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違法業者の横行やホテル、旅館への悪影響、近隣住民とのトラブルといった懸念から、日本では慎重な導入が進められている民泊。本格的な解禁に向け、今年平成29年(2017年)に新たな法案が提出されると見られていますが、それに合わせて観光庁が民泊の苦情や相談を一元的に担う民泊相談窓口を設ける方針であることを日経新聞が報じています。

右肩上がりに増加を続ける訪日外国人観光客によって、大都市圏を中心に宿泊施設が供給不足が発生しています。民泊はその解決策として注目されている一方、違法な民泊により物件価値の低下を懸念する賃貸住宅のオーナー向けの調査サービスがスタートするなど、国内では不安感が強いのも事実です。

今回はそんな課題の解決策として用意された、観光庁の民泊専用相談窓口についてご紹介します。

 

市民が根強い不安感を抱く民泊の実態とは

国内ではまだメジャーではありませんが、民泊は国際的な人気を獲得しています。仲介サイトとして知られる「Airbnb(エアビーアンドビー)」は世界192カ国の3万3,000の都市で、80万を超える宿泊施設を提供。ホテルや旅館ではなく、地元の人と交流できる旅行スタイルとして民泊を提案し、世界的なニーズを誇っています。

日本ではまだ法制度の事情から一部の特区でしか導入されていませんが、すでに民泊が行なわれている施設の近隣住民の苦情が多く、問題視する向きがあります。

京都市の発表によると、同市が平成28年(2016年)7月13日に設けた相談窓口には、同月末までに260件の通報、相談が寄せられています。「民泊が許可されているのかどうか調査してほしい」「騒音、たばこのポイ捨てなどで迷惑している」といったネガティブな内容のものが多く、近隣で生活する市民との摩擦が浮き彫りになっています。

同年10月には約1,000件の通報などに基づき、1,127回に及ぶ現地調査を行っていたことを発表。148施設が営業中止とされる対応がとられており、京都市は「引き続き、違法な『民泊』については、法令遵守を強力に指導するなど、毅然とした態度で臨み、全庁を挙げて、一層の適正化を図ります」と厳しい方針を明らかにしています。

 

本格解禁に向け、トラブル回避に向け万全の体制を

民泊は、長期旅行に出掛ける際に空いてしまう住宅や部屋を有効活用するために貸し出すヨーロッパの習慣に由来があると言われています。使用される施設は個人宅の一部やマンションの空き室、使用していない別荘。原理的に言えば、あらゆる人が取り組めるビジネスではありますが、日本では旅館業法との兼ね合いから、いくつもの制限がかけられています。

そのため、現時点では乗り出すのにハードルが高く、本格導入されているとは言いがたいのが現状です。2017年には新法が提出され、全国的に解禁される見込みではありますが、厳しい制限の裏側には根強い市民の不安感があります。訪日外国人観光客と日本人との衝突を避け、インバウンド観光と日々の生活を両立させるための対応策が必要とされています。

 

観光庁が苦情から運営手続きの相談まで受け付ける専用窓口の開設へ

観光庁が設立する専用窓口では、民泊の苦情、相談を一元的に受け付ける予定です。民泊の取り締まりに多数の関係者、部署が絡んでしまうため、このような形式をとっているようです。これにより、人的リソースの少ない自治体でも管理がしやすくなるのではないでしょうか。

もしゴミ出し、騒音といった苦情があった場合は該当の自治体の担当部署経由で、民泊事業者に対して是正を促す形になります。また、民泊事業をスタートさせたいなどの相談についても受け付ける予定で、導入からその後のトラブル発見まで一手に担う窓口になることが予想されます。

 

まとめ:民泊は健全なかたちで導入できるのか

観光庁が、民泊の苦情から運営手続きの相談まで一手に担う専用相談窓口を設ける方針であることが明らかになりました。2017年の法案提出で実現するとみられている、民泊の本格解禁に合わせて導入される見込みです。

民泊は現在、一部の特区でのみ認められており、少しずつ導入が進められている段階ですが、早くも市民の強い不安感が浮き彫りになっています。観光庁の窓口は全国的な認可に向け求められている、この対応策として打ち出されたものと思われます。また、運営手続きなどについても受け付ける予定で、民泊のことならなんでも相談できるものになる見込みです。

訪日外国人観光客の増加に伴う宿泊施設不足や新たなビジネスモデル、地域住民を脅かす存在として良くも悪くも注目を集めている民泊。健全な形で導入され、日本におけるインバウンド観光に貢献することが願われます。

 

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