GCC6か国からの観光客 これだけは知っておくべき3つのポイント
- 訪日者の多くが富裕層
- GCC6か国の訪日者の7割はサウジアラビアとアラブ首長国連邦
- 日本はニッチな旅行先で、アジアの旅行先としてはタイやマレーシアが人気
GCC6か国の訪日旅行（インバウンド）データ
訪日外客数推移（2014年～2022年）：GCC6か国からは何人来ているのか
コロナ前の2019年、GCC6か国からの訪日外客数は約2.8万人でした。一方、2020年と2021年はコロナの影響でそれぞれ2,605人、1,076人まで減少しました。コロナ後の2022年には6,625人と、全体的にみても標準的なペースで回復しています。
月別訪日外客数：GCC6か国からの観光客に人気なのは何月？
GCC6か国についてはコロナ前の月別訪日外客数のデータがありません。2022年は10月以降訪日客数が急増していますが、これは日本の水際対策緩和によるものと考えられます。
GCC6か国のインバウンド年表・基本データ
サウジアラビア
| 1955年 | 日本とサウジアラビア王国の国交が樹立 |
| 2019年 | 訪日サウジアラビア人数が史上最多となる1.1万人を達成 |
| 人口 | 約3,641万人 |
| 面積 | 215万平方キロメートル |
| 首都 | リヤド |
| 宗教 | イスラム教 |
| 公用語 | アラビア語 |
| 時差 | UTC+3（-6時間） |
| 通貨 | サウジアラビア・リヤル |
| 名目GDP | 約7,015億米ドル |
| 経済成長率 | 3.2％ |
| 一人当たりGDP | 約2万3,507米ドル |
| 平均月収 | 1,953.53ドル |
| 物価（ビッグマック） | 5.06米ドル |
（参照）THE WORLD BANK Population, total、United Nations National Accounts - Analysis of Main Aggregates (AMA)、外務省 国・地域基礎データ、Numbeo Rankings by Country of Average Monthly Net Salary（After Tax）（Salaries And Financing）、The Economist The Big Mac index
クウェート
| 1961年 | 日本とクウェート国の国交が樹立 |
| 2019年 | 訪日クウェート人数が史上最多となる3,465人を達成 |
| 人口 | 約427万人 |
| 面積 | 1.8万平方キロメートル |
| 首都 | クウェート |
| 宗教 | イスラム教 |
| 公用語 | アラビア語 |
| 時差 | UTC+3（-6時間） |
| 通貨 | クウェート・ディナール |
| 名目GDP | 約1,060億米ドル |
| 経済成長率 | 1.3％ |
| 一人当たりGDP | 約2万4,812米ドル |
| 平均月収 | 2,719.97ドル |
| 物価（ビッグマック） | 4.56米ドル |
（参照）THE WORLD BANK Population, total、United Nations National Accounts - Analysis of Main Aggregates (AMA)、外務省 国・地域基礎データ、Numbeo Rankings by Country of Average Monthly Net Salary（After Tax）（Salaries And Financing）、The Economist The Big Mac index
アラブ首長国連邦
| 1972年 | 日本とアラブ首長国連邦の国交が樹立 |
| 2019年 | 訪日アラブ首長国連邦人数が史上最多となる8,891人を達成 |
| 人口 | 約944万人 |
| 面積 | 8.4万平方キロメートル |
| 首都 | アブダビ |
| 宗教 | イスラム教 |
| 公用語 | アラビア語 |
| 時差 | UTC+4（-5時間） |
| 通貨 | ディルハム |
| 名目GDP | 約4,211億米ドル |
| 経済成長率 | -0.25％ |
| 一人当たりGDP | 約4万3,103米ドル |
| 平均月収 | 3,439.22ドル |
| 物価（ビッグマック） | 4.9米ドル |
（参照）THE WORLD BANK Population, total、United Nations National Accounts - Analysis of Main Aggregates (AMA)、外務省 国・地域基礎データ、Numbeo Rankings by Country of Average Monthly Net Salary（After Tax）（Salaries And Financing）、The Economist The Big Mac index
オマーン
| 1972年 | 日本とオマーン国の国交が樹立 |
| 2017年 | 訪日オマーン人が史上最多となる879人に到達 |
| 人口 | 約458万人 |
| 面積 | 31万平方キロメートル |
| 首都 | マスカット |
| 宗教 | イスラム教 |
| 公用語 | アラビア語、英語 |
