高層ビルの立ち並ぶ首都・台北

高層ビルの立ち並ぶ首都・台北

親日家が多いことで知られる台湾は、中国に次いで世界で2番目に日本観光が盛んな地域です。訪日台湾人観光客はテレビ番組などから日本の最新情報を入手していることが多く、人気のエンターテイメントや話題の商品についてよく知っています。中国文化圏では流行を先取りする存在として知られており、インバウンドビジネスにおいては非常に重要な国だと言えるでしょう。リピーターが多く、気に入った場所には何度も足を運ぶ傾向があるため、しっかりと心を掴むことが大切です。

中国文化圏に属しているものの、台湾は歴史的な経緯から経済、政治体制が中国とは異なります。漢字は繁体字という字体を使用しており、中国の簡体字はあまり読めません。これらの事情から、中国とは異なる対応が必要となります。いったいどのような取り組みをすればよいのでしょうか。今回は、日本を訪れる台湾人観光客の特徴についてご紹介します。

台湾人の国民性、性格の特徴とは

台湾は複雑な歴史を持つ地域です。大航海時代を迎えていたヨーロッパ諸国が16世紀から訪れるようになり、17世紀にはオランダの植民地になりました。同世紀半ば1662年から、今度は漢民族によって統治されるようになり、1895年からは日本の支配下に入りました。第二次世界大戦終了後、中国で国共内戦が勃発し、敗れた国民党軍が台湾に移住し、統治しはじめました。こうして成立したのが現在の台湾です。

その後、共産党政権が支配する中国とは異なり、資本主義を採用していたことから、共産主義勢力への対抗を目論むアメリカが台湾への支援を実施。米軍がベトナム戦争の軍需物資を香港で調達したことにより、20世紀後半に高度経済成長期に突入しました。現在は先進国のひとつとして知られています。

このような歴史的な背景から香港は中国や日本、アメリカなどからの影響を強く受けており、また、海外文化の受容にとても積極的な国です。親日家が多いことでも有名で、特に若者は日本のエンターテイメントなどに関心が高いと言われています。流行に敏感で、台湾人のあいだでブームになったものがその後、中国や香港で流行することも少なくありません。

熱帯、亜熱帯の暖かい気候を持ち、おおらかで開放的な人が多いのも台湾人の特徴のひとつ。初めて会った人とでもすぐに仲良くなってしまいます。また、儒教の思想が残っており、上下関係、血縁関係を重んじる傾向もあります。以下に、台湾人の国民性、特徴を箇条書きでご紹介します。

  • 明るくおおらかな性格で、初対面でもすぐに打ち解ける
  • 冒険心の強いチャレンジャーが多く、失敗を恐れない
  • 勝負事が好き
  • メンツ、個人の自由を重視し、独立心が強い
  • 血縁関係による結びつきが強い
  • 流行に敏感で、日本のカルチャーに興味をもつ若者が多い

インバウンドビジネスにおいて特に重視すべき点は、やはり台湾人が情報感度が高く日本のエンターテイメントにも詳しいということでしょう。日本のカルチャーの受容が大きく進んだのは、日本のテレビ番組の放送制限が解除された1994年以降。特に20代以下の若者は「セーラームーン」「こちら葛飾区亀有公園前派出所」をはじめとしたアニメを子供の頃に見ています。日本に対する関心が高く、身近な存在として感じているようです。

日本を訪れる香港人観光客のキーワードは「手軽に訪日」「リピーターの多さ」

日本への来訪回数(2015年10~12月)

日本への来訪回数(2015年10~12月)

日本での滞在日数(2015年10~12月)

日本での滞在日数(2015年10~12月)

旅行手配方法(2015年10~12月)

旅行手配方法(2015年10~12月)

台湾は日本の最西端である与那国島から約100キロほどの場所に位置しており、日本に最も近い国のひとつです。格安航空会社(LCC)が使えることもあり、気軽に訪日する台湾人観光客が多いと言われています。

