新潟市でも特区民泊スタートへ! 食、自然を活かした「ガストロノミー・ツーリズム」の推進を目指して

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大阪、東京、京都など都市圏を中心に導入が進めれれている「特区民泊」。そこに新たに新潟県新潟市が加わる見込みであることが、平成29年4月20日に報じられました。

新潟市は本州日本海側では最も人口が多く、唯一の政令指定都市となっています。米どころとして知られる同県の例にもれず、新潟市も自然が豊かな土地柄で、農泊やグリーン・ツーリズムの拠点として特区民泊制度を活用する狙いです。

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今回は、他の特区民泊導入地域とはやや毛色が異なる新潟市の動向についてご紹介します。

 

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豊かな自然を資源に、新潟市が特区民泊を活用!

新潟市は日本海に面しており、位置は新潟県中央よりやや北寄り。市内には信濃川が通っており、「水の都」「柳都(りゅうと)」と呼ばれることもあります。政令指定都市でありながら米や花の栽培が盛んで、同市は農業が身近にある「田園型政令市」を目指して街づくりを進めているそうです。

新潟市は平成29年3月17日、特区民泊の導入に関するパブリックコメントを募集する旨を、「市民の皆さんの意見を 特区民泊経営の条例案」とWebサイト上で発表。市街化のための開発が制限されている「市街化調整区域で活用」することで、「交流人口の拡大や田園地域の活性化」などを図る狙いがあるとしていました。

また、4月20日に実施された「国家戦略特別区域会議」で、新潟市長・篠田昭氏は、旅館業法の特例を活用して民泊を実施する「特区民泊」を、グリーン・ツーリズムや地方創生に役立てる方針であることを明らかにしました。

インバウンドでのニーズの獲得が見込めるのはもちろんですが、移住促進なども目的として紹介しており、インバウンド市場の活性化にとどまらない総合的な施策の一部として考えているようです。

 

新潟市が目指す「ガストロノミー・ツーリズム」とは?

https://www.youtube.com/watch?v=o_RT0PXl-4w

篠田市長は、特区民泊について記者会見の中で「事実上、認定いただけた」と話しており、特区民泊が早晩実施されるのは間違いないと見てよいと思われます。では、それを通じて、どのようなことをするつもりなのでしょうか。

会見によれば、新潟市は「ガストロノミーツーリズム」を目指しているとのこと。これは「食をテーマにした観光」を指す言葉で、「フード・ツーリズム」と同じ意味で使われることもあります。

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しかし、同市の紹介の仕方は少し違います。以下に引用してみましょう。

豊かな自然から生み出される多くの農産物や、地酒、発酵食など、みなとまちの歴史に育まれた食文化。本市では、魅力あふれる食と農と文化を融合させる「食文化創造都市」づくりのため、食を通じて地域の自然、歴史、文化などを知り、楽しむ観光形態「ガストロノミーツーリズム」を推進しています。
地域の自然や歴史、文化などを観光客に楽しんでもらうことを主眼に置いた内容で、食べ物はその手段という位置づけになっています。

この際には農産物が活用されるため、「グリーン・ツーリズム」との類似性も指摘できるでしょう。しかし、篠田市長は会見で「新潟市はガストロノミー・ツーリズムを目指すわけですけれども、その中の一つにグリーン・ツーリズム」とコメントしており、あくまでも自然、食文化、歴史……といったものをうまく組み合わせた観光資源づくりを考えていると思われます。

 

自然豊かな都市の実現に、特区民泊が一役

新潟市が目指す「ガストロノミー・ツーリズム」のアプローチを、「国家戦略特別区域会議」の資料から読み解いてみましょう。「新潟市田園資源フル活用計画」と題して、4つの施策が掲げられています。

  • 一般社団法人による食文化創造運動:地域の旬、風景、交流を楽しむレストランバスツアーの展開
  • 農家レストラン:広大な田園風景を眺めながら、新鮮な旬の地元食材による料理を堪能
  • 岩室温泉を核にした観光拠点作り:宿泊事業者による旅行商品の企画、提供を解禁し、農業収穫体験、郷土料理体験などの地域資源を活用
  • 特区民泊:農業体験や食、自然を活用したグリーン・ツーリズムの拠点

特区民泊に関しては、あくまでも「グリーン・ツーリズムの拠点」という位置づけ。他の3つも基本的には農業、食に関連した内容となっています。ですが、地域資源としては「海水浴場、地引網体験」「鳥屋野潟・佐潟・福島潟・上堰潟の散策」など、海に関連したものも掲げられています。広い視点では、食や農業に留まらない「海、陸の豊かな自然をトータルに活かした街づくり」を検討しているようです。

 

まとめ:自然、食に関する観光資源の活用に特区民泊

新潟市が特区民泊制度を今年夏から導入する方針であることが明らかになりました。同士は食を通じて、地域の歴史や文化に触れてもらう「ガストロノミー・ツーリズム」を目指しており、民泊はそのためのアプローチの1つという位置づけ。

米などの栽培が盛んな一方、日本海にも面しているため、「海水浴場、地引網体験」「鳥屋野潟・佐潟・福島潟・上堰潟の散策」といった海に関連した施策も行われるかもしれません。

 

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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