運転手と訪日客との言葉の壁を解消:KDDI 東京観光タクシーで翻訳システムの実証実験

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JNTOによれば、11月の訪日外国人観光客数は、187.5万人(前年同月比13.8%増)となり、11月において過去最高とのこと。1月~11月までの累計は約2,199万人(前年同期比13.8%増)となっており、今年の訪日外国人観光客数は、累計で既に2200万人に迫る増加を見せています。

訪日外国人観光客が日本国内の都市を観光する際、タクシーはバスなどに比べて利用が簡単であることから、人気の交通手段となっています。

そのためタクシー業界には、インバウンドという観点において大きなポテンシャルがあり、それに付随して国内ではタクシー業界に関するさまざまなインバウンド対策が取り組まれてきました。

国内の大手電気通信事業者であるKDDI株式会社では、タクシー会社と提携。訪日外国人観光客受け入れ環境整備を目的にした実証実験を行います。

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KDDIなど東京観光タクシーにおいて多言語音声翻訳システムを活用したインバウンド向け実証実験開始

KDDI株式会社、株式会社KDDI総合研究所、三和交通株式会社、境交通株式会社は、「東京観光タクシー」において、多言語音声翻訳システムを活用した訪日外国人観光客向けの社会実証を12月20日より開始しました。

実施期間は、2016年12月20日から2017年3月(予定)です。

日本交通が展開する「東京観光タクシー」とは、時間単位のタクシー貸し切りサービス。東京のさまざまな観光地を専門知識を持ったガイドと一緒にタクシーで巡ることができます。

訪日客と運転手の言葉の壁を解消:タブレットとマイクで会話が可能に

設置イメージ:CNET Japanより

設置イメージ:CNET Japanより

今回のKDDIら4社の「東京観光タクシー」における社会実証では、タクシーの後部座席にタブレットとマイクを、運転席にはマイクを設置し、乗客とドライバーが会話を行います。

多言語音声翻訳システムは、国立研究開発法人情報通信研究機構 (NICT) が開発した技術を活用し、KDDIが構築しています。英語、中国語 、韓国語の翻訳に対応しています。

訪日客のタクシー利用時の実態把握が目的

今回の社会実証の目的、株式会社KDDI総合研究所のプレスリリースによると
> 訪日外国人の交通機関の利用にあたり、タクシー内での言葉の壁を克服するために、多言語音声翻訳システムとそれに関連する研究開発技術を実際のフィールドで社会実証を行います。
> この社会実証によりタクシー内における多言語音声翻訳システムの課題を抽出し、解決案を策定することで速やかな社会実装を行い、より高度な「おもてなし」の実現を目指します。ーKDDI総合研究所 プレスリリースより
としています。訪日外国人観光客の利便性向上を目的に、タクシー業界からもインバウンド受け入れ体制の強化に取り組んでいます。

新機能を盛り込んだ東京での社会実証:2015年11月から同様の社会実証を鳥取でも実施

システムの概要図:プレスリリースより

システムの概要図:プレスリリースより

同様の社会実証は、2015年11月18日より鳥取県鳥取市の訪日外国人向け観光タクシー「1000円タクシー」(*)においても実施されており、タクシー内での言葉の壁を克服するために、実際のフィールドで訪日外国人観光客のタクシー利用時の課題などを検証しています。

この記事で取り上げている東京における社会実証は、「東京タクシーセンター」が実施する「地理試験」に準拠した地名3000語以上の翻訳にも対応。

また、言語だけでなく目的地のイメージ画像や映像を再生できるよう、ユーザーインターフェースの刷新も実施しました。今後は、GPS機能を活用して、現在地に適した地名の翻訳など音声翻訳システムの精度向上も計画しています。

*1000円タクシー:2011年1月より提供されている、鳥取市を訪れる訪日外国人観光客向けの観光タクシー。

 

まとめ:訪日客増加からタクシー業界に目をつけるKDDI 翻訳機能向上でインバウンド誘致進むか

日本に限らず世界中の人気観光地で、比較的安価であることや利用方法がシンプルであることから、タクシーは観光客にとって人気の交通手段となっています。

しかし、日本のタクシー業界の場合、外国語対応ドライバーの不足や、比較的高い初乗り料金を理由に、未だに改善の余地を残しています。

このような状況を改善するために、国内では「Uber(ウーバー)」の世界的人気を考慮した「ライドシェア(相乗り)」の解禁や料金の引き下げの検討が行われており、大手電気通信事業者であるKDDIからも、社会実証を通じたインバウンド対策を行っています。

今回の社会実証により、運転手と訪日外国人観光客との円滑なコミュニケーションが実現するかもしれません。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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