平成28年11月7日、JNTO(日本政府観光局)は、イギリス、フランス、ドイツなど欧州15カ国を対象としたプロモーションキャンペーン「JAPAN―Where tradition meets the future」(日本-伝統と未来が出会う場所)を開始しました。

欧州で行なわれるプロモーションとしてはこれまでに類のない大規模なもので、使用されている動画も素晴らしく、今後、欧米圏からの訪日外国人観光客が増加することが見込まれます。今回は「JAPAN―Where tradition meets the future」の内容についてご紹介します。

 

2003年にスタートしたビジット・ジャパン事業初となる大規模な欧州PR

「JAPAN―Where tradition meets the future」が行なわれる背景には、欧州圏からの訪日外国人観光客を増加させたいという政府方針があります。欧州圏からの訪日外国人観光客には長期滞在する、消費額が高いなどの傾向を持っています。

観光業にとっては非常にありがたいユーザー層なのですが、2015年時点での人数は124万人で、全体の約6%しかいません。そもそも日本についてあまり知られておらず、それが旅行先として選択されない原因になっていると見られています。

そこで「JAPAN―Where tradition meets the future」では、オンライン、TV、交通広告、映画館広告など複数のメディアを通じて、動画を中心とした広告展開が行なわれます。

訪日外国人観光客の誘致を行うビジット・ジャパン事業が始まってから10年以上経ちますが、このような大規模なキャンペーンは今回が初。対象となるのは以下の15カ国です。

  • メインターゲット
    • イギリス
    • フランス
    • ドイツ
    • イタリア
    • スペイン

 

  • そのほか
    • スウェーデン
    • オランダ
    • フィンランド
    • ベルギー
    • デンマーク
    • オーストリア
    • ノルウェー
    • ポーランド
    • イスラエル
    • トルコ

 

東京都、京都府を中心とした人気スポットを動画で紹介

コンセプトになっているのは「『伝統』と『革新』の融合」。個性的な伝統文化と新しい文化が混在している点を日本の魅力として発信していきます。

キャンペーンのために制作された動画で取り上げられているのは以下の通り。日本らしさを感じられる古今東西の建造物や文化が紹介されています。

  • 東京都
    • 東京タワー
    • 東京スカイツリー
    • アメリカ横丁
    • ダンスクラブ
    • 「眠らない街」と言われる新宿
    • 浅草
    • 日本科学未来館
    • ドン・キホーテ
    • ゲームセンター
    • 弓道
    • 原宿の女性ファッション
    • 飲み屋が並ぶ各地の横丁
    • 寿司
    • 豪徳寺
    • 中谷堂の高速餅つき
    • 渋谷
    • 能楽

 

  • 京都府
    • 読経
    • 伏見稲荷大社の千本鳥居
    • 西陣織
    • 舞妓
    • 茶道
    • 京弓作り
    • 嵯峨野 竹林の道
    • 清水寺
    • 座禅

 

  • 和歌山県
    • 熊野古道の大門坂、百間ぐら、大斎原
    • 瀞峡(三重、和歌山も)
    • 奈良の大仏
    • 千畳敷

 

  • 三重県
    • 伊勢神宮

 

動画自体は約3分と短いものの、数秒間のカットが続き、数多くの観光資源が次から次へと取り上げられています。

内容は自然や寺院といった伝統を感じさせるものから、多くの一般人が楽しんでいる現代文化まで多種多様。グルメ、ファッション、観光地と横断的に扱っています。

地域活性化という点を考えると東京都、京都府に焦点が当たっており、それ以外の地域がほとんど扱われていないことが気になります。しかし、今回は欧州圏からの新たな訪日外国人観光客を獲得することが狙いなので、実績のあるキャッチーな観光資源に焦点を絞ったと見るべきかもしれません。

まずはゴールデンルートを中心とした日本旅行を楽しんでもらい、他の地域はそれからという算段なのではないでしょうか。欧州圏からの訪日外国人観光客は旅行期間が長い傾向があるので、旅行序盤は都市部を周り、その後、日本国内で観光情報を収集し地方にまで足を伸ばすという旅行パターンも少なくないのではないでしょうか。

動画制作を担当したのは親日家のドイツ人映像作家

なお、先ほどの動画を制作したのは、ドイツの映像作家・Vincent Urban(ヴィンセント・アーバン)氏。

日本を3週間旅行した際に制作した動画「In Japan – 2015」が20万回以上再生された実績を持っているだけでなく、幼い頃から日本文化に興味を持つ親日家であることから起用されたようです。おそらく欧米人の視点から見た日本文化の魅力を知っているというのも理由のひとつでしょう。

 

まとめ:欧州圏からの訪日外国人観光客増加に期待

2003年にスタートしたビジット・ジャパン事業初となる大規模な欧州プロモーションキャンペーン「JAPAN―Where tradition meets the future」がスタートしました。イギリス、フランス、ドイツなど15ヶ国を対象に、日本の魅力を動画で発信する取り組みが行なわれます。

動画制作を務めたのは、ドイツの映像作家・Vincent Urban(ヴィンセント・アーバン)氏。20万回以上再生された「In Japan – 2015」の制作者であり、欧州から見た日本の魅力をよく把握している人物です。

 

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