日本の統治下にあった時代、甲子園に出場した台湾の野球部をテーマにした映画「KANO」(邦題『KANO 1931海の向こうの甲子園』)がヒットし、台湾から訪れれる甲子園博物館(兵庫県)の来場者が1万人を突破したというエピソードからも、日本が足の運びやすい観光地として認知されていることが伺えるのではないでしょうか。香港ではケーブルテレビなどで日本のテレビ番組がリアルタイムにいくつも放送されています。そのため、日本に在住している人とほぼ変わらない早さで情報を入手して、ブーム真っ盛りのお店や催しを楽しみに訪日する香港人も少なくないようです。

年代としては、30代以下の比較的若い観光客が全体の約6割。滞在日数は4~6日間が圧倒的に多く、男女比は女性のほうがやや多めです。旅行の申込方法は店頭、インターネットを使うケースがほぼ半々となっています。

都道府県別の人気訪問先は上位から順に東京都、千葉県、大阪府、京都府、北海道となっています。中国同様、2月頃に春節(旧正月)に3~4週間の長期休暇があり、7月から約2ヶ月間の夏休みがあります。

香港に並んでリピーターが多い国で、観光庁が発表している2015年のデータによれば、初めて訪日した台湾人観光客は全体の約2割程度しかいませんでした。非常に日本に慣れているため、内容の濃い体験、サービスを求める傾向があります。

台湾では健康を意識したアウトドアレジャーとしてサイクリングを楽しむ人が増加しており、サイクリングツアーが人気を集めています。個人旅行で自分の好きなルートを走りたいという人たちも少なくありません。また、40代以上では団体旅行者が多く、沖縄、九州などを巡る3~4日間のクルージングツアーが評判となっています。

観光庁が発表した2015年のデータによれば、台湾人観光客1人あたりの買物代は約6万円。他のアジアの国々と比べると多少、低い金額です。しかし、同年の旅行消費額は中国に次いで2番目に多く、約5000億円で全体の15%となっています。インバウンドビジネスを行う事業者にとっては、今後も注視してきたい存在だと言えるでしょう。

日本人並みに日本に詳しい台湾人から、人気を集めているお土産は?

日本に関する情報感度の高い台湾人は、日本の商品にも精通しています。日本のドラッグストアで購入すべき医薬品を紹介する本が出版されるほど、医薬品や健康グッズは定番のお土産になっています。これは香港人の健康志向の高さも一因だと考えられています。日本人以上に日本のブームに敏感で、訪日旅行の際にはすでに欲しい商品が決まっていることも多いのが台湾人観光客の特徴です。

お菓子も人気のあるお土産のひとつですが、ブームに変遷があります。「東京ばな奈」に次いで、「じゃがポックル(北海道限定商品) 」や「ブラックサンダー」などが流行しました。インバウンドビジネスを行う場合は話題の商品をしっかりと把握しておく必要があるでしょう。

台湾では、日本による統治が始まった19世紀末頃から日本人の移住が進み、日本酒が作られるようになりました。その影響もあって現在でも日本酒好きが多く、輸入も盛んに行われています。しかし、国内では高値で販売されているため、おいしい日本酒を欲しがる人は少なくありません。

訪日台湾人に人気のお土産

  • ウナコーワ クール(興和)
  • キャベジン(興和)
  • サンテFX(参天製薬)
  • 東京ばな奈(グレープストーン)
  • じゃがポックル(カルビー)
  • ブラックサンダー(有楽製菓)
  • おいしい日本酒(価格の高い大吟醸など)

買物する場所としては中国人同様、ドラッグストアが最もよく利用されています。台湾の薬局や医薬品は地味な見た目の場合が多く、とても華やかに見えるようです。そのほかにはコンビニや空港の免税店も利用者の多いスポットです。

訪日台湾人観光客の情報収集スタイルとは

台湾人はどこで訪日観光に関する情報を集めているのでしょうか。最も利用されているのは台湾人による個人ブログ。日本政府観光局(JNTO)、旅行会社のWebサイトの利用率も高く、インターネットを使って情報収集する人が多いようです。

