外国人の迷惑行為で新宿ゴールデン街が悲鳴/人気と共に増える「観光公害」に早急な対応を

外国人の迷惑行為で新宿ゴールデン街が悲鳴/人気と共に増える「観光公害」に早急な対応を

ディープな東京を味わえるスポットとして注目を集めている新宿ゴールデン街。一時は衰退の一途をたどっていましたが、近年訪日外国人観光客の急増の後押しもあり、かつての賑わいを取り戻しています。

一方で、訪日外国人観光客の増加に伴って、これまでにはなかった新たな「観光公害」に直面しているというのも事実。この記事では、新宿ゴールデン街で起こっている観光公害とそこから学ぶべき対策を考察します。


新宿ゴールデン街で問題視される観光公害

昭和の雰囲気が残るレトロな通りに、個性的な飲み屋が約200軒も連なる新宿ゴールデン街。日が暮れる頃から多くの人が集まりはじめ、一杯飲んで、また次のお店で一杯というふうに、はしご酒を楽しむ人で溢れています。

近年はガイドブックなどの紹介や口コミも広まり、訪日外国人観光客の数が一気に増えています。そんな新宿ゴールデン街では今、訪日外国人観光客の増加による観光公害の対応に悩まされているとご存知でしょうか。

  • 別の場所で購入した食料品を持ち込み、勝手に飲み食いをはじめる
  • 大声を出して歌ったり踊ったりする
  • 店の前でカラオケを歌う
  • 一杯のお酒だけで長居する
  • チャージ料を取られることを知らず、会計の時に納得いかないと払わずに帰る
  • ナンパ目的で日本人女性に声をかける
  • ポイ捨て
  • 唾はき

これらは訪日外国人観光客による観光公害として報告されている内容の一部。新宿ゴールデン街を訪れる客の半数以上が訪日外国人観光客となっている今、このような観光公害の増加に、多くの店主が頭を悩ませています。

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訪日外国人観光客が集まるスポットの共通問題

訪日外国人観光客が多く訪れるスポットにおいて、観光公害というのは共通して起こっている問題です。

例えば、日本の代表的な観光スポットである京都。訪日外国人観光客が増加した裏では、地元住民の足となる交通機関が観光客でパンク状態になるなど、市民の日常生活が脅かされる事態に発展しています。

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また、新宿ゴールデン街と同じように各地の飲食店でも観光公害は起こっており、その内容も飲食店への無断持ち込み、騒音問題、ごみ問題などさまざま。

文化の違いやマナーを知らなかったにすぎない場合もあるものの、その影響はお店のオーナーだけにとどまらず、もともと利用していた常連客や果ては地元住民にも広がり、軋轢を生む結果となってしまっています。

もちろん大前提として、訪日外国人観光客すべてに当てはまるわけではありません。一部の観光客の問題が取り上げられているのであって、マナーやルールを理解した上で観光している人がいるのも事実。

ただ、観光客の増加と比例して観光公害も増加するのは、もはや避けては通れない道なのです。

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ナイトタイムエコノミーはインバウンド観光の鍵

観光公害が問題視されている新宿ゴールデン街ですが、実は日本のインバウンド観光市場において重要な役割を担っているスポットとしても注目されています。

ナイトタイムエコノミーという言葉が登場したことからも分かるように、夜の時間帯の経済活動を活性化させることは、今後のインバウンド観光の拡大の鍵となります。

新宿ゴールデン街は、日が沈んでから翌朝に至るまでの夜の時間帯に人が集まるスポット。日中の観光による経済効果だけでなく、夜の時間帯にも人とお金が動くことによって、さらなる経済効果を生んでいます。

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ナイトライフも満喫したい観光客

日本滞在中の限られた時間を最大限に満喫するために、日中だけでなく夜の時間帯も楽しみたいと訪日思う外国人観光客。彼らが向かう先は、新宿ゴールデン街のような飲み屋街やクラブといった夜の時間を楽しめる場所。

