Cool Japan(クール・ジャパン)とは、日本発の世界が認める文化・世界に誇れる文化、または、そういった文化を積極的に世界に発信していこうという取り組みのことです。主にマンガやアニメに代表されるポップカルチャーやサブカルチャー、クリエイティブ産業などに対して使われます。この「クールジャパン」の意味するものは徐々に拡大解釈されており、ポップカルチャーのみならず、日本古来の伝統文化や日本の工業技術力など、日本が誇れるものを世界に輸出する、という概念になってきています。

クールジャパンの「Cool」は、「カッコイイ」という意味であり、「クール・ブリタニア」という1990年代後半のイギリスのブレア首相が国家イメージ戦略のキーワードをモチーフとしていると言われています。

 

政府用語としてのCool Japan(クール・ジャパン)


もともと、クール・ジャパンとは、日本発の「ポップカルチャー(大衆文化)」が海外でも人気を得ている現象を指す言葉でした。10〜20代のティーンエージャーの女の子に流行したファッション(「kawaii」文化としても有名)や、漫画、アニメ、ゲームなどの秋葉原に代表されるオタク文化が、クール・ジャパンの中心でした。

しかし、2010年(平成22年)6月、経済産業省製造産業局に「クール・ジャパン室」が開設され、クール・ジャパンが政府用語となるとその意味が拡大していきました。クールジャパンは「海外に売り込みたい「日本独自の製品や文化全般」という意味合いに変貌していったのです。もちろん、元来の意味であるファッションやアニメといったポップカルチャーも含みますが、政府が力を入れていこうと計画しているのは日本の伝統的な商材。近年では、訪日外国人の誘致を狙う「ビジット・ジャパン・キャンペーン」や「YOKOSO! JAPAN」と同じ文脈で語られるようになってきました。

 

拡大するCool Japan(クール・ジャパン)の意味


クール・ジャパンの語が意味するところは、文脈により微妙に異なります。海外が日本の文化を評して「日本文化はクールだ」と用いる場合もあれば、経済産業省などが推進する文化発信プロジェクトを指すこともあります。

元来、マンガやアニメに代表されるポップカルチャーやサブカルチャーがクール・ジャパンの代表的なコンテンツでしたが、政府がクール・ジャパンを掲げてからは、その意味するところはマンガ・アニメ、ファッション、アイドル、コスプレ、日本式「Kawaii」文化など、若者文化を牽引するコンテンツ産業・クリエイティブ産業、食文化、上質な工芸・ものづくり産業、きめ細やかな心配りを売りとするホテルや宅配便などのサービス業、果てはニンジャや武士道のごとき伝統的日本文化も、クール・ジャパンに含まれるようになりました。

 

村上龍氏のCool Japan(クール・ジャパン)批判


『クール・ジャパン』なんて外国では誰も言っていません。うそ、流言です。日本人が自尊心を満たすために勝手にでっち上げているだけで、広告会社の公的資金の受け皿としてのキャッチコピーに過ぎない。外国人には背景や文脈のわかりづらい日本のマンガやアニメが少しずつ海外で理解され始めてはいますが、 ごく一部のマニアにとどまり、到底ビジネスのレベルに達しておらず、特筆すべきことは何もない。

村上隆(2012年、朝日新聞のインタビューに対して)

「日本独自の製品や伝統工芸」として日本食や日本車、扇子や箸といった伝統工芸などの海外での人気を高めたり、それらの輸出を伸ばしたりすることは、日本政府が掲げる「観光立国」のためにも重要な事です。

しかしながら、政府の戦略は、「すでに海外で人気がある商材」にあやかって、「クールだと思って欲しいジャパン」を一気に売り込もうとするものであり、「(海外で本当に人気のある)クールジャパン」と、「クールだと思って欲しいジャパン」がごちゃ混ぜになっている点に違和感があります。つまり、海外の求める「日本文化」と、日本側の売り出したい「日本製品」とに乖離ができつつあり、そこに「政府の主導」という理由が加わって、批判のもととなっています。

また、クール・ジャパンの原義となった漫画・アニメといったサブカルチャーに対する日本国内の一般評価がまだまだ低く、海外での人気度合いと国内での低評価のあべこべ感が、「押し付けがましさ」を産んでしまうのでは、という懸念も残っています。

 

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