2016年9月の訪日台湾人観光客は約35万人で、前年同月比14.7%増加。2016年1月は前年同月比47.9%増で、やや失速気味であるものの、人口比(台湾の人口はおよそ2350万人)で考えれば、訪日観光は非常に人気のあるアクティビティーであると言えます。

いわゆる中華圏訪日外国人観光客(中国、台湾、香港)のうち、最も親日度が高いと言われ、インバウンド市場においては外客数ベースで第3位のシェア率(訪日外客数の20%)を誇る台湾市場。

今回は、そのような訪日台湾人観光客向けインバウンド対策として、台湾人を外国人雇用する場合に知っておくべき国民性や賃金の目安について解説していきます。

 

台湾人を外国人雇用する際に知っておくべき国民性

訪日台湾人観光客向けに台湾人を外国人雇用する場合、また面接をする際に知っておきたいのが、台湾人の国民性です。

台湾人の国民性を理解するには、歴史的背景を知る必要があります。ヨーロッパ諸国の大航海時代のあおりを受け、17世紀にはオランダの植民地になりました。同世紀半ば1662年から、今度は漢民族によって統治されるようになり、1895年からは日本の支配下に入りました。

第二次世界大戦終了後、中国で国共内戦が勃発し、敗れた国民党軍が台湾に移住し、統治しはじめました。こうして成立したのが現在の台湾です。更に、資本主義を採用していたことから、共産主義勢力への対抗を目論むアメリカが台湾への支援を実施したことにより、20世紀後半に高度経済成長期に突入しました。

このような歴史的な背景から、香港は、中国や日本、アメリカなどからの影響を強く受けており、また、海外文化の受容にとても積極的な国民性です。親日家が多いことでも有名で、特に若者は日本のエンターテイメントなどに関心が高いと言われています。流行に敏感で、台湾人のあいだでブームになったものがその後、中国や香港で流行することも少なくありません。

儒教の思想・倫理観が残っており、中国的な家族制度の影響があります。そのため、家長を尊崇し、家族、人間関係を重視する傾向があり、上下関係、血縁関係を重んじます。

その他では、台湾人には以下の傾向があると言われています。

  • 明るくおおらかな性格で、初対面でもすぐに打ち解ける
  • 冒険心の強いチャレンジャーが多く、失敗を恐れない
  • 勝負事が好き
  • メンツ、個人の自由を重視し、独立心が強い
  • 血縁関係による結びつきが強い
  • 流行に敏感で、日本のカルチャーに興味をもつ若者が多い

また、中国国民との最も大きな違いは、中国人は比較的執念深く、台湾人は明るく寛容な気質である点です。世界的傾向として、温暖な気候の土地の住民の気質は、開放的で温和な傾向があり、台湾も同様の傾向があります。

台湾人の仕事や会社に対する価値観

前述のとおり、台湾には、儒教の思想・倫理観が残っており、中国的な家族制度の影響があります。そのため、台湾国内の会社組織においては、中国と似たような傾向があり、トップダウン型が多い傾向にあります。

ビジネスの考え方としては欧米型と中国型のハイブリットと言える傾向があります。時間とプロフィット(利益)を重視し、アポイントの時間に厳しかったり、長期的な企業の展望よりも、短期の利益を重視する傾向があります。

また、中華圏の国らしく「面子」を非常に重要視します。そのため、中国ほどではないものの、面接の際などに、多少誇張して自分の能力などを話す可能性があるため、その根拠について注意が必要です。

また、雇用後についても「面子」には注意が必要です。いわゆる「顔に泥を塗る」ような行為は非常にプライドを傷つけるので、注意や指導が必要な場合は公然の場は避けるようにしたほうがベターです。

その他、「No」の使い方については日本と似た傾向があります。はっきりと「No」を主張するのではなく、多少ぼかして「No」の意思を示します。そのため、「検討してみます」「考えてみます」といった言い方は「ほとんどNo」の意味合いで使う場合があるので、一緒に働く際には気をつけると良いでしょう。

 

台湾人を外国人雇用する際に知っておくべき母国での平均年収

台湾人を外国人雇用するにあたって、募集をかける際、または雇用条件を交渉する際に参考になるのが、母国での平均年収です。

平均年収の算定にあたって、スイスの大手金融機関であるUBSが作成・公表している調査「Prices and Earnings」と、日本の厚生労働省が作成・公表している「賃金構造基本統計調査」をもとにして、台湾の平均年収を算出しました。東京の平均年収と比較して見てみましょう。

2012年 2015年
台湾 146万円 268万円
日本(東京)  406万円  460万円

台湾は先進国と発展途上国の中間程度の経済発展をしており、中国よりは収入が大きいものの、アメリカや日本などの先進国と比較すると、まだまだ発展の余地がある状況です。

その発展も目覚ましいものが有り、2012年の平均年収は146万円で、2015年には120万円アップの268万円となっています。東京都比較するとまだまだ経済的に後進国であると言えるものの、年々経済的豊かさはアップしているので、待遇などには注意が必要です。

東京都の平均年収と比較して、台湾の平均年収が低いからといって安易に賃金を低くすることは危険です。日本では、労働基準法第3条において、均等待遇の定めがあり、労働者の国籍による賃金などの労働条件に差別をつけることは禁止しています。そのため、日本人と外国人雇用する台湾人が同じ業務をしている場合は、賃金を低めにする、といったことはできないので注意しましょう。

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<参考>

※UBSの「Prices and Earnings」はニューヨークの平均年収を100として、世界各都市の平均年収を比較。その比較値を東京を100として算出しなおし、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」による東京の平均年収と掛け合わせることで各都市の平均年収を算出。同一国に複数都市ある場合は、その平均値を平均年収とする。

 

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