| 時差 | UTC+4（-5時間） |
| 通貨 | オマーン・リアル |
| 名目GDP | 約780億米ドル |
| 経済成長率 | 2.5％ |
| 一人当たりGDP | 約1万6,993米ドル |
| 平均月収 | 2,177.60ドル |
| 物価（ビッグマック） | 3.69米ドル |
（参照）THE WORLD BANK Population, total、United Nations National Accounts - Analysis of Main Aggregates (AMA)、外務省 国・地域基礎データ、Numbeo Rankings by Country of Average Monthly Net Salary（After Tax）（Salaries And Financing）、The Economist The Big Mac index
バーレーン
| 1972年 | 日本とバーレーン王国の国交が樹立 |
| 2019年 | 訪日バーレーン人数が史上最多となる817人を到達 |
| 人口 | 約147万人 |
| 面積 | 786.5平方キロメートル |
| 首都 | マナーマ |
| 宗教 | イスラム教 |
| 公用語 | アラビア語 |
| 時差 | UTC+3（-6時間） |
| 通貨 | バーレーン・ディナール |
| 名目GDP | 約337億米ドル |
| 経済成長率 | 4.9％ |
| 一人当たりGDP | 約2万2,427米ドル |
| 平均月収 | データなし |
| 物価（ビッグマック） | 4.51米ドル |
（参照）THE WORLD BANK Population, total、United Nations National Accounts - Analysis of Main Aggregates (AMA)、外務省 国・地域基礎データ、Numbeo Rankings by Country of Average Monthly Net Salary（After Tax）（Salaries And Financing）、The Economist The Big Mac index
カタール
| 1971年 | 日本とカタール国の国交が樹立 |
| 2019年 | 訪日カタール人数が史上最多となる3,000人を突破 |
| 人口 | 約270万人 |
| 面積 | 1.1万平方キロメートル |
| 首都 | ドーハ |
| 宗教 | イスラム教 |
| 公用語 | アラビア語 |
| 時差 | UTC+3（-6時間） |
| 通貨 | カタール・リヤル |
| 名目GDP | 約2,196億米ドル |
| 経済成長率 | 2.4％ |
| 一人当たりGDP | 約8万4,000米ドル |
| 平均月収 | 4,178.00ドル |
| 物価（ビッグマック） | 3.85米ドル |
（参照）THE WORLD BANK Population, total、United Nations National Accounts - Analysis of Main Aggregates (AMA)、外務省 国・地域基礎データ、Numbeo Rankings by Country of Average Monthly Net Salary（After Tax）（Salaries And Financing）、The Economist The Big Mac index
GCC6か国のアウトバウンド（海外旅行）データ
サウジアラビアの海外旅行者数の推移（2012年～2020年）・人気の海外観光地ランキング
コロナ前の2019年までの6年間、サウジアラビア人の外国旅行者数はおおむね2,000万人前後を推移しており、ピークであった2016年には2,121万人を記録しました。しかし2020年には、パンデミックの影響を受け484万人まで急減しました。
サウジアラビア人に人気の海外観光地ランキング
| 国名 | 過去五年間で最多の外客数 |
|---|
| 1位 | バーレーン | 10,737,689人（2018年） |
| 2位 | クウェート | 3,664,146人（2019年） |
| 3位 | アラブ首長国連邦 | 2,055,305人（2018年） |
| 4位 | エジプト | 909,092人（2018年） |
| 5位 | ヨルダン | 739,563人（2018年） |
（参照）日本政府観光局（JNTO） 訪日旅行データハンドブック 2022年より
サウジアラビア人に人気の外国旅行先はバーレーンで、2番目に位置するクウェートの3倍近い数を誇ります。ついでアラブ首長国連邦、エジプト、ヨルダンが続いています。サウジアラビアで使用されるアラビア語は中東地域から北アフリカまで幅広く使用されていて、同じアラビア語圏で、かつアクセスも良いことが人気の外国旅行先となっているようです。
クウェートで人気の海外観光地ランキング
※クウェートの海外旅行者数のデータはありません
クウェート人に人気の海外観光地ランキング
| 国名 | 過去五年間で最多の外客数 |
|---|
| 1位 | サウジアラビア | 2,132,114人（2019年） |
| 2位 | バーレーン | 715,370人（2018年） |
