2020年の「東京オリンピック・パラリンピック」に向けて、訪日外国人観光客数が増加しています。政府による「明日の日本を支える観光ビジョン」では、もともとの訪日外国人観光客の目標数であった2,000万人を大幅に前倒しし、2020年までに4,000万人、2030年までに6,000万人の訪日外国人観光客の誘致を目指すことを発表しました。
より多くのインバウンド消費を促すために、政府はインバウンド事業などに補助金を交付したり、訪日外国人観光客誘致に役立つ情報を、企業や自治体に提供しています。
また、政府ではインバウンド消費に関連した情報を管理、共有するためのプラットフォームを開発し、この度、訪日外国人観光客誘致のための実証実験を開始することを発表しました。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
経済産業省、「おもてなしプラットフォーム」の実証を開始
2016年9月28日の経済産業省の発表によると、訪日外国人観光客誘致へ向け、国内の事業者や地域との連携により「おもてなしプラットフォーム」の構築に向けた実証実験を10月1日から開始することを発表しました。
「おもてなしプラットフォーム」とはインバウンド消費関連の情報を共有するためのプラットフォーム:訪日外国人観光客の個人情報を一元化
「おもてなしプラットフォーム」とは、訪日外国人観光客に関する情報を集積するためのプラットフォームです。
訪日外国人観光客のショッピングや飲食、宿泊など旅行時の情報、または各種アプリ上に登録する情報を、訪日外国人観光客本人の同意のもと、「おもてなしプラットフォーム」に共有。そのデータを活用し、各事業者が、訪日外国人観光客に高度で先進的なサービスを提供できる仕組みの構築が目的です。
この仕組みにより、「おもてなしプラットフォーム」に参加する事業者のサービスを受ける際、訪日外国人観光客は旅行履歴等の個人情報や、使用言語などを再度登録する必要がなくなります。
結果的に、「おもてなしプラットフォーム」参加事業者としても、今までより明確に訪日外国人観光客の消費動向を把握することができ、潜在的な訪日外国人観光客のニーズを見落としづらくなります。
「おもてなしプラットフォーム」に関しては、2016年4月に具体的な計画が作成され、それから約半年後である10月1日から実証実験に踏み込むといった流れになっています。
「おもてなしプラットフォーム」構築の一環として訪日外国人観光客の「指紋認証」「手のひら認証」決済の実証実験開始へ
今回、取り上げている「おもてなしプラットフォーム」事業の一環として、訪日外国人観光客における「指紋認証決済」「手のひら認証決済」の実証実験が行われます。10月1日より関東と関西で開始され、訪日外国人観光客の利便性向上を図ります。
[関東]「指紋認証決済」の導入:大手旅行会社「JTB」の関連企業が協力
実証実験として、関東では「指紋認証決済」の導入が行われます。対象地域は、神奈川県箱根町や湯河原町、鎌倉市です。
これらの地域の約100店舗で、指紋認証による決済や宿泊施設のチェックイン・アウトが可能になります。
大手旅行会社「株式会社JTB」関連会社である「JTBコーポレートセールス」を中心に、指紋認証技術を持つLiquid、箱根温泉郷、湯河原温泉等が参加します。
JTBコーポレートセールスによるウェブサイトでも、その概要が紹介されています。
[関西]「手のひら認証決済」の導入:大手電機メーカー「パナソニック」が協力
関西ではスマートフォンによる「手のひら認証」の導入が行われます。「手のひら認証」とは手のひらの文様と静脈のパターンを組み合わせ、ユーザーを認証するシステムです。
今回の実証実験は、大阪市の水族館「海遊館」や、隣接するショッピングモール、関西国際空港内の店舗などで行われ、これらの店舗、施設では手をかざすだけで支払いができるようになります。
「指紋認証」「手のひら認証」導入により楽な決済・インバウンド情報一括化が実現
今回の「おもてなしプラットフォーム」実証実験開始の背景には、訪日外国人観光客の消費動向に関しての情報を集約・提供するためのプラットフォームが存在していなかったこと、情報が分散化していたことが挙げられます。
「指紋認証」「手のひら認証」の導入によって、
- 訪日外国人観光客消費動向の一括化
- 訪日外国人観光客にとって楽な決済サービス
が実現し、結果的にインバウンド消費の促進、または新たなインバウンド向けサービスの開発、マーケティングに活用が可能となります。
まとめ:インバウンド情報共有のための大枠のプラットフォームは必要不可欠に 「指紋認証」「手のひら認証」導入によってインバウンド消費喚起へ
今回取り上げた、経産省による「おもてなしプラットフォーム」構築へ向けた実証実験。訪日外国人観光客に人気の観光地での「指紋認証」「手のひら認証」の導入により、インバウンド消費動向などインバウンド関連の情報の共有が進むことが予測されます。
また、訪日外国人観光客にとっては、より快適な買い物が可能になります。
訪日外国人観光客の増加に伴い、インバウンド収益の増大の見込まれる日本では、このような大枠のプラットフォームは必要不可欠です。
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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