地方自治体&DMOはどうやって大衆点評をインバウンドに活用すべきなのか？
大衆点評（たいしゅうてんぴょう／ダージョンディエンピン）とは中国で最大規模を誇る口コミサイトで、世界中の店舗情報と消費者によるレビューを掲載する口コミ投稿サイトです。 口コミが非常に重要視される中国ですが、大衆点評は2003年4月に中国の美団点評社によりサービスが開始されました。
大衆点評は、レストラン、ショッピング、エンタメ、ホテル、サロン、クリニックなどさまざまな業種を掲載しています。 ユーザー数6億人、日次アクティブユーザー数が5,000万人以上を誇る大衆点評は、訪日外国人旅行客数トップの中国人にとって非常に重要なツールであるといえます。
大衆点評は、地方自治体やDMOにおけるインバウンド対策にも活用できます。地方自治体やDMOは、国内からの観光客だけでなく、インバウンド観光客をどう取り込むかが重要となっています。
地方自治体やDMOは、どうやって大衆点評をインバウンドに活用すべきなのでしょうか？ 地方自治体・DMOで大衆点評を活用した事例を紹介いたします。
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▲生配信の様子：Meituanプレスリリース（PRWire）
香川県観光協会は、訪日中国人の誘致を促すうえで大衆点評を利用しています。 大衆点評は、旅マエ・旅ナカの中国人がよく利用するプラットフォームであるうえ、2021年7月時点で日本旅行に関する情報が300万件以上も寄せられています。
新型コロナウイルスの感染拡大によって海外旅行に制限かかる中でも、香川県が観光協会が大衆点評を運用している理由は、旅行者の興味関心を維持するためです。 国境をまたいだ旅行が1年以上も制限される中、海外旅行に対するモチベーションを維持することはなかなか難しい状況です。しかし、大衆点評を利用して情報を発信しつづけることで、コロナ禍においても観光地の魅力を海外のユーザーに伝えられます。
また、大衆点評は日本の観光地と連携を強めており、積極的なプロモーションを実施しています。ライブ配信、ハッシュタグを活用した話題キャンペーンをはじめ、さまざまな施策で中国人向けの情報発信をサポートしています。
「沖縄観光局」の大衆点評活用事例
▲慢漫海岛，久别“冲”逢：Meituanプレスリリース（PRWire）
2021年3月、沖縄観光局は大衆点評と共同で、参加型イベント「#慢漫海岛，久别“冲”逢」を実施しました。 30人以上の観光に関するプロを選りすぐって、レビューをシェアする企画で、オンラインキャンペーンの一種です。
レビュー1つあたりの閲覧数は2万以上、コメントは200件以上を記録しています。さらに、お得なチケットや特典を配信しており、キャンペーン自体の閲覧数は152万にものぼっています。オンラインキャンペーンでは、ユーザーに過去の沖縄旅行を思い起こさせたり、新型コロナウイルス終息後の沖縄旅行に対する期待をふくらませたりと、さまざまなメリットがあります。
また、オンラインキャンペーンの利点は、将来的なプロモーションの資産としてストックされる点です。キャンペーンが終了しても、プラットフォーム上に掲載されている情報や口コミが削除されることはありません。コロナ禍における観光業界の盛り上げに寄与するだけでなく、アフターコロナの集客にもつながる可能性が高いでしょう。
「沖縄観光局」の大衆点評活用事例
▲「クラウド観光」イベントの様子：Meituanプレスリリース（PRWire）
大衆点評は「クラウド観光」にも力を入れています。 「クラウド観光」とは、ライブ配信や音声ガイドを用いて、在宅ユーザーに旅行体験を提供するコンテンツです。新型コロナウイルスの感染拡大にともない、観光消費が落ち込む中、観光業界を支える需要として注目されています。
香川県観光協会は、大衆点評公式アカウントを通じて、人気インフルエンサーを起用したライブ配信を実施しました。 ライブ配信では、香川県内の観光名所を巡ったり、ライトショーを鑑賞したりと、魅力的なスポットを数多く紹介しています。香川県観光協会が実施した「クラウド観光」イベントは、3万人のユーザーを獲得しました。
2021年3月には、香川県の事例を参考に、徳島県観光協会も「クラウド観光」イベントを実施しています。 香川県と同様、インフルエンサーが徳島県内の秘境や古民家を紹介する構成で組まれており、4万人のユーザーから閲覧されました。 大衆点評の調査によれば、ライブ配信中に多くのユーザーが観光地を「お気に入りリスト」に登録しており、高い興味を示していることがわかっています。
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