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訪日外国人観光客やインバウンドに関する外部メディアのニュース中で、先週(11/27〜12/3)の注目ニュースをまとめました。プロモーションやマーケティングに役立つ情報が盛りだくさんのインバウンドニュースのまとめです。今回はコト消費への変遷で変わるインバウンドサービス、訪日外国人観光客の地方誘致はどうなる?。

先週・先々週の気になるニュースまとめはコチラ

 

百度(バイドゥ)、Yahoo! JAPANとの中国向けマーケティング支援における業務提携について:時事ドットコム

百度(バイドゥ)、Yahoo! JAPANとの中国向けマーケティング支援における業務提携について:時事ドットコムより引用

百度(バイドゥ)、Yahoo! JAPANとの中国向けマーケティング支援における業務提携について:時事ドットコムより引用

中国の検索エンジンサービス最大手で知られる「百度(バイドゥ)」が、Yahoo! JAPANと中国向けマーケティング領域にて、業務提携を開始することを発表しました。

提携内容は以下の通り。

百度(中国)が提供するリスティング(検索連動型)広告・アドネットワーク広告について、Yahoo! JAPANが日本総代理店として広告の販売を行います。これにより、バイドゥは日本国内代理店商流をYahoo! JAPANの代理店商流に移管します。

また、バイドゥが保有する検索ビックデータやこれまでの業界・ユーザー動向などデータ等とYahoo! JAPANのノウハウを元にトレンド分析や改善施策などのコンサルティング業務も実施していく予定です。

つまり、Yahoo! JAPANが百度(バイドゥ)の広告商品の日本総代理店になること、そして百度(バイドゥ)が持つ中国人の検索データをYahoo! JAPANがこれまで培ったノウハウを基に分析、インバウンドコンサルに活用していく、といった格好での提携になります。

提携の背景には、訪日中国人観光客数が年々増加していることはもちろんのこと、FIT(個人旅行客)の増加、そしてそれに伴う「コト消費」への変遷といった、訪日中国人観光客のインバウンド需要の変化があります。

ツアー会社が旅程を決める団体旅行と違い、FIT(個人旅行客)は、旅行者が全ての日程を自分で調べ、比較し、手配します。そのため、それらの旅マエの訪日中国人観光客にリーチが出来る中文広告の需要は、今後高まっていくことが期待されます。

また、中国国内でのEC市場規模の成長は目覚ましいものがあり、

中国国内でネット通販各社が一斉にセールを開催する独身の日(11月11日)では取り扱い額が1,770億元(約3兆円:星图数据調べ)を超え、さらに日本の日用品や化粧品も人気があった

といったように、旅アトの訪日中国人観光客向け越境EC領域においても、今回の百度(バイドゥ)とYahoo! JAPANの提携で、さらなる市場規模の拡大が望めるものとなりそうです。

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漢字圏特化型の訪日外国人向け体験・アクティビティ商品直販サイト「NANATOMO.net」 体験・アクティビティ商品の発売開始!:PR TIMES

漢字圏特化型の訪日外国人向け体験・アクティビティ商品直販サイト「NANATOMO.net」 体験・アクティビティ商品の発売開始!:PR TIMESより引用

漢字圏特化型の訪日外国人向け体験・アクティビティ商品直販サイト「NANATOMO.net」 体験・アクティビティ商品の発売開始!:PR TIMESより引用

主に訪日中国人観光客を筆頭として、日本のインバウンド市場のトレンドは「コト消費」、すなわちモノを買う(モノ消費)よりも、体験で得られる価値に重きをおく消費行動、に移行しつつあります。このような状況の中、株式会社七友が、中国語圏特化型のインバウンド向け体験・アクティビティ商品の直売サイト「NANARTOMO.net」をリリースしました。

体験・アクティビティ商品の販売登録は簡単で、

体験・アクティビティ商品の提供事業者は、事業名や住所、メールアドレスを無料登録することで、同サイト上で英語・中国語(簡体字・繁体字)の3言語で商品を自由に販売できます。