まだまだ日本ではこの夜の経済活動が活性化しておらず、訪日外国人観光客を受け入れられるスポットも限られています。

株式会社日本政策投資銀行が2018年に実施した「訪日外国人旅行者の意向調査」によると、特に夜体験したいこととして、1位に「繁華街の街歩き」、2位に「日本の伝統的な料亭での飲食」と続き、8位には新宿ゴールデン街に該当する「大衆居酒屋での飲食」もランクイン。

新宿ゴールデン街は、訪日外国人観光客のナイトライフへの要望を満たしてくれる数少ないスポットであるため、近年観光客が一挙に押し寄せている結果となっています。

受け入れに苦慮する店主たちのつぶやき

ナイトタイムエコノミーの充実がインバウンド市場に与える影響は計り知れません。そして、新宿ゴールデン街はナイトタイムエコノミーを牽引するスポットと言えます。

訪日外国人観光客の増加による恩恵を理解しつつも、一方で観光公害の対応に苦慮する各店のオーナー達。

客足が増えることは喜ばしい反面、一部のマナーの悪い外国人観光客によって、もともといた常連客が寄り付かなくなってしまうケースも少なくありません。

新宿ゴールデン街は国内からの日本人観光客も当然訪れますが、外国人が占領しているお店に入りづらいと言って、逆に日本人の客足が遠のいてしまっている現象も起きています。

マナーや習慣の違いも限度がある

観光公害が起きる原因の多くは、外国人観光客によるマナーの理解不足や自国との習慣の違いに起因しています。

お通しが最初に出ること、チャージ料を取られること、次の客が来たら席を空けること、持ち込み禁止ということ…お店にはそれぞれルールがありますが、事前に調べてこない限り外国人観光客は暗黙のルールを知りません。

「中国人マナー悪い」と言われる理由

日本政府観光局(JNTO)が発表した「2018年11月 訪日外客数(JNTO推計値)」によれば、2018年1月〜11月までに日本を訪れた観光客は、前年比を9.1%増の2,856万人となっています。そのうち、訪日中国人観光客は778万1000人です。中国人観光客による爆買いは日本に多大な経済効果をもたらした一方で、歩きタバコや道路に広がっての歩行などマナーの悪さが指摘されています。飲食店やホテル、旅館といった接客業に携わる人の中には、「相手を不快にさせずに注意するにはどういう対応が一番良いの...


こういった背景に配慮して、英語のメニューやルールを説明する紙を設置するお店、英語が話せるアルバイトを雇うお店など、受け入れ体制を整えるお店もあります。

しかし、飲んで騒いだり、泥酔して道端で寝てしまったり、日本人をナンパしたりするのは、マナーや習慣の違いで済まされる話ではありません。

そのためトラブルを避けるために外国人入店禁止にしているお店も出てきています。

外国人観光客にどうやってマナーを守らせる?→ポイントは地域の協力&分散化/寺社仏閣の外国人マナー向上事例2選

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新宿ゴールデン街から学ぶ課題と対策

新宿ゴールデン街の観光公害から見えてくるのは、お店側の受け入れ体制の整備と観光客側の理解、双方の努力が必要になると言うこと。

お店側としては、訪日外国人観光客を受け入れるなら、英語でのマナー・ルールの説明を貼り出し、英語メニューを用意することは最低限求められる対応と言えます。外国人観光客に安心して利用してもらうことは、トラブルを避けるための対策にもなります。

そして、観光客側の理解を促すためには、ガイドブックやHPなど、新宿ゴールデン街を紹介する媒体で、必ず利用時のルールなど記載しておくこと。事前に周知し、さらに店舗で伝えることで、二重の周知ができることになります。

こうした対策は、同じような飲食店ならどこでも通じる対策と言えます。訪日外国人観光客が増えることでどんな問題が起きるかというのは、過去の前例を調べてある程度予測することが可能です。

まとめ

新宿ゴールデン街で起こっている観光公害は、全国どこでも起こりうる共通の問題です。ナイトタイムエコノミーの活性化に力を入れるようになれば、観光地にある居酒屋や飲み屋街は、新宿ゴールデン街と同じような問題を抱えることが予想されます。そのためにも事前に観光公害について情報収集し、早い段階で適切な対策を講じることが求められます。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!