訪日中国人観光客が人間ドッグを受けるために日本に?医療ツーリズムとは

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訪日中国人観光客といえば、流行語大賞にもなった「爆買い」。現在、ほとんどの日本人がそんなイメージ持っているのではないでしょうか。爆買いする訪日中国人観光客は、主に買い物を旅行プランのメインに据えている人たちで、実際にはまったく異なる目的で日本を訪れている人も少なくありません。

分かりやすい訪日中国人観光客の旅行目的のひとつは、寺社仏閣巡りに時間を割く京都観光。京都の文化財の中には中国のかつての王朝・唐などの建築様式に影響を受けているものが数多くあります。訪日中国人観光客にとっては外国のような、自国のような不思議な魅力が感じられることでしょう。このように買い物ではなく、変わった体験などを楽しみに旅行することは珍しいことではありません。日本人は実体験のある場合がほとんどでしょう。

しかし、訪日中国人観光客の中には日本人にはあまり耳慣れない目的で、日本を訪れる人もいます。たとえば、人間ドッグを受けたり、治療を行ったりする「医療ツーリズム」。今回は、日本人にはなかなかピンと来ないこの旅行スタイルについて解説していきましょう。

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訪日中国人観光客が増加している医療ツーリズムとは

医療ツーリズムとは、自分の住んでいない国や地域まで行き、診断や治療などの医療サービスを受けること。「メディカルツーリズム」「医療観光」と呼ばれることもあります。

  • ケガや病気に効くとされる温泉に入りに行く
  • 結核などの治療のために、気候のいい療養所(サナトリウム)で生活する

古くから世界的に存在している観光スタイルで、上記のようなものが該当します。「魔の山」(トーマス・マン)、「風立ちぬ」(堀辰雄)など、サナトリウムを舞台にした有名な小説も数多くあります。ジブリ映画「となりのトトロ」で、サツキ、メイの母親が入院している病院もサナトリウムですね。医療ツーリズム経験者はあまり多くありませんが決して珍しいものではないので、説明されればピンと来るのではないでしょうか。

このように、かつての医療ツーリズムは主に特殊な治療効果を持つ場所に行くことを指していました。医療の発達した現在では、このような治療方法自体、耳にする機会は少なくなっています。しかし、現在でも自国では受けられない先進医療を目的として、医療ツーリズムは行われており、世界中で数百万人規模の医療ツーリズム目的の旅行者がいるとされています。

医療ツーリズムには膨大な経済効果があると言われており、日本政府は数年前から成長戦略の一環として掲げ、世界中の人々に日本の医療機関を利用してもらうための取り組みを行っています。特に訪日中国人観光客は年々増加しており、爆買いが流行語になる前から注目が集まっていました。

市場規模は5000億円以上だが、観光はメインではない

訪日中国人観光客をターゲットにした医療ツーリズムでは、1回の旅行で100万~200万円ほどかかるとされています(人間ドッグを行うもの)。5000億円を越える市場規模があると言われており、高い注目が集まっていますが、旅行スタイルは通常のものとは大きく異なります。訪日中国人観光客が日本で人間ドッグを行う4日間の旅行プランを例にとって考えてみましょう。

最初の2日間は移動と検査前の準備があるため、観光することはほとんどできません。胃カメラなどを飲む場合は当然ながら、20時以降の飲食は禁止されてしまいます。検査が終われば自由に旅行できるかもしれませんが……人間ドッグの直後はあまり動く気がしないものですよね。

最終日には帰国のための準備をしなくてはいけないので、ちゃんと旅行ができるのは検査翌日の3日目だけということになります。ツアープランを利用すれば決められたルートで効率的に観光できるものの、このように一般的にイメージされる観光客のような動き方はしません。あくまでも自分の健康などのために行うもので、楽しむことに時間を割くことができないのです。

医療+観光の医療ツーリズムで観光客を呼びこむ

この医療ツーリズムは、医療とは関わりのない外食、観光業などとはどのような関わりがあるのでしょうか。

旅行者が医療ツーリズムの滞在先となる国を選ぶ際のポイントは信頼ある医療技術、それから、観光地としての魅力だと言われています。観光に割く時間はそこまで多くないものの、セットで観光が楽しめないなら、同様の先進医療が受けられる他の国や地域に行ったほうがいいというわけですね。

また、訪日観光客に人気のある地域は東京都、京都府などなのですが、医療ツーリズムの場合、医療施設があればそれ以外の地域でも集客しやすくなります。「医療ツーリズム=医療関係者に影響があるもの」と決めつけず、その他の産業との協力、連携を行うことで、地域全体の活性化が図れるのです。

まとめ:医療ツーリズムは医療関係者以外にもチャンス!

