FITの増加から地方空港のインバウンド対策が進む:HIS 仙台空港にインバウンド向け施設開業&政府からも支援

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中国や東南アジア諸国などを対象にしたビザの条件緩和や、格安航空会社LCC)の普及、また円安が進んだことなどを理由に、近年、訪日外国人観光客の数が増え続けています。このような背景を受け、政府は今年、訪日外国人観光客数を2020年に4,000万人とする新たな目標を発表しています。

航空路線の拡大やクルーズ船の寄航増加などもあり、2016年度も1月から8月までの期間で、訪日外国人観光客数は初めて1,600万人を超えるなど、訪日外国人観光客数は引き続き好調に伸びています。

そんな追い風を受け、魅力的なインバウンド市場になっている「旅行業界」。大手旅行会社「株式会社エイチ・アイ・エス」(以下、H.I.S.)は、訪日外国人観光客集客を目的に新たなサービスを開始しています。

「旅行会社」×「インバウンド」②:HISの訪日外国人観光客集客への取り組みとは?

年々増え続ける訪日外国人観光客に伴い、2020年の東京オリンピックに向け、政府は観光ビジョンの中で、訪日外国人観光客数の目標を4000 万人まで引き上げました。そんな追い風を受け、魅力的なインバウンド市場になっている、旅行業界。国内の大手旅行会社は、訪日外国人観光客集客へ、様々な取り組みを行っています。前回の記事「旅行会社」×「インバウンド」①:JTBの訪日外国人観光客集客への取り組みとは?の続編として、今回は株式会社エイチ・アイ・エス(H.I.S.、以下HIS)のインバウンド対策について...

 

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H.I.S.、仙台空港に「東北ツーリストサポートカウンター」&「コールセンター」開設

株式会社H.I.Sプレスリリースより引用

株式会社H.I.S.プレスリリースより引用

H.I.S.東北・北海道・新潟事業部は、仙台空港にインバウンド向け観光案内所「TOHOKU TOURIST SUPPORT COUNTER」(以下、東北ツーリストサポートカウンター)と訪日外国人観光客からの問い合わせに対応する「コールセンター」の業務開始を発表しています。

訪日外国人観光客に幅広い東北の観光情報の提供が可能に

東北ツーリストサポートカウンターとコールセンターの導入により、観光案内、乗換案内、レストラン予約の加え、東北地方でしか味わうことができない体験・文化・伝統芸能・郷土料理などを訪日外国人観光客に紹介することが可能になります。

訪日外国人観光客が問い合わせた内容、情報を分析し、今後さらに訪日外国人観光客の東北誘致を促進していくとのこと。

復興庁が募集する「『新しい東北』交流拡大モデル事業」の一環に:東北へのインバウンド誘致促進が目的

株式会社H.I.Sプレスリリースより引用

株式会社H.I.S.プレスリリースより引用

今回のH.I.S.の取り組みは、復興庁の募集する「『新しい東北』交流拡大モデル事業」の一環です。

「『新しい東北』交流拡大モデル事業」とは、復興庁が個人で観光をしている訪日外国人観光客が東北を体験することのできる機会を提供する事業を支援するというもの。

復興庁は、東日本大震災や福島第一原発事故などによる未だに根強い風評被害を払拭するには、正確な情報発信だけでなく、訪日外国人観光客に東北地方の魅力を紹介することが必要だとしており、訪日外国人観光客の東北誘致を促進する事業に対して資金提供を行います。

H.I.S.の東北ツーリストサポートカウンターとコールセンターの導入により、訪日外国人観光客に快適な旅行を実現。東北地方を訪れる訪日リピーターの増加を図り、東北地方の復興に貢献します。

 

訪日外国人観光客の65%が個人旅行に:地方空港でのインバウンドサービス、背景にはFIT増加と地方訪問の増加が

訪日外国人観光客旅行形態 2015年/2016年:観光庁より引用

訪日外国人観光客旅行形態 2015年/2016年:観光庁より引用

H.I.S.の東北地方へのインバウンド誘致の取り組みの背景には、FIT(*)の増加があります。

観光庁により毎年リリースされている「訪日外国人の消費動向」では、訪日外国人観光客の旅行形態について言及がされています。

同資料から、2015年(4月から6月)と2016年(4月から6月)の訪日外国人観光客の旅行形態を比較すると、FITの割合が60.4%から65.0%まで増加しています。

一般的にFIT団体旅行者と比べて、訪日旅行中の行動に制限がありません。そのため、FITは、ゴールデンルートだけではなく地方への訪問も多い傾向があります。

また、FITの地方訪問増加を受け、政府はインバウンド対策として、地方に位置する小さい空港などに向けて国際化を支援しています。

国土交通省では、地方空港の国際線について新規就航や増便への支援を2017年度から拡充する方針を決めました。着陸料(*)に関しても国と地元で半分ずつ負担し、1年間に限り実質無料とする制度をすでに始めており、来年度からはこの期間を3年に延長するとしています。

ここから、政府としてもFITの地方訪問を促進したいという意図が読み取れます。

H.I.S.の仙台空港におけるインバウンド向けサービスの導入も、こうしたFITの地方訪問の増加の見込みから始まったことが予測されます。

FIT団体旅行やパッケージツアーを利用することなく個人で行く海外旅行のこと

*着陸料:飛行機が特定の空港や飛行場に着陸する際に、当該飛行機の運行主体(航空会社や個人・一般企業)から空港会社など空港の管理主体に払われる料金。

東武鉄道、インバウンド向け「1日着物レンタル」サービスを開始 訪日外国人の「地方へ」の流れを背景に

訪日旅行のトレンドが「消費」から「体験」に移行しつつあります。そのため、ショッピングが主な目的となる首都圏に集中していたインバウンド需要が、より「日本らしい」ものを体験できる地方にも広がるようになりました。<関連記事>それに伴って、鉄道会社は地方のインバウンド効果を目的に各地域の観光素材を活用して様々な取り組みを行っています。東武鉄道は日光・鬼怒川エリアの訪日外国人観光客集客に向け、興味深いサービスを開始しています。 目次日本文化を楽しみながらの日光・鬼怒川散策が可能:体験型ツアー&英語表...

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まとめ:FIT増加により訪日外国人観光客の地方訪問が進む:地方空港整備でインバウンド収益確保の流れ

FITの増加から、訪日外国人観光客の訪問先は多様化しています。それを受け、地方空港の整備は必須であり、東北ツーリストサポートカウンターとコールセンターの導入などH.I.S.の取り組みや、地方空港の国際線についての新規就航や増便への支援など国からの支援も始まっています。

地方のインバウンド誘致に空港整備は必須であり、H.I.S.のような取り組みはこれからも広まってくることが予測されます。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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