インバウンド宿泊者はわずか1.6%…山口県インバウンド誘致に本腰:スポーツツーリズムの提唱や国際便の本数拡充を実施

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訪日外国人観光客の増加にあわせて、日本に複数回訪れる、「訪日リピーター」が年々増え続けています。

訪日リピーターは、一般的にゴールデンルート以外の地方への訪問を好む傾向にあり、全体として訪日外国人観光客の地方訪問が増加しています。

観光庁のデータから平成26年の訪日外国人観光客の都道府県別訪問率を確認すると、東京、大阪など2大都市圏のみ訪問した観光客は44%なのに対し、地方のみ、もしくは地方と2大都市圏を訪問した割合は56%を占めます。

先述の通り、以前であればゴールデンルートが主な訪日外国人観光客の旅行先であったのが、少しずつ地方にもスポットライトが当たり始めているということがわかります。

そのような状況にある日本。しかし、地方都市の間でも情報伝達の不足や、インバウンド対策の遅れを理由に、訪日外国人観光客の訪問数に差が出始めています。

山口県では、インバウンド誘致の遅れを取り戻すために新たな取り組みが行われようとしています。

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山口県に宿泊する訪日客は全体のわずか1.6%:インバウンド誘致に苦戦

都道府県別外国人延べ宿泊者数 観光庁より引用

都道府県別外国人延べ宿泊者数 観光庁より引用

2016年6月30日に観光庁によりリリースされた「宿泊旅行統計調査」によると、2015年度の訪日外国人観光客延べ宿泊者数は、全体で約6500万人でした。

このうち、山口県に宿泊した訪日外国人観光客の数は、わずか11万人。この数は、日本全体の訪日外国人観光客の宿泊者数と比較した場合、わずか1.6%にとどまります。

訪日外国人観光客誘致という観点において、このような厳しい状況に置かれている山口県。状況を打破するため、県が主体となり、2020年度までの5年間にわたる新たな観光振興計画を策定しました。

 

山口県「おいでませ山口観光振興条例」を策定:200,000人の訪日外国人観光客誘致を目指す

山口県では2016年4月、「おいでませ山口観光振興条例」を策定。これは、観光を通じて、山口県を活性化させていく指針をまとめたものです。

  1. 観光地域づくりの推進
  2. 観光産業の振興
  3. 誇りと愛着を持ったおもてなし

の3つを軸として、2020年まで5年間にわたる新たな観光振興計画を策定。インバウンド誘致を含めた観光客増加を図ります。

今回取り上げた「おいでませ山口観光振興条例」。インバウンド誘致に対する施策として何が行われるのでしょうか?

 

「サイクル県」として山口県をPR:話題のスポーツツーリズムで訪日外国人観光客誘致へ

山口県スポーツ推進課の事業の一環として行われる「サイクル県やまぐち」では、サイクリングを通じたスポーツツーリズムで、訪日外国人観光客の誘致を図ります。

瀬戸内海、日本海の海岸線、秋吉台などの景観や道路が国内外の自転車愛好家から注目されていることを受け、サイクリングを通じたスポーツツーリズム推進に着手。国際・国内レースなど大型イベントの招致や初心者向けの講習などを行うほか、修理工具やポンプなどを常備した「サイクルエイドステーション」を県内150カ所に開設するとのこと。

国内の地方都市では、各県が持つ景観や道路などを活かしたスポーツツーリズム推進が行われています。サイクリングや登山など、世界的に人気なスポーツを観光に組み込むことで、訪日外国人観光客誘致が実現します。

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山口宇部空港で国際便増加:空港内のインバウンド対策に本腰

山口宇部空港では2016年9月より、台湾との国際チャーター便の運行を開始しています。また、11月にはエアソウルが山口宇部空港までの初の定期便を就航することが決まっており、インバウンド誘致を目的に国際便の受け入れを強化しています。

山口県に限らず、国内の空港では訪日外国人観光客の増加を背景に、国際便の本数増加が行われています。本数増加に加え空港内でもインバウンド対策が進むことで、地方にとってはインバウンド収益確保の大きなチャンスになります。

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2020年までに羽田空港の国際便が約1.7倍に:インバウンドビジネスでは市場拡大などの影響が

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県内でのWi-Fi整備、免税店の倍増も計画:多言語対応策として12カ国語による「やまぐちトラベルサポート」も開始

また、山口県では県内でWi-Fiの整備を実施します。これにより訪日外国人観光客が快適にインターネットを使うことができるようになります。それに付随して、訪日外国人観光客の間で、SNSを通じた山口県の観光情報のシェアも進むことが予測されます。

免税店の数も現在の107店舗から倍増にあたる210店舗まで増やす予定。インバウンド消費を喚起します。

言語対策として、多言語コールセンターである「やまぐちトラベルサポート」2016年7月より開設。

対応言語は、英語、中国語、韓国語、タイ語、ベトナム語、インドネシア語、ポルトガル語、スペイン語、フランス語、ロシア語、ドイツ語、イタリア語の12言語。24時間365日の訪日外国人観光客サポートが実現しています。

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急速な増加を続ける免税店:訪日外国人観光客の利便性を意識した制度改正の取り組みも

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まとめ:地域活性化へインバウンド対策に乗り出す山口県 スポーツツーリズムの推進、国際便の本数拡充、多言語コールセンター開設など多岐にわたるインバウンド対策を実施

インバウンド誘致をもとに地域活性化を目指す山口県。インバウンド対策として

  1. サイクリングを通じたスポーツツーリズムの促進
  2. 国際便の本数拡充
  3. 県内でのWi-Fi整備による情報配信
  4. 免税店倍増によるインバウンド消費喚起
  5. 多言語コールセンターである「やまぐちトラベルサポート」開設

など多岐にわたる取り組みを行います。

訪日外国人観光客の地方訪問増加をうまく地域活性化に還元できるかどうか、これからの山口県の取り組みに注目が集まります。

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2023年年間の訪日外客数は2,500万人を突破。外国人消費額は5兆円で、過去最高額となっています。また、2024年1月の訪日外客数が268万8100人となり、2019年1月(268万9339人)とほぼ同数となったと発表され、今後さらなる伸びが見込まれます。

ゴールデンウィーク目前となり、訪日外国人を集客するため、受け入れ体制を強化していきたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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