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訪日外国人観光客やインバウンドに関する外部メディアのニュース中で、先週(12/4〜12/10)の注目ニュースをまとめました。プロモーションやマーケティングに役立つ情報が盛りだくさんのインバウンドニュースのまとめです。今回はインバウンド接客のポイントはZoffに学ぼう、実際カジノはインバウンド効果はあるの?など5選。

先週・先々週の気になるニュースまとめはコチラ

 

ダニエル流接客術 訪日客、声かけた5割がメガネ購入:NIKKEI STYLE

ダニエル流接客術 訪日客、声かけた5割がメガネ購入:NIKKEI STYLEより引用

ダニエル流接客術 訪日客、声かけた5割がメガネ購入:NIKKEI STYLEより引用

大手メガネ専門店「Zoff」原宿店で働くダニエルさんのインバウンド接客術に迫った本記事。訪日外国人観光客に接客する上で、言語対応以上に重要なことに関する示唆に富む内容です。

メガネ専門店「Zoff」においても、インバウンド収益は大きな収入源となっています。インバウンド向け売上成績でトップを走るダニエルさん(両親はガーナ人だが生まれも育ちも日本)が訪日外国人観光客の接客において以下の点を注意しているとのこと。

「日本には旅行でいらしたんですか?」。第一声は絶対にこれだ。(略)「いきなり国籍を尋ねるのはご法度。身構えられる」と言う。

「旅行で来たのか」と問いかけるのは、旅行客or日本在住の外国人なのかを見定める目的があります。メガネという商材の特性上、どれくらい時間に余裕があるのかを把握することは接客の第一歩となります。また、我々日本人が海外に旅行に行ったときに「日本人か?」と聞かれると少々身構えてしまうのと同様に、訪日外国人観光客にとっても、第一声が国籍確認だと身構えられてしまうとのこと。

最初は日本語で話しかけるのも彼のルールだ。(略)訪日客には日本語を勉強しているとか、日本語を話したくて来ている人もいる。

「訪日外国人観光客向け言語対応=英語で接客」と思いがちですが、訪日外国人観光客の中には日本語を話してみたい人もいます。最近になって「コト消費」にシフトしつつあることから、東アジア系訪日外国人観光客においても、この傾向は強くなってきているものと考えられます。

ダニエルさんは「語学だけじゃ売れない。一人ひとりに合わせた接客をするのが大事」と語る。(略)時には10人以上のツアー客を1時間以内にさばくこともある。訪日客に話しかけた時の購入率は50%を超えるという。(略)ダニエルさんは「自分が接客に集中できるのは、仲間のおかげ」と強調する。(略)ツアーでの訪日客は1時間程度しか店舗にいられない。インバウンド部隊が接客している間に、他のスタッフがパスポートを預かり、免税書類をつくる。店舗のスタッフ全員で連携し、少しでも早く商品を手渡す仕組みを整えている。

と、小売店におけるインバウンド接客においてボトルネックになりがちな免税対応についても、チーム接客をすることでカバーをする、といった工夫をこらしています。

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【コト消費化するインバウンド】料理教室で和食体験!:RBB Today

【コト消費化するインバウンド】料理教室で和食体験!:RBB Todayより引用

【コト消費化するインバウンド】料理教室で和食体験!:RBB Todayより引用

神奈川県を中心に外国人向け和食教室を開催する「わしょクック」がインバウンドで成功を収めています。「わしょクック」のインバウンド対策は、商材が「コト消費」に則していることもさることながら、インバウンド集客にポイントがありそうです。

始動時のハードルとなるのが集客の部分だが、富永氏がまず足を運んだのが相模原市の国際交流施設「さがみはら国際交流ラウンジ」だ。企画書を持ち込み、「在日外国人向け料理教室」を提案。(略)外国人コミュニティは結束が強いため、口コミや友人を連れてくるなどして、その規模は徐々に広がっていった。

と、まずは在日外国人の方のコミュニティーに対して営業をかけたことが好スタートの要因の模様。異国の地で暮らす外国人同士のコミュニティーは横の繋がりが強く、初期の集客においては、ここでの口コミによる拡散で集客をしていきました。

訪日観光客が増えるにつれて、ネットでの訴求も重要となってきた。(略)検索上位に上がるのは、「英語と日本語でサイトを作っていること、そのなかに刺さるであろう検索ワードも入れていることが理由でしょうか」と分析する。「Japanese Home Style Cooking(日本の家庭料理)」、「DASHI(出汁)」などがそうだ。

「わしょクック」では、特段SEO対策を意識していないとのことですが、訪日外国人観光客に「刺さる」キーワードが随所に散りばめられており、その結果検索上位にあたるようになっています。

また、

現在のインバウンドの80%は中国人や台湾人などアジア系だが、彼らが漢字検索した場合も、これらのキーワードがひっかかる。「在日の場合は日本語を勉強している場合も多いので、日本語表記は大切」とのことだ。

と、日本語表記(というより漢字表記)もインバウンド集客において重要であることを説いています。

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訪日外国人と日本人大学生をマッチング!「自分だけの日本ツアー」を提供する:DREAM GATE

訪日外国人と日本人大学生をマッチング!「自分だけの日本ツアー」を提供する:DREAM GATEより引用

訪日外国人と日本人大学生をマッチング!「自分だけの日本ツアー」を提供する:DREAM GATEより引用

先日、Airbnbが旅行サポートサービス「Trip」をリリースしました。「Trip」の機能の1つ「体験(Experiences)」では、ホストが案内をする現地のアクティビティに参加することが出来ます。いわば、旅行商品のCtoCサービスです。

本記事で紹介されている株式会社Huber.が手がけるサービス「TOMODACHI GUIDE」も同様のサービスとなっており、「コト消費」に標準を合わせたサービスとなっています。