また、日本語で書かれているサイトを閲覧している人も少なくありません。中国では漢字を簡略した簡体字という字体が用いられている一方、台湾では日本の漢字に似た繁体字が使用されていること、学校で学ぶ第二外国語として日本語が人気を集めていることなどが理由だと考えられます。

台湾で人気のあるSNS、ポータルサイトは日本とほとんど変わりません。

台湾で人気のSNS

  • Facebook
  • Twitter
  • Instagram
  • LINE

台湾で人気のポータルサイト

  • Yahoo!奇摩
  • Google台湾
  • PChome

日本では耳慣れない「PChome」は、パソコンに関する情報を紹介するWebサイトからスタートした総合ポータルサイト。台湾国内ではオンラインショッピングサービスでも高いシェアを獲得しています。

台湾人の食事スタイル

台湾には「吃喝玩楽(チー・ホ・ワン・ロー)」という言葉があり、これは食べて(吃)、飲んで(喝)、遊んで(玩)、楽しむ(楽)のが好きな国民性を表現していると言われています。また、医食同源の思想の影響もあり、食事は人生で非常に大切なものとされています。食材が健康に及ぼす効能や調理法などを紹介すると非常に喜ばれます。料理は見栄えよりも味や量、品数を重視するため、バイキング、ビュッフェ形式が好まれます。

台湾には中華料理のほか、イタリアやフランス、アメリカなど世界各国の料理を提供する店があり、外食する機会も多いようです。かつて日本の統治下にあったため、カレーやトンカツといった日本料理は台湾国内でもよく食べられています。日本の牛肉を高く評価しており、焼き肉なども人気があります。日本文化に詳しく、会席料理や刺身にも興味を持つ人は多いものの、残念ながら、おいしいものとしてはあまり認識されていないようです。

注意が必要なのは、台湾には生物を食べる習慣がないこと。そのため、苦手な人でも刺身を加熱して食べられる鍋料理は人気メニューのひとつです。薄い味付けが好きな人が多く、すき焼きよりもしゃぶしゃぶのほうが好まれます。また、台湾には宗教上、健康上の理由から肉類を食べない人がいます。かつて牛が農耕のための労働力として使われていた名残から、牛肉を食べられない人も少なくありません。

そのほかの台湾人の食習慣は以下の通りです。

  • 冷たい料理、濃い味付けの料理は苦手
  • 箸とレンゲを使って食事する
  • 正座やあぐらをしない人が多く、畳で座るのは不得意
  • 和食好きだが舌が肥えており、安くて味気のないものは好まれない
  • たくさんのお皿で食事を出すと喜ばれるが、見た目が少ないとがっかりされる

注意すべき台湾人のマナー、習慣

中国とは異なる経済、政治体制をとっているものの、台湾には中国の文化がしっかりと根を張っています。特に儒教思想が強く、上下関係、家族関係などを非常に重視します。一方、中国とは異なるポイントも多く、同一視はできないので注意が必要です。以下に箇条書きで台湾の習慣、マナーをご紹介します。

  • 台湾の首都・台北では公共の場所はほぼ禁煙になっているため、分煙したほうがよい
  • 台湾人の多くは中国で使われている漢字(簡体字)が読めない。繁体字のメニューなどを用意したほうがよい
  • 上下関係を重んじ、目上の人がメンツを失う行為はマナー違反とされる
  • 「分からない」「できない」ことを伝える際に、しかめ面をする習慣がある(不快感を与える意図はない)

台湾の主な国際旅行博

高雄市旅行公会国際旅展(KTF)

  • 2016年のスケジュール
    • 開催日程:5月13~16日
    • 来場者数:26万人(2014年実績)

台北国際観光博覧会(TTF)

  • 2016年のスケジュール
    • 開催日程:5月20~23日
    • 来場者数:25万人(2014年実績)

台北国際旅行博(TIF)

  • 2016年のスケジュール
    • 開催日程:11月4~7日
    • 来場者数:31.5万人(2014年)

 

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