となっています。また、商品の多言語対応も無料で提供しており、

NANATOMO.netでは、日本語から英語・中国語(簡体字・繁体字)への翻訳サービスも無料で対応しているので、今まで国内向けのみにサービスを提供していた事業者でも簡単に訪日外国人向けに商品を販売できます。

とのこと。登録、多言語化、海外広告は無料となっており、売上に対して手数料がかかる方式。また、商品代金の回収リスクについても対応しており、

旅行者に事前決済させるため、漢字圏訪日客の受入れの最大のリスクである当日の無連絡不参加(No-show)のリスクを回避できるメリットがあります。

と、「NANARTOMO.net」が事前に料金を回収するシステムとなっています。また、

中国大陸からの訪日旅行者は、2015年第二四半期は46.6%が団体ツアーによる訪日でしたが、2016年同四半期では36.4%と10ポイント以上低下しており、また、「次回の訪日旅行でやりたいこと」をみても、「ショッピング」の割合が大きく低下し、代わりに日本の「四季の体験」「自然体験」「スキー・スノーボード」など、”体験型観光”、”着地型観光”へのニーズの高まりが見てとれます。

と、このサービスが開始した背景については、前項と同じく中華圏訪日外国人観光客の旅行スタイルの変化にあるとしています。

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4県1~9月の訪日客宿泊最高、昨年1年間上回る 瀬戸芸が後押し:日経新聞

4県1~9月の訪日客宿泊最高、昨年1年間上回る 瀬戸芸が後押し:日経新聞より引用

4県1~9月の訪日客宿泊最高、昨年1年間上回る 瀬戸芸が後押し:日経新聞より引用

インバウンド需要が拡大するなか、政府が掲げる「観光立国」を果たすためには、訪日外国人観光客の地方需要を伸ばしていくことも課題として議論されています。日経新聞は四国4件のインバウンドが好調である様子を伝えています。

日経新聞によれば、

観光庁の統計から集計した4県の今年1~9月の外国人延べ宿泊者数(速報値)は44万6570人泊と前年同期より41%増えた。最高だった2015年1年間の確定値をすでに超え、この勢いが続けば年間60万人泊の大台も視野に入る。(略)四国全体の1~9月の伸び率は全国の12%を上回った。15年通年の前年比である57%増よりは増加のペースが鈍化してきたものの、10~12月も4割増を維持できれば16年は60万人泊を超え、過去2年で2倍強となる。

と、四国では、全国の12%を29ポイントも上回るペースで訪日外国人観光客の宿泊者数が増えています。日経新聞は、その要因について3つを紹介。

ひとつは香川を中心に行われた瀬戸内国際芸術祭です。

3~11月に香川県を中心に開催された瀬戸内国際芸術祭は来場者約100万人の1割以上が外国人だった。直島(香川県直島町)は今年の延べ観光客数が約70万人とみられるが、半数以上が外国人という。今年は中国からが多く、「(大都市圏を中心とした)ゴールデンルート以外への旅行先の多様化を感じる」(直島町観光協会)。

そして、海外でも有名な瀬戸内のサイクリングロード「しまなみ海道」のイベントも影響。

10月に愛媛・広島両県の島々を結ぶ瀬戸内しまなみ海道で開かれた「サイクリングしまなみ2016」は参加者約3500人の7%が外国人だった。自転車愛好家の聖地を目指す愛媛県の国際交流課は「アジアに加え欧州からの観光客も増えている」という。

さらに、LCCを含めた就航便の増発も好調に寄与した模様。

高松空港は芸術祭に合わせて3~11月に台北便が増えた。7月に香港の格安航空会社(LCC)が就航し、10月にソウル線もLCCとして増便された。松山空港は9月にソウル線が運休となったが、残る上海便の維持へ愛媛県と松山市が着陸料などの助成を広げた。一方で高知・徳島両空港は国際線がなく、集客の地域差を招いている。

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アクセス好調9万件 会津地域の魅力発信、外国人用HP

アクセス好調9万件 会津地域の魅力発信、外国人用HPより引用

アクセス好調9万件 会津地域の魅力発信、外国人用HPより引用

日本の主要観光地である会津若松。インバウンド市場においては東北地域の需要が比較的少なく、あらゆる対策がとられています。その中の一例として、会津地域スマートシティ推進協議会の取り組みをご紹介します。

