訪日米国人観光客の宿泊日数の変化:長期滞在者数は変わらず、短期旅行が増加傾向

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

近年増加傾向にある訪日米国人観光客は、どれくらい日本に滞在して、どのような所に宿泊しているのでしょうか。データから、訪日米国人観光客の好みを探っていきます。

インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?

「調査・リサーチ」の資料を無料でダウンロードする

「インバウンドデータ」の資料を無料でダウンロードする

インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)

以前の訪日米国人観光客の宿泊日数

平成22年度の訪日外国人観光客全体の平均宿泊日数は6.7泊となっています。宿泊日数が最も短いのは訪日韓国人観光客で4.6泊、その次が訪日香港人観光客で4.8泊。一方、ドイツは14.8泊、ロシア15.7泊、フランス15.9泊と国によって宿泊日数に差異が認められます。

その中で訪日米国人観光客の宿泊日数は11.9泊と比較的長い宿泊数で、ゆったりと時間をかけて日本を観光していく人が多いという特徴が表れています。

以前の宿泊日数の分布

平成22年度の訪日米国人観光客の宿泊日数を分布で見ると、3日以内が8.1%、4~6日が23.3%、7~13日が38.4%、14~20日が14.3%、21日以上が15.9%となっています。東アジアからの訪日外国人観光客の多くは、4~6日宿泊して帰っていく人が多い傾向にあり、安く短期間で旅行を行うのに対して、訪日米国人観光客やヨーロッパ圏の訪日外国人観光客は、7~13日かけて日本を観光する人が多い傾向にありました。

このデータを具体的な人数で表すと、平成22年度の訪日米国人観光客は72万人ですので、3日以内の人は5万8000人、4~6日の人が16万7000人、7~13日の人が27万6000人、14~20日の人が10万人、21日以上の人が11万人となります。

現在の訪日米国人観光客の宿泊日数

平成28年度の訪日外国人観光客全体の平均宿泊数は5.8泊となっています。訪日米国人観光客の宿泊日数は8.8泊となっており、依然として平均宿泊数より高いですが、以前と比べると滞在日数が低下している事が分かります。

これは、近年訪日外国人観光客の数が増加し、気軽に日本を訪れる人が増えたためです。腰を据えて日本全国を観光する人の割合が減り、各地の観光名所だけを見ていく人の割合が増えていると思われます。

現在の宿泊日数の分布

訪日米国人観光客の宿泊日数を分布で見ると、3日以内が14.5%、4~6日が32.3%、7~13日が33.6%、14~20日が9.5%、21日以上が10.1%となっています。平成27年の訪日米国人観光客の総数は約103万人でしたので、3日以内の宿泊日数の人が約15万人、4~6日が33万人、7~13日の人が34.6万人、14~20日の人が9.7万人、21日以上の人が10万人いることになります。

宿泊日数別に傾向を分析

平成22年と平成27、28年のデータを比べてみると、宿泊数が14~20日の人、21日以上の人の数は、それぞれ10万人前後で変化していませんが、宿泊数が3日以内の人が3倍、4~6日の人の数が2倍、7~13日の人が1.25倍になっています。

このことから、長期間日本に滞在してじっくりと日本を観光していく人の数は変化せずに、短期間滞在する気軽な観光客が増えていることが分かります。訪日外国人観光客が増えた理由としては、訪日する時にビザの必要がなくなった国が増えたことと円安の影響の2つが考えられます。アメリカも90日以内の観光なら訪日する際にビザの取得が必要ない国ですので、訪日米国人観光客が日本を訪れやすい環境ができていると言えます。

宿泊日数から割り出す観光客の動向

平成27年の訪日米国人観光客の宿泊者数は、約387万人となっています。この数には、同じ人が複数回宿泊した数も含まれており、場所別では、東京都に宿泊した人が164万人、京都に宿泊した人が46万人、大阪に宿泊した人が27万5000人、神奈川に宿泊した人が23万人となっていて、数多くの訪日米国人観光客が日本に滞在していることが分かります。

