取引額153兆円の中国電子決済サービスとは:Alipay、WeChat Payの2大巨頭

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

中国では驚異的な速さで電子マネーが普及しています。その中でもAlipay支付宝)とWeChat Pay(微信支付)という2つの電子決済サービスが市場争いを繰り広げています。

ネット通販から始まった決済サービスが実店舗へも広がり、取引額はおよそ日本の30倍以上。今回は、現在中国で支払いのスタンダードとなりつつある電子決済サービスについてご紹介します。

関連記事
Alipay(アリペイ・支付宝)とは
QR決済WeChat Payとは
AlipayとWeChat Payのシェア(2019年)
AlipayとPayPayの関係

<オススメ記事>
中国インバウンド 今後の動向は?【訪日ラボが徹底予測】

中国の電子決済サービスは取引額153兆円、約日本の30倍

調査会社の比達咨詢によると、2015年の中国のモバイル決済の取引額は約9.3兆元(約153兆円)に及ぶとのこと。かたや日本は5兆円程度の規模とされており、およそ30倍の規模があります。

英フィナンシャル・タイムズによれば、98.3%人が過去3ヶ月以内にモバイル決済を利用したことがあると回答したとのこと。電子決済サービスがいかに中国で浸透しているかを伺い知ることができます。

シェアはAlipay(支付宝)とWeChat Pay(微信支付)がほぼ独占状態

また、153兆円のシェアを見てみると、アリババ社が提供するAlipay支付宝)が7割強、WeChat Pay(微信支付)を提供するテンセント社系列の決済サービスが2割弱を占めており、この2社でほぼ独占状態となっています。

Alipay(支付宝)とWeChat Pay(微信支付)

それでは、Alipay支付宝)とWeChat Pay(微信支付)について詳しく見ていきましょう。

Alipay(支付宝)とは

Alipay(支付宝/アリペイ)

Alipay(支付宝/アリペイ)

Alipay支付宝アリペイ)はインターネットショッピングモールの淘宝網(タオバオ)を運営する阿里巴巴集団(アリババ・グループ・ホールディング)が提供している電子決済サービスです。

阿里巴巴自社のインターネット通販サイト以外でも利用可能で、支付宝アリペイ)はインターネット上の標準的な決済手段のひとつになっており、利用登録者は約8億人にもなります。

WeChat Pay(微信支付)とは

Payment(微信支付/ウィーチャットペイメント)

Pay(微信支付/ウィーチャットペイメント)

WeChat Pay(微信支付/ウィーチャットペイメント)はWeChat微信/ウィーチャット)が提供する電子決済サービスです。

WeChatは中国版LINE(ライン)とも言われており、騰訊控股(テンセント)が運営しています。

WeChatはメッセージングサービスにおいて、中国国内で圧倒的な市場シェアをもっており、利用登録者は約6億人。

Alipay(支付宝)とWeChat Pay(微信支付)の利用方法はQRコードを活用

QRコードを活用して決済する

QRコードを活用して決済する

Alipay支付宝)、WeChat Pay(微信支付)ともに、利用方法はほぼ同一です。実店舗で使う場合は、スマートフォンに専用アプリをインストール、銀行口座情報を登録して、支払い時にQRコードを読み込んで決済します。すると、登録しておいた銀行口座からリアルタイムで引き落としがなされるという、いわばデビットカードと同じような仕組みになっています。

訪日中国人観光客対策 受け入れ準備も重要ですが、「旅マエ」にもしっかりプロモーションをしていきましょう。

電子決済サービスの競争激化の原因はクレジットカードの低普及率?

中国で電子決済サービスの競争が激しくなる理由は、中国ではクレジットカード利用が限られていることにあります。クレジット(信用)を担保する情報が少なく、また信用情報を共有するインフラが整っていないことが普及阻害の原因とも言われています。

かたやモバイル決済は、数億もの個人や企業がスマートフォン経由での決済を利用しています。そのため、先述の153兆円の決済額を賭けてシェア競争が激化する、という図式ができています。

中国での電子決済利用率は現金を凌ぐ

英フィナンシャル・タイムズが1000人の中国人消費者に決済方法についてアンケートを実施しました。その結果によれば、98.3%の人が過去3ヶ月以内にモバイル決済を利用したことがあり、その比率は住まいや年齢、所得にほとんど関係が無かったとのこと。

また、最もよく使う決済システムを複数回答で調査したところ、Alipay支付宝)が79.5%で、クレジットカード(49%)やデビットカード(30%)、さらに現金(79%)をも上回りました。また、同質問では26%の人がWeChat Pay(微信支付)を最も利用すると答えました。

まとめ:中国人の決済方法のスタンダードとなっている電子決済サービス。

このように中国では電子決済サービスの普及率が非常に高い傾向にあります。この傾向は今後も続く見通しで、もちろん訪日中国人観光客も電子決済サービス利用率は高いとみられます。

またAlipay支付宝)やWeChat Pay(微信支付)は、すでに日本にも代理店が出てきており、特に小売業などでは、訪日中国人観光客向けに対応は必要になってくるのではないでしょうか。また銀聯カード電子決済サービス市場に殴りこみをしてきたので、今後注視していく必要がありそうです。

中国の最新事情をおさえるには?

「中国の調査・リサーチ」の資料をDLして詳しく見てみる

「訪日中国人向けインバウンドコンサル」の資料をDLして詳しく見てみる

訪日ラボセミナーレポートのご紹介&最新版インバウンド情報まとめ

訪日ラボでは、インバウンド対策に課題を抱えるご担当者様向けに、お悩み・課題解決を支援すべく、最新レポートの公開や無料のオンラインセミナーを実施しています。

【セミナーレポート】「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント


2023年は2,500万人の外国人旅行者が訪れた日本のインバウンド市場。コロナ前の2019年に迫る勢いの回復をみせており、2024年の訪日外国人数は3,000万人を上回るとの予想もあります。

日本を訪れる外国人旅行者の間で、特に人気が高いアクティビティが「桜の鑑賞」です。桜の開花時期に合わせて日本を訪れる外国人も多く、日本の重要な観光資源の一つとなっています。

そこで訪日ラボでは、「『桜シーズン』に向けたインバウンド施策のポイント」と題したセミナーを開催しました。
登壇者としては、インバウンドの動向に詳しい訪日ラボ インバウンド事業部長 川西哲平に加え、台湾に本社を置くビッグデータカンパニーVpon JAPAN株式会社営業本部 会田健介氏をお呼びし、「桜」に関するインバウンドデータをもとに、訪日外国人旅行者の最新動向と、「桜のシーズン」に集客を向上させるためのポイントを解説しました。

本セミナーは大好評につきアーカイブ配信を行っておりますので、ぜひご覧ください。

詳しくはこちらをご覧ください。

「桜シーズン」に向けたインバウンド施策のポイント【セミナーレポート】


【インバウンド情報まとめ 2024年3月】2023年年間宿泊者数 1位は韓国 他

訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、2024年3月版レポートから、2月〜3月のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

インバウンド情報まとめ 2024年3月

本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。
 訪日客向け“相撲エンタメショーホール” 大阪にオープン / 2023年年間宿泊者数 1位は韓国【インバウンド情報まとめ 2024年3月】


今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」


スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに