2016年9月の訪日韓国人観光客は約43万人で、前年同月比42.8%増加しており、9月の前年比国籍別伸び率は全訪日外国人観光客中1位でした。

2016年5月は、訪日韓国人観光客がよく訪れる九州は熊本で起こった熊本地震の影響でツアーや就航便のキャンセルが相次ぎ、ここ数年で初の前年割れをしたものの、その後は順調に巻き返しつつある韓国市場。

今回は、そのような訪日韓国人観光客向けインバウンド対策として、韓国人を外国人雇用する場合に知っておくべき国民性や賃金の目安について解説していきます。

 

韓国人を外国人雇用する際に知っておくべき国民性

訪日韓国人観光客向けに韓国人を外国人雇用する場合、また面接をする際に知っておきたいのが、韓国人の国民性です。

韓国人の国民性を理解するには、歴史的背景、そしてそこから生まれた半日教育について知っておく必要があります。

1987年、日清戦争での清の敗北により、朝鮮は清の冊封体制から離脱し、大韓帝国として独立します。その後、日本の軍事的策略により、1904年の第一次日韓協約、1905年の第二次日韓協約、そして1910年の日韓併合条約と、段階的に日本統治下におさまります。

その後、1945年の第二次世界大戦で日本の敗北となると、朝鮮半島の日本統治が終了し、1950年の朝鮮戦争を経て、現在の大韓民国(韓国)としての国を形成していきます。

歴史的見解の相違と反日教育

韓国という国の形成過程において、さまざまな歴史観が存在するため「何が正しいか」ということへの言及は避けますが、日本統治下では、日本は朝鮮のインフラ整備を急速に進め、教育にも力を入れるなど、いろいろなことをしてくれた、と年配の韓国人の方が感謝する声がある、という一方、「強制連行」や「慰安婦問題」など、現在まで続く歴史的見解問題が存在しているもの事実です。

また、これらの歴史的見解の問題を、韓国政府が、国民統治のプロパガンダとして利用し、反日教育という形に落とし込みました。そのため、現在の50歳〜60歳代には、強烈な半日思想の持ち主も多く、よって、今もなお解決に至っていないという分析もあります。

現状「事実」として言えるのは、上記のような反日教育が今もなお続いているということです。一方、近年のインターネットやスマートフォンの普及による情報量・ソースの多様化により、特に若年層はそこまで反日感情が無い、という話もあります。

日本文化の輸入制限緩和が反日感情の緩和に作用している?

また、日本のエンターテイメントを楽しみ、日本企業の製品に信頼を持っている人も多いのも事実です。この背景には、日本大衆文化の流入制限の開放も寄与しているものと考えられます。

韓国では、日本からの独立後、韓国内のテレビで日本のドラマや映画、日本語の歌の放送が法律で禁止されていました。1998年から2004年にかけて、日本の大衆文化が段階的に開放されたことにより、今では日本のテレビドラマを除き、おおよその大衆文化が日本から韓国へ輸出されています。

その他の国民性・特徴

前述の歴史的背景による特徴のほか、韓国人には以下のような国民性・特徴があると言われています。

  • 儒教の影響が色濃く残っており、家族や親族などの身内を大切にし年長者を敬う傾向がある
  • 愛国心が強い
  • 気が強くストレートな感情表現を行い、曖昧なことを嫌う
  • 感情的な気質で、熱くなりやすい
  • せっかちで待つのは不得意

韓国人の仕事や会社に対する価値観

韓国国内の会社は、オーナー経営が殆どで、資本と経営の分離がなされていないケースが数多くあります。また前述の通り、韓国では儒教の影響が色濃く残っているため、組織体系は典型的なトップダウン、縦割り形式です。

また、儒教の影響は仕事のスタンスにもあらわれており、ビジネスの際には、年齢や肩書が重視されます。同様に、成果やアウトプットよりも人間関係や上下関係を重視する傾向があり、この点は一般的な日本の会社組織と通ずるものがあります。

上記の傾向のためか、意思決定〜行動は比較的遅めの傾向があります。しかしながら、自分の想定通りにならないと我慢ならないこともあります。韓国人は、比較的自分の感情を素直に表現することが多いので、相手がどのような想定であるのかを把握することも、スムーズに面談やタスクをこなしていくにあたってのポイントになります。

また、儒教圏の国らしく「顔を潰される」ことにはセンシティブです。よって、雇用後に注意や指導が必要な場合は公然の場は避けるようにしたほうがベターです。

その他では、前述の歴史的背景があるため、日本に居ながらも反日感情が大なり小なりある可能性があることには留意が必要です。また、同様の背景により、ナショナリズムが非常に強い国ですので、国民性に関する話題は避けたほうが良いでしょう。

 

韓国人を外国人雇用する際に知っておくべき母国での平均年収

韓国人を外国人雇用するにあたって、募集をかける際、または雇用条件を交渉する際に参考になるのが、母国での平均年収です。

平均年収の算定にあたって、スイスの大手金融機関であるUBSが作成・公表している調査「Prices and Earnings」と、日本の厚生労働省が作成・公表している「賃金構造基本統計調査」をもとにして、韓国の平均年収を算出しました。東京の平均年収と比較して見てみましょう。

2012年 2015年
台湾 241万円 347万円
日本(東京)  406万円  460万円

韓国は東アジア圏においては比較的経済的に発展している国であり、中国、台湾、香港、韓国の中では、香港の355万(2015年)に次いで2位に着いています。

2012年からの比較では、2012年の241万から106万円アップの347万となっており、今後も順調に経済発展していけば、日本と同様の年収になる可能性があります。

なお、現在の東京都の平均年収と比較して、韓国の平均年収が低いからといって安易に賃金を低くすることは危険です。日本では、労働基準法第3条において、均等待遇の定めがあり、労働者の国籍による賃金などの労働条件に差別をつけることは禁止しています。そのため、日本人と外国人雇用する台湾人が同じ業務をしている場合は、賃金を低めにする、といったことはできないので注意しましょう。

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<参考>

※UBSの「Prices and Earnings」はニューヨークの平均年収を100として、世界各都市の平均年収を比較。その比較値を東京を100として算出しなおし、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」による東京の平均年収と掛け合わせることで各都市の平均年収を算出。同一国に複数都市ある場合は、その平均値を平均年収とする。

 

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