スポーツ文化ツーリズムアワード2016大賞受賞 世界的に人気を集める「瀬戸内しまなみ海道」が誕生した理由とは:総額7500億円のサイクリングコース、世界で最もすばらしい7大サイクリングコースにも選定

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インバウンド振興の成功例として、よく例に挙げられる「瀬戸内しまなみ海道(もしくは、しまなみ海道)」をご存知でしょうか。これは愛称として付けられた名前で、正式には「西瀬戸自動車道」といいます。

瀬戸内しまなみ海道は、広島県尾道市と愛媛県今治市を海をまたいでつなぐルートで、近年は美しい風景が楽しめるサイクリングコースとして有名。2014年にはCNNが「 世界で最もすばらしい7大サイクリングコース 」のひとつに選定しています。

瀬戸内しまなみ海道インバウンド市場で、なぜここまでの人気を獲得しているのでしょうか。今回はその歩みをご紹介します。

 

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そもそも瀬戸内しまなみ海道とは?

瀬戸内しまなみ海道は、本州の広島県尾道市と四国の愛媛県今治市を瀬戸内海経由でつなぐ全長約70kmの道路。その途中には「新尾道大橋」「多々羅大橋」「伯方・大島大橋」「来島海峡大橋」といった橋や、島々が位置しています。

しまなみ海道マップ:SHIMAPより

しまなみ海道マップ:SHIMAPより

元々は地元の人々の生活のために作られたルートでしたが、平成の大合併を機に尾道市が、いくつか市町村と合併した平成17~18年(2005~2006年)ごろに、観光資源としての活用を検討する動きが起こりました。

広島県によれば、多々羅大橋は完成当時(平成11年/1999年)、世界最大の斜張橋(塔から斜めに張ったケーブルを橋桁に直接つなぎ支える構造の橋)。瀬戸内海の多島美を守るために、技術向上により長大化が可能となっていた斜張橋を採用したのだそうです。

2015年時点には世界5位にまで順位が低下しましたが、20世紀に登場した斜張橋としては世界最大。瀬戸内しまなみ海道ではその他の橋の構造も見ることができることから、同県は「橋梁技術の進歩の過程を間近で感じることができる『しまなみ海道』は、世界に誇る橋の博物館と言っても過言ではない」としています。

また、尾道市長である平谷祐宏氏は瀬戸内しまなみ海道を「世界遺産に匹敵」「日本一の高価な自転車道」と紹介し、自信のほどを見せています。これらの発言の背景には、珍しい海のサイクリングコースのため、山林のものとは違って移り変わる風景が楽しみやすいこと、それにふさわしい美しい自然があること、それから、総額で約7500億円かけて整備されていることなどがあるようです。

 

瀬戸内しまなみ海道がサイクリストから人気を集める理由とは?

瀬戸内しまなみ海道沿いの自治体では、レンタサイクルの運営が行われており、「レンタサイクルターミナル」や一部のホテル、旅館などで乗り捨てすることが可能。自転車の保管場所などが設けられた宿泊施設なども存在し、サイクリングしやすい環境が整えられています。

また、風光明媚なサイクリングコースとしてプロモーションするために、テレビ大阪と組んだサイクルイベント「しまなみアイランドライド」などを企画。2014年には、自動車を通行止めにした高速道路を走行する日本初の国際サイクリング大会「サイクリングしまなみ」がスタートました。

CNNのトラベル情報サイトで「世界で最もすばらしい7大サイクリングコース」の1つに選定されたことをきっかけに、2014年以降、瀬戸内しまなみ海道の海外での知名度は一気に高まったそう。ランスミシュラン社のガイド誌でも1つ星を獲得しており、 世界的に高く評価 されています。

 

インバウンド向け「広域観光周遊ルート」にも瀬戸内しまなみ海道の発展形とも取れるモデルコース

平成27~28年(2015~2016年)にかけて観光庁が募集を行い、選定された「広域観光周遊ルート」にも瀬戸内しまなみ海道は登場します。

「せとうち・海の道 The Inland Sea, SETOUCHI」のひとつ「空と島と海に溶け込むサイクリングルート」は神戸からサイクリングで西に向かい、瀬戸内海経由で本州と四国を往復しつつ、山口県へと抜けていく周遊ルート。瀬戸内しまなみ海道のほかにも、瀬戸内海を見下ろす小高い丘にある「オリーブ公園」(香川県小豆島町)、高原に花畑が広がる「あわじ花さじき」(兵庫県淡路市など)といった観光地が売りとされています。

しかし、移動手段の中心にはレンタサイクルを想定しており、しまなみ海道のコンセプトにかなり近いといえるのではないでしょうか。周辺の観光資源もすばらしく、インバウンド市場サイクリストのニーズを獲得した「しまなみ海道」の発展形のような印象を受けます。

 

まとめ:生活のために作られた道をゴージャスなサイクリングコースに転用

もともとは地域住民の生活のために作られた西瀬戸自動車道。観光資源として活用する取り組みが進められ、現在では類を見ない豪華なサイクリングコース「瀬戸内しまなみ海道」として世界的に人気を獲得しています。

自然や橋の美しさが活かされているだけでなく、利便性を向上させるためのレンタサイクルの運営、プロモーション活動などの結果、インバウンド市場でも大きな存在感を発揮しています。

 

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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