モノ消費から「コト消費」に変化するインバウンド/理由と対策は?

モノ消費から「コト消費」に変化するインバウンド/理由と対策は?

訪日外国人観光客の数は年々右肩上がりに増加しており、飲食業界や旅行業界など多くの業界でもインバウンド対策をおこなっています。数年前にブームとなった訪日中国人による爆買いは落ち着きをみせ、訪日外国人観光客の消費行動は、「モノ消費」から「コト消費」へと変わりはじめています。そこで今回は、インバウンドの需要が「モノ消費」から「コト消費」へと変化した理由と今後の対策について紹介していきます。

コト消費とは?

インバウンド市場において、近年注目されるようになった「コト消費」とは、商品やサービスから得られる"体験(コト)"を重視した消費傾向のことです。これに対し「モノ消費」とは、商品(モノ)に価値を見出す消費傾向のことを言います。インバウンドがモノ消費からコト消費へ変化している昨今、インバウンド市場はどういった施策をとるべきなのでしょうか?

インバウンド対策なにから始めたら良いかわからない?

コト消費は7種類ある

1. 純粋体験型コト消費

「純粋体験型コト消費」は、リゾートホテルや温泉旅館といった宿泊や、スキーやスノーボードなどのアクティビティなど、そこでしか味わえない特別な体験を提供することです。近年は、アニメのロケ地をまわる「聖地巡礼」やお寺や神社に泊まって修行体験をする「宿坊」が人気を集めています。

2. イベント型コト消費

デパートやショッピングモール(商業施設)にて、バレンタインやクリスマスなど季節限定のイベントをおこない、訪日外国人観光客の集客、モノ消費につなげることを「イベント型コト消費」と言います。

3. アトラクション施設型コト消費

「アトラクション施設型コト消費」は、美術館や博物館、水族館、映画館、遊園地などの商業施設に専門的な施設やアトラクションを作って訪日外国人観光客の集客をおこなうことです。

4. 時間滞在型コト消費

「時間滞在型コト消費」は、商業施設に長時間滞在してもらうことで、「モノを買ってもらう」ことを狙ったコト消費です。本屋とカフェが一体になった「蔦屋書店」は、代表的な時間滞在型コト消費のひとつです。居心地の良い空間を作り出し長時間滞在してもらうことで、モノ(本)の購入につなげています。

5. コミュニティ型コト消費

アウトドアブランドのショップで登山好きを集めたイベントを開催するなど、商業施設を中心としたコミュニティを作ることでモノ消費につなげることを「コミュニティ型コト消費」と言います。

6. ライフスタイル型コト消費

「Apple Store」「IKEA」「無印良品」のように、ライフスタイル全般を顧客に提供することによって、お店やブランドのファンになってもらうことを「ライフスタイル型コト消費」と言います。

7. 買い物ワクワク型コト消費

「買い物ワクワク型コト消費」は、買い物すること自体にワクワクするような仕掛けや店舗設計をすることで、訪日外国人観光客の購買意欲を高めるスタイルのコト消費です。生活雑貨を扱うチェーンストア「Loft」や「東急ハンズ」、「ドン・キホーテ」、「ヴィレッジヴァンガード」などがこれににあたります。

モノ消費からコト消費へ移行した理由はネット購入?

インバウンド市場が「モノ消費」から「コト消費」に変化している理由のひとつが、ネット通販の増加です。ネット購入は、店頭購入とは違い、日本でしか買えない商品も離れた場所にいながらボタンひとつで簡単に手に入れることができます。モノ消費の欲求は、ネット購入で十分に満たすことができるため、旅行でのモノ消費が減ったのだと考えられます。

訪日外国人観光客から注目を集めるコト消費

着物体験

代表的なコト消費が、日本の伝統的な着物に身を包んで古い日本の町並みを散策することです。スキー場が密集している新潟県越後湯沢エリアにある温泉街は、古き良き日本の風情が漂う雰囲気が特徴です。

また、夕涼みがてら浴衣を着てのんびり歩いたり、定番観光スポットである浅草周辺を着物を着て人力車でまわったりするなど、そこでしか味わえない体験に価値を感じる訪日外国人観光客は多くいます。

酒造見学

日本酒の酒造見学も、日本ならではの体験です。日本が世界に誇る日本酒は、訪日外国人観光客にとって魅力的な観光資源のひとつです。

最近では酒造見学にさらなる価値をつけて訪日外国人を呼び込んでいる場所もあります。新潟県の越後湯沢駅構内にある「越後のお酒ミュージアム ぽんしゅ館 越後湯沢店」はその一例です。ここでは新潟県産の米で作った日本酒をワンコイン500円で飲み比べすることができます。製造過程を見学したあとに実際に飲み比べができるということで、連日訪日外国人でにぎわっているということです。

まとめ

インバウンドのトレンドがモノ消費からコト消費へと移行し、コト消費の需要が急速に高まっています。しかし現在、その需要の変化に対し、訪日外国人がスムーズにコト消費を行えるようにするための整備が追いついていません。

モノ消費からコト消費への変化に対応するためには、多言語に対応できる人員を配置したり、タブレットの翻訳サービスを利用したりするなどの多言語対策や、日本のアクティビティを海外からWebで予約できるような体制を構築していくことが必要です。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!