| 3位 | アラブ首長国連邦 | 507,588人（2016年） |
| 4位 | トルコ | 374,091人（2019年） |
| 5位 | 英国 | 181,011人（2019年） |
（参照）日本政府観光局（JNTO） 訪日旅行データハンドブック 2022年より
クウェート人に人気の外国旅行先はサウジアラビアで、2番目に位置するバーレーンの3倍近い数を誇ります。ついでアラブ首長国連邦、トルコ、英国が続いています。クウェートは1961年に英国から独立している背景があり、外国旅行先として英国を選ぶクウェート人が多いようです。
アラブ首長国連邦の海外旅行者数の推移（2015年～2020年）・人気の海外観光地ランキング
コロナ前の2019年までの5年間、アラブ首長国連邦人の外国旅行者数は1,800万人前後を推移していましたが、2020年にはパンデミックの影響を受け628万人まで急減しました。
アラブ首長国連邦人に人気の海外観光地ランキング
| 国名 | 過去五年間で最多の外客数 |
|---|
| 1位 | オマーン | 2,245,665人（2019年） |
| 2位 | サウジアラビア | 947,628人（2016年） |
| 3位 | 英国 | 552,899人（2019年） |
| 4位 | バーレーン | 154,060人（2019年） |
| 5位 | タイ | 137,218人（2017年） |
（参照）日本政府観光局（JNTO） 訪日旅行データハンドブック 2022年より
アラブ首長国連邦人に人気の外国旅行先はオマーン、サウジアラビア、英国、バーレーン、タイとなっています。上位のオマーンとサウジアラビアはアラブ首長国連邦に隣接しており、陸路でも入国できることが人気の理由となっているようです。
オマーンの海外旅行者数の推移（2012年～2020年）・人気の海外観光地ランキング
コロナ前の2019年までの6年間、 オマーン人の外国旅行者数はおおむね増加傾向にあり、ピークであった2017年には447万人を記録しました。しかし2020年には、パンデミックの影響を受け110万人まで急減しました。
オマーン人に人気の海外観光地ランキング
| 国名 | 過去五年間で最多の外客数 |
|---|
| 1位 | アラブ首長国連邦 | 5,862,816人（2019年） |
| 2位 | サウジアラビア | 260,550人（2019年） |
| 3位 | バーレーン | 108,279人（2019年） |
| 4位 | トルコ | 88,374人（2019年） |
| 5位 | イラン | 86,119人（2019年） |
（参照）日本政府観光局（JNTO） 訪日旅行データハンドブック 2022年より
オマーン人から圧倒的に人気の外国旅行先はアラブ首長国連邦で、2番目に位置するサウジアラビアの20倍以上の人数を誇ります。オマーンとアラブ首長国連邦は隣接していて、同じアラビア語を使用することが人気の理由になっているようです。3番目にはバーレーン、4番目にはトルコ、5番目にはイランが続いています。
バーレーンの海外旅行者数の推移（2015年～2019年）・人気の海外観光地ランキング
2015年にはバーレーン人の外国旅行者数が368万人まで達しましたが、翌年の2016年には半数となる184万人まで急減しています。その後も回復率は悪く、150万〜170万人ほどを推移している状況です。
バーレーン人に人気の海外観光地ランキング
| 国名 | 過去五年間で最多の外客数 |
|---|
| 1位 | サウジアラビア | 918,432人（2016年） |
| 2位 | クウェート | 247,687人（2017年） |
| 3位 | アラブ首長国連邦 | 242,885人（2016年） |
| 4位 | トルコ | 90,284人（2019年） |
| 5位 | イラン | 91,235人（2016年） |
（参照）日本政府観光局（JNTO） 訪日旅行データハンドブック 2022年より
バーレーン人に人気の外国旅行先はサウジアラビアで、クウェート、アラブ首長国連邦、トルコ、イランが続いています。上位のサウジアラビアとクウェート、アラブ首長国連邦はバーレーンと同じアラビア語圏であるうえ、アクセスの良さが人気の理由のようです。
カタールで人気の海外観光地ランキング
※カタールの海外旅行者数のデータはありません
カタール人に人気の海外観光地ランキング
| 国名 | 過去五年間で最多の外客数 |
|---|
| 1位 | 英国 | 175,057人（2019年） |
| 2位 | クウェート | 130,810人（2018年） |
| 3位 | トルコ | 108,494人（2019年） |
| 4位 | オマーン | 70,830人（2019年） |
| 5位 | サウジアラビア | 623,917人（2016年） |
（参照）日本政府観光局（JNTO） 訪日旅行データハンドブック 2022年より
ほかのGCC諸国では中東地域が上位を独占するなか、カタール人に人気の外国旅行先は英国が最も多い結果となりました。カタールは1971年に英国領から独立を宣言し、英語が広く通用していることから、英国を外国旅行先として選ぶ人が多いようです。英国についでクウェート、トルコ、オマーン、サウジアラビアが続いています。