サービス内容は、

提供しているツアーのプランは日本人ガイド自身が企画し、値付けしたもの。

ツアーの詳細は旅行前からガイドと直接やりとりして決める。それこそガイドが自宅にゲストを招いてパーティをするのもアリ。ゲストとガイドが一緒になって体験し、まるで友だちのような関係を築くところが「TOMODACHI GUIDE」の特徴だ。これによって従来の画一的なツアーでは味わえなかった「自分だけの訪日体験」の提供を可能にした。

と、訪日旅行に特化した旅行商品のCtoCサービスとなっています。

特徴は、

国際交流の機会が欲しい首都圏の大学生が中心となっている。ガイドは2人1組で、一方が通訳、もう一方が案内を担当する。

と、「外国人と交流したい大学生」と「ありがちな旅行っぽくない日本の体験をしたい訪日外国人観光客」双方のニーズを満たす点。

ガイドが2人1組となっているのは、

「初めて会う外国人客を案内するのは誰にとってもハードルが高い。当社にはガイドの研修もありますし、マニュアルも用意しています。加えて、2人1組にすることで、心理的なハードルをさらに下げています」

と、ホスト向けのサポートのためであり、サービス拡充のしかけが隠されています。

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カジノ誘致、観光消費てこ入れに効果 前向きなのは都市部…地方誘客との二律背反も:訪日ビジネスアイ

カジノ誘致、観光消費てこ入れに効果 前向きなのは都市部…地方誘客との二律背反も:訪日ビジネスアイより引用

カジノ誘致、観光消費てこ入れに効果 前向きなのは都市部…地方誘客との二律背反も:訪日ビジネスアイより引用

先日6日、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備推進法案が衆院通過をし、カジノ構想が現実味を帯びてきました。こちらの記事はカジノのインバウンド効果について比較的好意的、ないし公平的な視点でみつめています。

政府はカジノ整備を旅行消費活性化の切り札と期待。大和総研の米川誠主任コンサルタントは「日本国内3カ所の整備で、年間約9500億円の旅行消費押し上げが期待できる」と話す。

円為替相場の円高の影響で、訪日外国人観光客の総消費額が前年比減となってしまった2016年7-9月期のインバウンド市場。国内総生産(GDP)の観点からも、観光立国の観点からも、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の効果への期待が高まっています。

しかしながら、現在インバウンド市場において課題になっている、訪日外国人観光客の地方誘致の観点からは疑問が残ります。

一方、カジノ整備はこれまでの観光政策と相反する側面もある。政府は訪日客の地方誘致を強化しているが、カジノ誘致に前向きな自治体は大阪や横浜など都市部が多い。米川氏は「クルーズ船の寄港地との組み合わせなど、地域との親和性や地方創生も踏まえた政策にしていくべきだ」と指摘している。

と、カジノを誘致する地域によって、今後のインバウンド収益の分配図が変化していきそうな見通しです。

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「カジノで観光客が集まるなんて幻想」――観光カリスマが語る:デイリー新潮

「カジノで観光客が集まるなんて幻想」――観光カリスマが語る:デイリー新潮より引用

「カジノで観光客が集まるなんて幻想」――観光カリスマが語る:デイリー新潮より引用

逆に、カジノのインバウンド効果について否定的なのがこちらの記事。書籍『観光立国の正体』の執筆者である観光の専門家、藻谷浩介氏と山田圭一郎氏が、カジノの効果について語ります。

山田:正直、「何を今さら」という感がぬぐえないです。カジノを作ったところでうまくいっているところなんてほとんどないですよ。カジノだけでなく、IR(Integrated Resort:統合型リゾート)そのものをちゃんと理解してない人が多いです。

(略)

山田:IRでうまくいっているところも、カジノだけで儲けているわけではないですからね。

と、カジノ=即インバウンド収益という考え方には否定的です。その理由については、

藻谷:マリーナベイサンズも、日本人はあの奇天烈なビルの上にあるプールに入って喜んでいるだけ。カジノに行っている人はほとんどいない。ラスベガスでも日本人客のほとんどはショーや食事を楽しむのが主目的です。(略)

山田:アメリカのカジノだって、ラスベガスの一部を除けばうまくいってない。アトランティックシティなんて落日の観光リゾート地です。韓国にもカジノが各地にあるけどそれで韓国経済が潤っているという話は聞いたことがない。

と、カジノシティの収益構造について言及。マリーナベイサンズ(シンガポール)やラスベガス(アメリカ)に行く日本人客を引き合いに出し、観光客はカジノそのものでは遊ばない、まさしく「観光」として訪問していることを説きます。

山田:推進派の話を聞いていると、昔のリゾート法の頃のような意識がまだ残っている。開発収入で利益を得たいとか、それで恩恵を被りたいみたいな話ばかり。(略)

藻谷:これもプロダクトアウト(注・顧客の望むものではなく自分が作ったものを売る)の発想の典型です。リゾート法の頃、「高層ホテルとゴルフ場を作れば客が来る」と思い込んで、ダメな設備を大量に作ったのと一緒。

現在のカジノ関連の話題の盛り上がりについて、バブル期のリゾート法(総合保養地域整備法、リゾート産業の振興と国民の余暇活動の場の整備を目的とした法律)を引き合いに出し批判。今のカジノに寄せられる期待についても、プロダクトアウト的な考え方であり、これではバブル期のゴルフ場と同じ道を辿りかねません。

本記事と前項の記事を総合して考えると、

  1. 訪日外国人のニーズの把握
  2. カジノ本体に頼らないリゾート地としての設計
  3. インバウンドの地方誘致との兼ね合いの調整

などの課題をクリアしていく必要がありそうです。

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