会津地域スマートシティ推進協議会は、6月から外国人用ホームページを使って会津地域のブランド化などを進めています。同協議会にによれば、

会津地域スマートシティ推進協議会は21日、会津大でこれまでの取り組みの成果を発表した。約9万件のアクセスがあったといい、担当者は「目標に近い成果があった」と報告した。

とのこと。ホームページのコンテンツは

同事業はインバウンドの視点でも恵まれた会津の観光資源をデジタル技術を駆使して発信する仕組みで、国の地方創生加速化交付金を使っている。参加する会津の7市町村の観光資源を「外国人が喜ぶ」ことを基準に選び、北塩原村の五色沼や下郷町の大内宿などの魅力を紹介している。

と、観光資源に恵まれた会津の魅力を訪日外国人観光客に発信するといったものです。コンテンツの表示には工夫が施されており、

サイトは、閲覧者の国籍に応じてその国で評価が高い観光地が表示される仕組み。旅行日時や訪れたい地域を入力すると、2次交通の手段も含めた観光ルートが検索できる。同事業ではサイトのアクセス数を上げるために外国人ブロガーや記者などを会津に招待し、体験内容や感じた内容をソーシャルメディアや自国の旅行雑誌で発信。インターネット広告も毎月キャッチコピーを変えて表示した。

と、広告戦略やコンテンツマーケティングを着実に行った結果としての9万件アクセスの模様です。

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ニュース解説 地方創生、基幹産業に=森忠彦(オピニオングループ):毎日新聞

ニュース解説 地方創生、基幹産業に=森忠彦(オピニオングループ):毎日新聞より引用

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毎日新聞による「国立公園満喫プロジェクト」の分析です。「国立公園満喫プロジェクト」とは、「国立公園をブランド化し、世界水準のナショナルパークにする」といったもの。このプロジェクトの成否は官民連携がカギだとしています。

「国立公園満喫プロジェクト」の第1陣に選ばれたのは、以下の8つです。

北から「阿寒」「十和田八幡平」「日光」「伊勢志摩」「大山隠岐」「阿蘇くじゅう」「霧島錦江湾」「慶良間(けらま)諸島」

今後のプロジェクトの流れとしては

>現在、地元の地域協議会で具体的な計画が協議されており、12月には「ステップアッププログラム」としてまとまる。将来的には全公園へと広げる予定で、国立公園だけの訪日客数も15年の430万人から20年には1000万人を目指す。

とされています。なぜ、今になってブランド化なのかといえば、

>「なぜ、今さらブランド化なのか。残念ながら国立公園の認識は以前と比べると低下している。観光地の名前は知られていても、そこが国立公園だと認識されていない。全体としてのPR不足で、魅力を引き出せていない」

と、岡本光之・国立公園課長が語ります。国立公園は環境省の管轄であり、インバウンド誘致のためには観光庁との連携が必要不可欠になってきます。本プロジェクトについて、国内外の国立公園に詳しい熊谷嘉隆・国際教養大教授は

>「世界遺産の登場で脇に追いやられた感のある国立公園に再注目するいい機会だ。大自然中心の米国型とは違って、日本の公園は自然、生活、文化が混在しているのが特徴。徹底して保全すべき場所とある程度の利用を許容する場所を地域特性にのっとってゾーニングすることが大事になってくる。もう一つは地元に収益が出る仕組みを整えること。大型バスの日帰り客だけだと渋滞や騒音、ゴミが増えるだけ。公園内に数日滞在できる、景観に適した質の高い環境が整備されれば地域にお金が落ち、雇用も生まれる。地域に恩恵がないと持続可能な公園運営はできない」

と見ています。日本の国立公園は日本独自の形式をもっており、それらを適切に訪日外国人観光客にアピールすること、そして、国立公園を擁する地元の人々の協力、そして地元の人々への還元がどれだけ上手く回っていくかが「国立公園満喫プロジェクト」の成否をわけそうです。

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