訪日中国人観光客にとって、日本人は似た見た目を持っていることもあり、比較的安心して医療ツーリズムが行えると言われています。距離的な近さなども考慮すると、欧米各国にはない大きな強みがあるといえるでしょう。

医療ツーリズムは単なる医療でもなければ、観光でもありません。インバウンドビジネスを行うさまざまな業界に関わりがあります。市場規模が大きく、今後もさらに発展していくことが見込まれているので、積極的に取り組んでいきたいテーマですね。

 

訪日中国人観光客インバウンドデータ集

データでわかる訪日中国人観光客

爆買いという流行も後押しし、2015年の中国人訪日外客数は前年の約2倍となる499万人となりました。また、2015年の訪日中国人によるインバウンド消費額は約23万円で前年比10%増程度ですが、訪日外客数増加の後押しをうけ、訪日中国人全体のインバウンド消費額はなんと5,583億円。

訪日中国人観光客の特徴

'爆買い'という流行語が現れるほどに存在感を放っている訪日中国人観光客。日本国内でも大きな注目が集まっており、彼らに関するニュースやコラムを目にする機会は少なくありません。

訪日中国人観光客が中国国内でよく見る人気のWEBサイト一覧・解説

中国はご存じのとおり、facebookやtwitterが閲覧できないほど非常に厳しいネット規制があります。中国国外のWEBサイトの検閲規制がかかっていたり、サーバードメインも現地法人がないと取得できなかったりと、様々な壁が存在します。

訪日中国人観光客が愛用するスマホSNSアプリ事情(1):WeChat(微信)

訪日中国人観光客の増加に伴い、インターネットを活用したインバウンドマーケティングへの関心が高まっています。しかし、中国のネット事情は日本とは大きく異なります。

訪日中国人観光客が愛用するスマホSNSアプリ事情(2):テンセントQQ

訪日中国人観光客が必携としているコミュニケーションツールをWeChat(微信)のほかにひとつだけ挙げるとしたら、それはテンセントQQ( 騰訊QQ、Tencent QQ; 以下、QQと略)だといえるでしょう。

訪日中国人観光客が愛用するスマホSNSアプリ事情(3):Weibo(微博)

訪日中国人観光客が常用するアプリとしてWeChat(微信)とQQを取り上げましたが、Weibo(微博)も忘れてはなりません。「微博」は中国語で“ウェイボー"と読み、ミニブログ、マイクロブログという意味です。

訪日中国人観光客が愛用するスマホSNSアプリ事情(4):人人網(レンレンワン)

訪日中国人観光客が常用するサービスとして、WeChat(微信)、QQ、Weibo(微博)をご紹介してきました。いずれもTwitter(ツイッター)、Facebook(フェイスブック)の良い所どりをしながら機能の充実を図ってきており、若干の不確定要素をはらみながらも、中国の3大SNSとして大きな存在感を誇示しています

訪日中国人観光客が愛用するスマホSNSアプリ事情(番外編1):ネット規制のアプリへの影響&ニュースアプリ篇

昨年(2015年)以来、中国経済を語るうえで重要なキーワードとなっているものに「互聯網(フーリエンワン)+」(インターネットプラス)があります。これは中国国務院(日本の内閣に相当)総理の李克強氏が唱えたコンセプトです。

訪日中国人観光客が愛用するスマホSNSアプリ事情(番外編2):ネットラジオ篇

「読みたい記事」が自在にカスタマイズできる「今日頭条(ジンジートウティアオ)」がニュースアプリの定番となる一方、「聞きたい番組」を自由自在に取捨選択できるネットラジオアプリも人気を集めています。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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