文化庁は10月31日、ユネスコ(国連教育科学文化機関)に無形文化遺産として申請していた「山・鉾(ほこ)・屋台行事」が、登録勧告されたことを発表しました。11月28日から12月2日にエチオピアで開催される第11回無形文化遺産保護条約政府間委員会において最終決定が行われますが、無形文化遺産入りはほぼ確実と見られています。
さて、「山・鉾・屋台」にはどのような文化価値があり、日本のどこにあるのでしょうか。日本各地の文化をまとめて申請しているため、少々知識の必要な内容になっています。分かりやすく解説していきましょう。
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「山・鉾・屋台行事」とは?:文化的に価値を持つ日本各地のお祭りをグループ化
「山・鉾・屋台行事」とは地域社会の安泰や災厄防除を願い、地域の人々が行う祭礼行事や伝承などのこと。山や鉾などは木や金属、漆をはじめとした自然環境に優しい材料を使った伝統的な工芸技術によって作られ、地域の人々によって華やかに飾りつけられます。その技術は文化的に重要な意味を持ち、現代まで継承されています。また、地域の人々は祭礼で披露される芸能や口承の準備、練習を毎年行っています。これにより、世代を超えた対話が行われ、地域コミュニティを結びつけるはたらきも持っているといいます。
難しく言うと以上のような内容ですが、もっと簡単に言えば「お祭りに登場し、古くから受け継がれてきたパフォーマンスや道具」のこと。お祭りを通じて、地域の歴史に触れたり、年齢を超えた友人や知り合いができた経験がある人は多いのではないでしょうか。そのような取り組みを無形文化遺産というかたちで価値を認め、未来に残そうというわけですね。
対象となる行事は全国で33種類
該当するのは以下全国33の行事。北海道や沖縄県などを除く全国各地の行事が対象となっています。また、タイのヒット映画「タイムライン」でも取り上げられた佐賀県の「唐沢くんち」も対象に入っています。
訪日外国人の年齢によってインバウンド需要は全然違う!年齢別訪問先データから見える訪日観光に求めるものの違い
どの国籍の訪日外国人がどこを訪れているのかを把握することは、インバウンドマーケティングにおいて最重要といっても過言ではありません。訪日ラボにおいても、観光庁が発表する「訪日外国人消費動向調査」平成27年のデータを用いて、国籍別の各都道府県別訪問率をお伝えしました。今月初め、8月5日にNTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が「訪日アジア観光客の東京の街に対するイメージ」調査結果に関するプレスリリースを発表しました。この調査は、同社が運営するインターネットアンケートサー...
- 八戸三社大祭の山車行事(青森県八戸市)
- 角館祭やま行事(秋田県仙北市)
- 土崎神明社祭の曳山行事(秋田県秋田市)
- 花輪祭の屋台行事(秋田県鹿角市)
- 新庄まつりの山車行事(山形県新庄市)
- 日立風流物(茨城県日立市)
- 烏山の山やまあげ行事(栃木県那須烏山市)
- 鹿沼今宮神社祭の屋台行事(栃木県鹿沼市)
- 秩父祭の屋台行事と神楽(埼玉県秩父市)
- 川越氷川祭の山車行事(埼玉県川越市)
- 佐原の山車行事(千葉県香取市)
- 高岡御車山祭の御車山行事(富山県高岡市)
- 魚津のタテモン行事(富山県魚津市)
- 城端神明宮祭の曳山行事(富山県南砺市)
- 青柏祭の曳山行事(石川県七尾市)
- 高山祭の屋台行事(岐阜県高山市)
- 古川祭の起し太鼓・屋台行事(岐阜県飛騨市)
- 大垣祭の行事(岐阜県大垣市)
- 尾張津島天王祭の車楽舟行事(愛知県津島市・愛西市)
- 知立の山車文楽とからくり(愛知県知立市)
- 犬山祭の車山行事(愛知県犬山市)
- 亀崎潮干祭の山車行事(愛知県半田市)
- 須成祭の車楽船行事と神葭流し(愛知県蟹江町)
- 鳥出神社の鯨船行事(三重県四日市市)
- 上野天神祭のダンジリ行事(三重県伊賀市)
- 桑名石取祭の祭車行事(三重県桑名市)
- 長浜曳山祭の曳山行事(滋賀県長浜市)
- 京都祇園祭の山鉾行事(京都府京都市)
- 博多祇園山笠行事(福岡県福岡市)
- 戸畑園大山笠行事(福岡県北九州市)
- 唐津くんちの曳山行事(佐賀県唐津市)
- 八代妙見祭の神幸行事(熊本県八代市)
- 日田祇園の曳山行事(大分県日田市)
ここまで対象となる行事が増えたのは、平成26年9月(2014年)に「京都祇園祭の山鉾行事」及び「日立風流物」に、「秩父祭の屋台行事と神楽」及び「高山祭の屋台行事」などが追加されるかたちで、「山・鉾・屋台行事」というカテゴリーが生まれたため。平成28年(2014年に)ユネスコに申請されましたが、ユネスコの審査できる件数を上回る提案件数があったため、対応が先送りされていました。
今回の登録勧告を受け、松野文部科学大臣は「ユネスコ無形文化遺産保護条約第11回政府間委員会において正式決定される予定であり、評価機関の勧告どおりに代表一覧表に記載されるよう、期待している」と無形文化遺産入りを確実視した談話を発表しています。
まとめ:無形文化遺産入りはほぼ確実!
文化庁は10月31日、ユネスコ(国連教育科学文化機関)に無形文化遺産として申請していた「山・鉾・屋台行事」が、登録勧告されたことを発表。松野文部科学大臣は「ユネスコ無形文化遺産保護条約第11回政府間委員会において正式決定される予定」と無形文化遺産入りを確実視した談話を発表しています。
簡潔に言う「山・鉾・屋台行事」は、全国各地のお祭りやその伝統工芸品、関連技術をグループ化したもので、対象となる行事の数は33にものぼります。
無形文化遺産入りが実現すれば世界的に有名になるとともに、観光資源としてのプロモーションが行いやすくなるため、インバウンドビジネスにも大きな影響を及ぼすものと見られます。
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「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
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