目星はつけつつも、旅マエ時点で決め打ちをしていることは稀。
  • 観光施設
    • 旅ナカで発見した観光施設にぶらりと入ることも多い
  • イベント、アクティビティー
    • 観光施設同様、旅ナカで発見した観光施設にぶらりと入ることも多い
  • 通信(SIM、レンタルWi-Fi)
    • 特に旅慣れた訪日外国人観光客の場合、日本に到着後、空港や最初に到着した訪問地などで手配する。
  • 交通機関
    • 普通列車、バス、タクシーといった、事前手配が必要のない交通機関は現地でどれに乗るかを決める。乗り放題系チケットについても旅ナカ期間で手配しうる。

といった背景があります。キーポイントは、訪日外国人観光客が訪日後、つまり旅ナカ期間にどうするかを考え、調べ、決めるようなビジネスです。

また、団体旅行客は、ツアー会社によってスケジュールが組まれており、自分で決められる範囲が少ないため、プロモーションにおいてはFIT(個人旅行)客が主だったターゲットとなります。

旅ナカを狙ったプロモーションの効果的な時期とは

旅ナカ期間は、訪日後ののおおよそ5〜10日間です。そのため、前述で列挙したような業種は、ターゲットとなる国や地域の訪日客ピークに合わせて積極的なプロモーションを仕掛けることが効果的です。

それぞれの国の訪日客のピークについては、以下の記事でインバウンドカレンダーとして詳細に解説しているので、参照下さい。

 

旅ナカ向けに効果的なプロモーション手法とは

(参考)訪日中に役立った情報源:観光庁 消費動向調査 平成27年 年次報告書より引用

(参考)訪日中に役立った情報源:観光庁 消費動向調査 平成27年 年次報告書より引用

プロモーションにおいては、ターゲットがどのようなかたちで情報に接触しているかを分析し、そこにアプローチをすることが効果的な戦略となります。

旅ナカは、出国〜訪日中〜帰国するまでの期間であり、訪日外国人観光客が旅行を満喫しながら現地で決められることを探し、比較し、決定していきます。そのため、ターゲットとなる訪日外国人観光客が接触するメディアなどの情報源は

・空港、機内誌
・口コミサイト
・スマホ検索、アプリ、SNS、メッセージ
・街中の看板、店内ポップ

などが主だったものとなります。それぞれ、どのような目的で接触するかについては、

  • 空港、機内誌
    • 手持ち無沙汰になりがちな飛行機での移動中の暇つぶしとして、空港では到着直後の移動手段やSIMやWi-Fi端末といった必需品の手配、調査
  • 口コミサイト
    • ちょっと気になった目の前にあるお店は入店するに値するか、多言語対応といったインバウンド対応が行き届いているかを調べる
  • スマホ検索、アプリ、SNS、メッセージ
    • 現在地近くで美味しい飲食店やおもしろいスポット、イベントなどはないか/友達に欲しいお土産は何かをきく、日本通の友達にオススメをきく
  • 街中の看板、店内ポップ
    • なにかおもしろいものはないか、この商品は購入するに値するかを判断

などが考えられます。

そのため、これらの媒体への接触目的と自社のビジネスを照らし合わせて、どの媒体に広告を出すべきかを判断することが重要です。

また、旅ナカ期間は、インバウンドプロモーションにおいて唯一訪日外国人観光客に直接アプローチできる期間となります。よって、スマートフォンなどを利用したO2O(「Online to Offline」の略、ネット上から実地での行動を促すプロモーション施策)も有効になります。

 

まとめ:訪日中に現地で調べる・比較する・決める・手配することが可能なビジネスは、ターゲット国の訪日客ピークに標準を合わせてプロモーションを

インバウンドにおける旅ナカとは、出国〜訪日中〜帰国までの「旅行中」の期間であり、訪日外国人観光客は現地で「どの店が美味しいかな」「この商品はどこにあるのだろう」「なにかおもしろい観光地やイベントはないかな」といった調査・比較・選定・手配をしていきます。

そのため、飲食店や小売店、交通機関などを代表とした、訪日旅行中に手配が可能となるインバウンドビジネスにおいては、この期間にあたる訪日中の5〜10日間に重点的にプロモーションを仕掛けることが効果的となります。

ターゲットとしている国や地域の訪日客ピーク時期を把握した上で、適切なタイミングで適切な媒体に広告を出稿したり、O2O施策を展開することで、効果的なプロモーションが期待できます。

また、この期間での訪日旅行の満足度はリピーター化できるかどうか、さらには口コミによる集客を促進できるかを大きく左右します。そのため、集客施策だけでなく、言語対応といった訪日外国人観光客への接客・接遇での満足度向上施策も、非常に重要になってきます。

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