訪日外国人の動向/国籍別割合や国別の関心に傾向は?観光庁消費動向調査から解説

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日本政府観光局JNTO)が発表している統計データは、インバウンド誘致の参考データとして非常に重要です。

訪日外国人のデータを国別・地域別にデータを見ることで、全体統計からは分からなかった傾向などを読み取ることができます。

この記事では、インバウンド関連のさまざまなデータを「国別・地域別」という観点から分析し解説します。

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訪日外国人の年別推移は?2019年は過去最多3,188万人に

棒グラフで2010年から2019年の訪日外国人数を示したもの
▲[訪日外国人客数の推移]:訪日ラボ編集部作成

日本政府はインバウンド需要の高まりによる観光市場の拡大を目指し、訪日外国人数について、2020年に4,000万人、2030年に6,000万人と目標を掲げています。

訪日外国人客数は年々増加しており2018年には1年間で日本を訪れた外国人の数が3,000万人の大台を突破しました。

続く2019年には過去最多となる3,188万人を記録しました。2019年には韓国で反日感情が高まった影響で韓国市場で大幅な訪日外国人数の減少が見られました。一方で、ラグビーワールドカップ2019が日本で開催され、またインバウンド受け入れ体制の整備が進んだことがこうした数字の更新につながったようです。

2019年の訪日外国人は過去最多の3,188万人!激減した訪日韓国人・新型コロナの影響は?

現在、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大によって、インバウンド業界は大きな打撃を受けています。新型コロナウイルスの流行は経済に大きなダメージを与えたばかりでなく、リモートワークの普及など、働き方や社会通念のあり方にまで大きな変容をもたらした出来事だといえます。「プレコロナ」ともいうべき2019年のインバウンド業界は、一体どのような軌跡を辿ったのでしょうか。改めて振り返りたいと思います。2019年の訪日外国人は、過去最多となる3,188万人を記録しました。2019年には韓国で反日感情が高ま...


改めて振り返る、2019年訪日外客数データ/インバウンド市場を読み解く3つの指標

現在、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、国内外で人の行き来が制限されています。そのため、2020年6月の訪日外国人観光客は前年同月比99.9%減の2,600人となっており、インバウンドにも大きな影響を与えています。一方、2019年までの訪日外国人観光客数は、毎年右肩上がりに増加していました。昨年はラグビーワールドカップが開催されたことも寄与し、訪日外国人観光客数が過去最多となりました。この記事では、2019年の訪日外国人観光客数や国別ランキング、観光庁が行なった「訪日外国人消費動向調...

2019年の各国・地域別訪日外客数/国別推移

訪日外国人の国別、地域別割合の円グラフ
▲2018年の各国・地域別訪日外客数:日本政府観光局(JNTO) 公式資料

上記は、2018年と2019年に日本を訪れた3,000万人超の外国人客について、国や地域別に内訳を表したものです。

2019年に最も多かったのは中国からの訪日客で959.4万人、次いで韓国の558.5万人、台湾の489.1万人、香港の229.1万人となっています。

アジア圏からの訪日客が全体の8割以上を占めており、依然としてインバウンド市場は近隣諸国からの訪日客によって支えられている状況であることがわかります。

さらなるインバウンド市場の拡大を目指す上では国籍別の訪日客数の推移や動向にも注目していく必要があります。

東南アジアと欧州圏の伸び率に注目

国・地域別の訪日外客数において前年比で特に大きな伸びを示しているのはベトナム・フィリピン・インドなどの東南アジア諸国や、イギリス、ロシアなどの欧州諸国です。

最も大きな伸びを示したベトナムでは27.3%増、次いでラグビーW杯の影響でイギリスが27%増、ロシアが26%増、フィリピンでは18.8%増、タイ16.5%増となっています。

2020年はどうなる?

2020年は新型コロナウイルスの影響で訪日外国人数の減少が続いています。

期待していた盛り上がりが実現しない中、情報発信の継続や越境EC、オンラインコンテンツの展開が進められています。

また2020年秋からは、ビジネス目的の渡航が再開されます。

【国別】2019年訪日外国人観光客数の予測|効果的なインバウンド対応のポイントとは?

日本政府観光局(

2019年の訪日外国人の国別消費動向は?

2019年の訪日外国人によるインバウンド消費額(確報)は4兆8,135億円で、買物代が1兆6,690 億円(34.7%)と最も多く、次いで宿泊費1兆4,132 億円(29.4%)、飲食費1兆397 億円(21.6%)の順で多くなっています。

2018年に比べ、費目別の構成比に大きな変化は見られませんでした。

以下では、これらのデータを国・地域別に紐解き、それぞれの傾向について解説します。

2019年の消費動向調査の結果については、以下の記事でも解説しています。

観光庁「訪日外国人消費動向調査」2019年のトレンドはラグビーW杯で英仏「激増」&インバウンド消費7年連続で過去最高

観光庁は2020年3月31日、2019年の「訪日外国人消費動向調査」を発表しました。インバウンド消費額は4.8兆円、訪日外国人客数は3,188万人と、ともに前年を上回り、過去最高を記録しました。また2019年秋にはラグビーW杯が開催されたことから、欧米豪を中心に、期間中のインバウンド動向に大きな変化が見られました。今回は、観光庁が発表した最新の「訪日外国人消費動向調査」のデータをもとに、インバウンド消費の数値的推移や訪日目的の変化、さらに2020年の見通しなどについて解説します。関連記事2...


2019年の訪日外国人の各国・地域別消費動向

訪日外国人の旅行にかかわる消費額全体における、国籍別割合を示した円グラフ
▲[国籍・地域別の訪日外国人旅行消費額と費目別構成比]:観光庁【訪日外国人消費動向調査】 2019年の訪日外国人旅行消費額(確報)


上記は、訪日外国人客によるインバウンド消費額の国・地域別にまとめたものです。

国・地域別の消費動向をみると中国、韓国、台湾、香港、米国の順でインバウンド消費額において高い割合を占めており、これらの5か国のみでインバウンド消費額全体の7割以上にものぼります。

訪日外国人の観光の目的、国籍でさまざま

日本人が国内において旅行を楽しむ場合には「温泉」が1番人気であるのに対し、外国人が訪日旅行中に経験したことや楽しんだことについてのアンケートでは「自然景観」や「神社・仏閣」が高い人気を示しています。

2018年の同調査において、韓国・中国・米国・インド・ドイツの5か国からの訪日客を対象として行われた国・地域別のアンケート結果が発表されています。実は「温泉」が上位にランクインしているのは韓国のみで、中国・米国・インドの3か国では「自然景観」が1位、ドイツでは「神社・仏閣」が1位でした。

また、訪日旅行中に食したものの中でおいしかった食べ物について尋ねたアンケートでは海鮮や天ぷらなどの人気が高くなっています。インド人訪日客の間では果物や穀物の評価が高いという結果が出ています。

今後の訪日観光のトレンドは?

今後日本を訪れる際に経験したいことについてのアンケートでは、中国やインドではショッピングへの意欲が高く、韓国では日本文化や地方への関心が高いことがわかっています。

また、アメリカでは城や古墳などの歴史文化に興味を持っている人が多く、ドイツでは5ヶ国で唯一「美術館や博物館」がランクインしており、芸術に高い関心を示す欧州諸国の国民性が表れています。

今後の訪日旅行の際に飲食してみたいものについてのアンケートでは、韓国、中国においては寿司が圧倒的な人気を誇っており、インドにおいては果物が上位を占めています。

特に訪日外国人の間では高級な寿司よりもワンコイングルメや回転寿司のようなリーズナブルな料理が注目されているようです。

国籍別インバウンド対策/3つの国を例に

上記に紹介したさまざまなアンケート結果からもわかる通り、訪日外国人のニーズは国ごとに大きく異なり、国・地域によって、インバウンド対策の最適解も異なります。

中国に向けたインバウンド対策

訪日客数・旅行消費額ともに1位である中国はまだまだインバウンド業界における最重要国であるといえます。そんな中国に向けたインバウンド対策を紹介します。

中国では「グレートファイアウォール」と呼ばれる非常に厳しいネット規制が敷かれており、Google・YouTube・Facebook・Twitterなどは閲覧することができません。 中国ではこれらと似たような機能を有する百度(バイドゥ)、微博(ウェイボー)などの独自サービスが展開されています。

中国のSNS利用状況

インバウンド対策を考えるうえで重要となる中国...

そのため、中国向けインバウンド対策を行う場合には中国国内で利用できるウェブサービスを利用することが重要です。

また、中国ではキャッシュレスが進んでいます。

特にアリペイWeChatPayといったQRコードを用いたモバイル決済が広く使われています。こうした中国で多くのユーザーを抱える決済ツールでの支払い対応は、外貨の両替の手間が省けることもあり、中国人の消費額を伸ばすのに有効でしょう。

【中国】モバイル決済浸透率

こんにちは、クロスシー編集部です。今回は中国で普及が進む「モバイル決済」について、その普及度合いと、ユーザーを惹きつけている機能について解説します。目次2019年1月現在の中国モバイル決済の普及状況とは? Alipay、WeChat Paymentで9割中国でモバイル決済が普及した理由、そして複数のモバイル決済を使い分ける 決め手は「信用スコア」なぜモバイル決済が普及したのかAlipayとWeChat Paymentの使い分けは? Alipayのサービス「芝麻信用」(セサミクレジット)の強...


ベトナムに向けたインバウンド対策

ベトナムも近年訪日外客数を大きく伸ばしておりインバウンド対策において注目すべき市場の1つです。

ベトナム人ユーザーの多くは「Facebook Messenger」や「Zalo」と呼ばれるチャットツールを利用しているため、これらを導入してプロモーションを行なうことで一定の集客を見込むことができるでしょう。

ベトナム人に人気のSNSランキング2019|3位「Zalo」とは?

訪日外国人といえば中国人が多い印象がありますが、実はアジア各国からの訪日が急激に増えています。なかでも日本を訪れるベトナム人が近年、増加傾向に。そのためベトナム人へ向けたインバウンド対策や、インターネットを活用したマーケティングが注目されているのです。効果的なインバウンド対策のためには、ベトナムでのインターネット事情や、SNS事情を理解しておく必要があります。現在のインバウンドにおいて重要な位置づけとなりつつあるベトナムの、インターネット事情を詳しく見ていきましょう。インバウンド対策にお困...


チャットアプリにおいては特定の単語に反応して自動で返信を行うよう設定するチャットボットの活用が効果的です。多くのユーザーが疑問に感じるポイントや事前に知りたいと感じるポイントを絞りこみ、自動で対応できるプログラムを組んでおくことでスムーズな対応が可能になり従業員の負担も減らすことができます。

韓国をはじめとした伸び率減の国へ向けたインバウンド対策

韓国をはじめとした東アジア諸国では直近において訪日客数が伸び悩んでいますが、これらの国からの訪日客は全体のうちでも依然として多くの割合を占めています。

東アジア諸国向けのインバウンド対策として、韓国や台湾において多くのユーザーが利用する観光情報サービスLIVE JAPAN PERFECT GUIDE TOKYO」でのプロモーションの効果は一定の評価を得ています。月間250万のプレビュー数があり、訪日前には同サイトを利用して日本についての情報を集めている外国人も少なくありません。

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また、SNSを活用する場合には韓国発のメッセンジャーアプリである「カカオトーク」を利用するといいでしょう。

国籍別傾向を知り、インバウンド対策を効果的に

一口にインバウンド対策といえども国や地域によって訪日外国人のニーズも異なり、効果的な対策も異なります。

観光庁JNTOが発表しているインバウンド関連のさまざまなデータや統計を分析して、店舗やサービスのターゲット層の需要を把握し、それに向けて対策を講じるべきでしょう。

<参照>

観光庁:【訪日外国人消費動向調査】2019年の訪日外国人旅行消費額(確報)

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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