また、都道府県別に宿泊した人の割合を比較すると、東京:京都:大阪が164:46:27で、おおよそ6:2:1の割合となっています。訪日米国人観光客は、平均して8.8泊日本に滞在していきますから、東京に6泊、京都に2泊、大阪、神奈川に1泊という割合で宿泊する人が多いことが分かります。

また、布団や畳など日本式の風情を楽しめる旅館と、ベッドとシャワーなど落ち着いた気分になることのできるホテルでは、どちらの方に人気があるのかという調査では、訪日米国人観光客の内、ホテルに宿泊した人の割合が83.5%、旅館に宿泊した人の割合が24.2%となっており、日本式の風情を楽しむより、ベッドなどの落ち着いた環境を好むことが分かっています。

まとめ:ここ数年の訪日米国人観光客の増加は、短期間旅行者の増加によるもの

ここ数年で、訪日米国人観光客は増加傾向にありますが、2週間以内の旅行者の数が大多数となっています。訪日米国人旅行者は、アジアからの旅行者と比べると長期間滞在する人が多く、その中で多くの旅行者は、東京を拠点として、京都、大阪、神奈川などを回ります。

長期間の滞在になる場合は、旅館などのように、日本式の施設を楽しむという側面よりも、落ち着きや休息といった役割を重視したホテルの方が好まれるようです。宿泊日数自体は、11.9泊から8.8泊へと減少傾向にありますが、訪日米国人観光客の総数は増加しており、訪日米国人の総宿泊数は平成22年度の865万人から平成27、28年度の906万人へと増加しています。近年の動向が続くのならば、これからも多くの訪日米国人観光客が訪れる事が見込まれることでしょう。

<参考>

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる

訪日米国人観光客インバウンドデータ集

[blogcard url=”https://honichi.com/american-visiting-japan-data]

訪日ラボ セミナー紹介&最新版インバウンド情報まとめ

4月までに学んでおきたい!【基礎から始めるインバウンド対策】 〜ラーチーゴー & ジャパンガイドが教える市場別最新データ〜


4月から観光・インバウンドに関わる仕事に就いたり、関連部署へ異動となり、知識のインプットに追われていませんか?また、より一層事業を推進するために必要な学び直しの機会を設ける担当者も増えてきております。

このセミナーでは、

  • 新担当になって、インバウンドの何から始めたらいいか分からない
  • インバウンド推進が本格化し、改めて情報やノウハウを学び直したい
  • そもそもインバウンドに興味があるが、情報を収集できていない

方にとって必要な基礎情報と、知っておきたい新情報をお届けする機会となっております!

詳しくはこちらをご覧ください。

4月までに学んでおきたい!【基礎から始めるインバウンド対策】 〜ラーチーゴー & ジャパンガイドが教える市場別最新データ〜

【インバウンド情報まとめ 2024年4月】3月訪日外国人数「300万人」突破 他


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、2024年4月版レポートから、3月〜4月のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。
3月訪日外国人数「300万人」突破 / 2月の世界航空需要、コロナ前から完全回復【インバウンド情報まとめ 2024年4月】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる4月から観光・インバウンドに関わる仕事に就いたり、関連部署へ異動となり、知識のインプットに追われていませんか? また、より一層事業を推進するために必要な学び直しの機会を設ける担当者も増えてきております。
このセミナーでは、
新担当になって、インバウンドの何から始めたらいいか分からない
インバウンド推進が本格化し、改めて情報やノウハウを学び直したい
そもそもインバウンドに興味があるが、情報を収集できていない
方にとって必要な基礎情報と、知っておきたい新情報をお届けする機会となっております!
詳しくはこちらをご覧ください。
→4月までに学んでおきたい!【基礎から始めるインバウンド対策】 〜ラーチーゴー & ジャパンガイドが教える市場別最新データ〜

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに