"開国報道"後、シンガポールからのアクセス「915%」増 世界最大級の訪日メディアデータから

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

英語で日本を紹介するWebメディアとして、年間で2,000万人以上が訪れるジャパンガイド(japan-guide.com)は、1996年に開設されてから、長期に渡って訪日客の主要な情報ソースとなってきました。

英語サイトとしては、訪日メディアとして国内最大規模になります。

そのジャパンガイドへの海外からのアクセスが、日本の入国上限撤廃(外国人個人旅行客の受入再開)後に非常に大きな変化を見せています。

How to Enter Japan
▲How to Enter Japan:japan-guide.com公式サイト

インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)

コロナ前後でのアクセスの変化についての分析

2022年10月11日に外国からの個人旅行者にも日本の国境が開かれてから、ほぼ1ヶ月が経とうとしています。

東京や京都の主要観光地では、すでに欧米豪圏や香港、シンガポールなどの国からと思われる訪日客の方々が多く見られるようになりました。

2020年の国境閉鎖以降、ジャパンガイドへのアクセス数も大幅に減少していましたが、日本の国境が開くというニュースが世界的に流れた2022年9月23日以降、サイトへのアクセス数が急激に増加しています。

今回は2022年9月23日以降のjapan-guide.comにおけるアクセスを分析し、コロナ前後でのアクセスの変化について分析していきたいと思います。

シンガポールからのアクセスが9倍増 (前年同月比)

図表1は、2022/9/23-2022/10/22と2021/9/23-2021/10/21のサイト全体へのアクセスを比較したものです。

図表1
▲図表1

各国からアクセスが全体的に増加している様子が見受けられますが、アメリカ、イギリス等については、コロナ期間中においても”日本食”、”日本の歴史”、”日本の宗教”などの文化関連ページへのアクセスが一定数発生しており、増加率という観点ではそこまで極端な変化はありませんでした。

一方、シンガポール、タイ、マレーシアといった東南アジアからのアクセスについては、国境再開後により具体的な訪日計画をするユーザーが増えたためか、200%以上の伸び率となりました。

その中でもひと際目を引くのがシンガポールからのアクセスです。

シンガポールにおいては、2021/9/23-2021/10/22のアクセス数(=セッション数)が25,212だったのに対し、2022/9/23-2022/10/22のアクセス数が225,905と実に915%の増加がみられました。

このことについて、シンガポール出身のジャパンガイド専属ライターであるレイナ・オンにヒアリングを行ったところ、下記のようなことが要因として考えられるのではないか、という回答がありました。

シンガポールからのアクセスが急激に増加した要因

  • シンガポール人はもともと訪日意欲の高い人が多く、これまで旅行が制限されていたのが解禁されて旅行を計画する人が急増した
  • 解禁後2週間が経過し、すでに日本を訪れた人などの情報を得て旅行を計画し始めている人が多い
  • 12月の休暇に向けて旅行意欲が高いタイミングと重なった

さらに興味深いのがシンガポールからの人気ページトップ10の変化です。

シンガポールからの人気ページトップ10
▲シンガポールからの人気ページトップ10:2022/9/23-2022/10/22、2021/9/23-2022/10/22 Google Analytics参照

コロナ期間中においては、他国同様、シンガポールにおいても日本の食文化などを学ぶページに多くアクセスがされていました。

それに対し、国境再開後は”Japan Rail Pass”や”Hyperdia”、”新幹線”等具体的に訪日を計画するユーザーに多く閲覧されるページへのアクセスが増加しています。

また、エリアページへのアクセスについて、コロナ前、中においては”東京”、”北海道”など、東日本へのアクセスが多かったのに対し、コロナ後は、”大阪”、”京都”、”名古屋”が人気となっていました。

これについて、前述のシンガポール出身のライターのコメントは以下の通りです。

  • シンガポールから関西国際空港、中部セントレア空港、福岡空港などへの直行便チケットのほうが値段が安い(東京に比べて)
  • マイルの交換できるチケットが東京は人気ですでに完売しているので、大阪や名古屋INでそこから移動する人などが多い傾向にある
  • ジャパンガイドのサイト全体に対して西日本ページにアクセスが多いのもこれが要因と推測できる

また1,2か月後には状況が変わってくるものと推測されますが、コロナ後の傾向を知るうえでのご参考になれば幸いです。

補足情報

■シンガポールから外国への旅行者数

2006年から2019年まで14年連続で増加し、2019年には過去最高の1,071万717人を記録した。

2019年時点のシンガポールの人口は約580万人であり、住民1人につき1年に2回弱の外国旅行をした計算になる。

(2019年JNTO訪日外国人消費動向調査より抜粋)

■シンガポールからの訪日数

2017年には前年比11.7%増の40万4,132人と、初の40万人台に達した。

さらに、2018年に前年比8.2%増の43万7,280人、2019年に前年比12.6%増の49万2,252人と、過去最多を更新した。

(2019年JNTO訪日外国人消費動向調査より抜粋)

japan-guide.comにおける(コロナ前の)シンガポールからのアクセス

年間3,439,004セッション(2019/1/1-2019/12/31)

年間1,484,111ユニークユーザー(2019/1/1-2019/12/31)

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる

【インバウンド本格再開】国・地域別デジタルマーケティング戦略を専門家が解説【11/28無料オンライン】


ついに10月11日から、入国者数の上限撤廃、短期滞在者のビザ免除等が実施され、訪日観光が本格的に再開されました。未だ"完全回復"には至っていないものの、すでに多くの訪日外国人観光客が訪れているところもあり、「インバウンド対策」への関心が急速に高まっています

そこで本セミナーでは、インバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」コンサルティング事業部長であり「世界水準のDMO形成促進事業」における外部専門人材でもある川西と、デジタル×アナログ両面で知見を持つローカルビジネスコンサルタントであり、観光庁 インバウンドの地方誘客促進のための専門家でもある永山卓也氏が対談。

「インバウンド本格再開」の今、知っておくべき国・地域別のデジタルマーケティング戦略を徹底解説します!

セミナーに申し込む(無料)

※店舗事業者以外の方の申し込みはこちら

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに