広島に年間100万人超の外国人観光客が訪れる理由/戦争の歴史に欧米圏から関心

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8月は原爆の日や終戦記念日があり、特に広島に注目の集まる時期です。

広島の代名詞ともいえる野球チームの広島カープは、8月6日に同じく広島を代表する企業名を冠されたマツダスタジアムで「ピースナイター」を開催し、平和への願いを世界に発信しています。

戦争に関連して、平和記念資料館などを有する広島を訪れる訪日外国人が増えています。世界遺産をはじめとする観光資源の豊富さも理由の1つですが、それだけではありません。

この記事では、広島が訪日外国人に人気となった理由、広島の人気観光地、広島において取り組まれているインバウンド対策について解説します。 

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広島を訪れる外国人はどこから?支持される理由は? 

広島市を訪れた観光客は、2017年には国内外合わせて1,341万4,000人を記録しました。訪日外国人は3年連続100万人を超え、7年連続訪日外国人数で過去最高記録を更新しています。

欧米圏からの訪日客:広島の戦争の歴史に対する関心の高さ

訪日外国人のうち、もっとも多くを占める中国を含む東アジアの国、地域は全体の73.4%を占めます。

しかし、広島に来る訪日外国人は欧米圏からの観光客が多くなっています。観光局発表のデータによれば2010年には47都道府県の中で、最も欧米圏からの訪日客が多い県でです。

ヨーロッパでは日本の都市について知っている地名を尋ねると、東京と並び広島という答えが返ってくるほど、広島は有名です。

広島市の原爆ドームが、戦争の悲惨さを現代に伝える遺産として有名であることがその理由だそうです。歴史の授業で広島のことを知り、興味を抱く人が多くなっています。

原爆ドーム、そして平和記念資料館を目的に広島市を訪れる訪日外国人は多く、この2つの観光スポットが広島市のインバウンド経済を支えているとも言えます。

円グラフで広島県を訪れる外国人の国籍別の比率を示したもの
▲[広島県に来ている訪日外国人の割合]:訪日ラボ

トリップアドバイザーが外国人観光客からの口コミをもとに作成した「外国人に人気の日本の観光スポット2013」においても原爆ドームおよび平和記念資料館は2年連続で1位となりました。

広島の重点市場に向けた積極的プロモーション

広島県と広島市は2016年度から、アメリカ、フランス、オーストラリア、中国、香港、台湾、韓国、タイをはじめとした8か国を重点市場と定め、それぞれの国の旅行特性に対応したプロモーションを展開しています。

フランスでの「広島フェア」の開催や、海外メディアによる取材に対応するなど、国外に向けたプロモーションには特に力を入れています。 

路面電車など交通アクセスの良さ

広島県には広島空港があり、国際線の就航があります。

乗り継ぎが不要で直行便で訪れることのできる広島は、海外からの旅行客にとってアクセスの良い日本の地方都市です。

県内での観光の足には、180円の均一料金で乗車可能な路面電車があります。

有名な観光スポットが市内にまとまっていることもあり、日本の他の地方都市と比べた場合、交通の利便性は高くなっています。 

3つの人気観光スポット

広島県の人気観光スポットは原爆ドームや平和記念資料館だけではありません。

日本人観光客はもちろん、訪日外国人からも人気となっている広島で特に評価の高い観光スポットについて解説します。 

1. 宮島


宮島は広島県廿日市市に位置する島です。森林や古い神社仏閣で知られています。島内はこの他にも豊国神社、五重塔、表参道商店、紅葉谷公園、弥山などのさまざまな観光スポットがあります。2017年に宮島を訪れた訪日外国人は32万人です。奈良と同じく鹿がたくさんいます。

2. 厳島神社


宮島に数多く存在する観光スポットの中でも、特に人気が高いのは厳島神社です。トリップアドバイザーの人気観光地ランキングでも上位にランクインしています。

海の中に立つ壮大な朱色の大鳥居は宮島の代名詞のようにもなっています。この鳥居までは、干潮時になると歩いて渡れます。

無料Wi-Fiの整備、外国人スタッフによるパンフレットの配布、両替所の設置なども進めており、インバウンド対策も十分です。 

3. しまなみ海道


しまなみ海道は広島県尾道市から愛媛県今治市を結ぶ海上道路です。全長約60kmの道で、瀬戸内海に浮かぶ島々の風景を見られます。

「サイクリングロード」は日本で初めて海峡を横断できる自転車道として非常に有名で、サイクリストの聖地とも言われています。CNNでは「世界7大サイクリングロード」として紹介されました。

広島のインバウンド対策3つのポイント

広島ではさらなる訪日外国人の誘客を目指してさまざまなインバウンド対策に取り組んでいます。 広島がこれほどにも訪日外国人から高い人気を得ている理由の1つには外国人の観光ニーズを的確に把握し、誘客や環境整備を行っていることが指摘できます。具体的に見ていきましょう。

1. Webサイト:VISIT HIROSHIMA

VISIT HIROSHIMAは広島県が運営するWebサイトで、広島の観光情報を発信しています。広島の基本的な情報や交通アクセス、おすすめ観光スポット、食べ物、名産品について知ることができます。

このWebサイトは多言語対応にも力を入れており、英語、フランス語、韓国語、中国語版もあります。訪日外国人も広島の観光情報の収集にVISIT HIROSHIMAを活用しています。掲載されている情報が充実していること、訪日外国人が知りたいと感じる情報を掲載している点が評価されています。

2. 国・地域に合わせた観光市場プロモーション戦略

広島県では取り込むべきターゲット層を絞りこみ重点市場を定めています。それぞれの市場のニーズやコミュニケーション方法に合わせてプロモーションを展開しています。

たとえば欧米市場に対してはWebサイトからのアプローチ、まだ団体旅行も多いアジア市場には旅行会社を通じて旅行商品を販売するなどです。こうした取り組みが奏功し、訪日外国人年間100万人超えが実現しているといえるでしょう。

観光商品の開発に市からの支援金を支給しており、今後もさらに多くの観光客を呼び込む姿勢です。 

3. 訪日観光客の満足度向上

広島県では、訪日外国人観光客の満足度を向上させるために飲食店等における多言語対応を促進するセミナーの実施、観光地への交通インフラ整備、無料Wi-Fiスポットの設置、キャッシュレス決済への対応、観光人材の育成、おもてなしやサービスの充実など、さまざまな施策に取り組んでいます。

これらの取り組みには口コミ評価の向上リピーター増加によるインバウンド市場拡大のねらいがあります。 

広島のインバウンド対策に学べ!

広島にはこの3年、毎年100万人を超す訪日外国人が訪れています。人気観光地の存在も大きいですが、背景にはインバウンド対策やプロモーションに積極的に取り組む姿勢がありました。

広島の進めているインバウンド対策は、自治体だけでなく、企業や店舗でも参考にできるものが多くなっています。ターゲット市場を定め、訪日外国人目線の情報発信や環境整備を進めていくという基本を忠実に実行すれば、インバウンド集客の拡大も難しくはないはずです。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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