2016年11月2日、日本政府観光局(JNTO)により、2016年1月から10月までの訪日外国人観光客数が2,000万人を超えたとの報道発表がありました。
訪日外国人観光客数は異例のペースで増えており、JNTOは2020年の訪日外国人観光客数4,000万人誘致を目指して、これからもインバウンド誘致に向けた取り組みを加速させていくとしています。
このような背景から「インバウンド誘致」は日本国内でホットなキーワードになっています。
訪日外国人観光客が、日本国内を周遊する際の移動通手段として、鉄道や新幹線、バス、飛行機などが挙げられますが、最近では新たな移動手段に注目が集まっています。
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ドコモ・バイクシェア、ジャパン・トラベルとインバウンド事業で提携
NTTドコモの関連会社でサイクリングシェア事業を行っている会社「株式会社ドコモ・バイクシェア」(以下、ドコモ・バイクシェア)は、訪日外国人観光客に日本の観光情報を提供するメディア「JapanTravel.com」を運営する会社「ジャパン・トラベル株式会社」(以下、ジャパン・トラベル)と業務提携を発表しました。
今回の両社の提携。いったい何が目的なのでしょうか?
訪日客に自動車利用を促進:インバウンド向けに情報配信、ツアーサービスなども提供
ドコモ・バイクシェアとジャパン・トラベルは、訪日外国人観光客をターゲットとした自転車の利用促進を目的に、業務提携をします。
主な業務提携による取り組みとして、
- 観光の新たな交通手段としての自転車利用に関する情報の提供
- 自転車ツアーサービスの実施
が行われるとのこと。
2つ目の項目に関しては、訪日外国人観光客向けに、ツアーガイド付きで「旧江戸巡りコース」「公園巡りコース」などの提供を目指します。
また、ツアーサービスの実施のあたって、日本国内における自転車利用時の交通ルールやマナーに関する説明会、ヘルメット貸し出しなどの取り組みも実施します。
2016年12月以降、準備が整い次第、サービスの提供を開始するとのこと。
両社は、ドコモ・バイクシェアのもつ「コミュニティサイクル等の事業に関するノウハウ」とジャパン・トラベルのもつ「訪日外国人観光客へ情報発信を行うノウハウ」を融合させることにより、訪日外国人観光客に自転車の利用を促します。
このように、あらたな訪日外国人観光客の交通手段として、レンタル自転車の活用に注目が集まっています。背景には何があるのでしょうか?
海外の人気観光地ではレンタル自転車が普及:インバウンド向けサイクリングシェアは魅力的な市場に
観光地として世界的人気を誇るアメリカ・ニューヨークでは、観光客向けのレンタル自転車であるcitibikeが広く普及しています。
citibikeは、ニューヨーク市内に設置してある指定場所から、借りることができる自転車のこと。24時間、年中無休で借りることができます。
利用後は、最寄りの指定場所に返却。借りる場所と返却する場所が別でも大丈夫です。
料金は、24時間パスが$9.95+税金(日本円で1,100円程)、7日間で$25+税金(日本円で2,800円程)となっています。
このようなレンタル自転車サービスは、フランスやイタリア、デンマークなどのヨーロッパ諸国でも普及しています。
観光客が都市観光をする際、景色をゆったり楽しめることや健康的であること、電車やバスに比べ安価であること、無料Wi-Fiの整備により道に迷いにくくなったことなどを理由に、世界の観光地ではレンタル自転車サービスが観光客に幅広い人気を集めています。
日本では観光時におけるレンタル自転車サービスは、ほかの人気観光地と比べて、未だ普及が進んでいませんが、近年の訪日外国人観光客の増加からインバウンド対策が進んでいること、他国でもあらたな交通手段として自転車を活用する動きが広まっていることを理由に、訪日外国人観光客向けサイクリングシェア市場には大きなポテンシャルがあることが予測できます。
今回のドコモ・バイクシェアとジャパン・トラベルの業務提携には、このような背景があると考えることができます。
まとめ:日本でもインバウンド向け自転車レンタルサービス開始へ
今回ご紹介してきた通り、ドコモ・バイクシェアとジャパン・トラベルは、提携して訪日外国人観光客に自転車の利用を促します。
東京や大阪、京都など訪日外国人観光客に人気の都市や、リピーターを中心に人気を集める地方部において、インバウンド向け自転車レンタルサービスの普及が進むことで、訪日外国人観光客に今までと違った地域の魅力を紹介することが可能になります。
訪日外国人観光客のあらたな交通手段、観光を楽しむ手段としての自転車は国内で普及していくのでしょうか?これからの動きに注目です。
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