越境ECと言えば中国と思われがちですが、その他のアジア諸国はどうなのか?今回はタイ王国のEC市場についてご紹介します。
物流網の整備、多様な決済方法の整備など、まだまだという部分もありますが、圧倒的なスマートフォン普及率など魅力的な市場となっています。
インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)
タイのEC市場規模
statista.comのデータによると、タイの2016年のEC市場の取引額は29億ドル(※現在の価値で約3,056億円)と予想されており、その他のアジア諸国の中ではインドネシアに次ぐ市場と言えそうです。現在取引されている商品はDVD、CD、ゲーム機、PCなどの製品が中心ですが、今後は衣料品などが伸びていくと言われています。
決済手段はクレジットカード、銀行決済、代引きなどが主流ですが、最近はLINEがタイ国内電子マネー最大手のRabbitと組んだRabbit LINE Payも伸びてきているようです。
タイのインターネットインフラ
タイでは90年台初頭に国営でISP(インターネット・サービス・プロバイダー)主導のもとでインターネット網が整備されていった経緯があり、料金は高めでした。しかし通信事業自由化以降は、業界の再編が進み、料金が安くなっています。
NBTC (国家放送通信委員会)のデータによると、固定ブロードバンド契約数は、2015年第一四半期で585万件となり、世帯普及率は29.9%となっています。一方スマートフォンの人口普及率は139%となっています。
タイの交通インフラ
またタイは都市部での渋滞が深刻な社会問題となっていますが、タイ政府は2022年までに約1兆8000億バーツ(約1兆8000億円)を投資し、物流網の整備を進めていくとしています。
タイで人気のSNSは?
タイではFacebookが圧倒的に人気のSNSとなっており、タイ人口6805万人のうち約3800万人(約56%)が使用しています。日本は国内人口の約18%がFacebookを使用していると言われていますので、普及率の差は圧倒的です。またLINEは日本と同様にポピュラーなメッセンジャーとなっています。
訪日外国人に人気のSNSまとめ:タイ、米国、豪州、英国のアプリストアランキング
先日「訪日外国人に人気のSNSまとめ:中国、台湾、香港、韓国のアプリストアランキング」として、東アジア各国のSNSの人気アプリのランキングをご紹介しました。今回は、その続編として、タイ、米国、豪州、英国のアプリストアでの人気SNSランキングをご紹介します。今回もAppAnnieというアプリストア分析ツールを使って、各国のApp Store(iPhoneアプリのマーケット)とGoogle Play(Androidアプリのマーケット)でのSNS関連アプリTOP5をまとめました。Google ...
タイで人気のECサイト
実際にタイでは人気のECサイトにはどのようなものがあるのでしょうか?139%というスマートフォン普及率からもわかるように、モバイルからの購入がタイのECにおいては今後一層増えていくと言えるでしょう。
lazada(ラザダ)
ドイツのRocket Internet社が運営する、東南アジアでは最大級のショッピングサイト。電化製品などのほか、ファション、スポーツ用品も取り扱う。マレーシア、シンガポール、タイ、インドネシア、ベトナム、シンガポールでもサービスを展開。モール・マーケット型で、Amazonのようなサイトと考えるとわかりやすいでしょう。
WeloveShopping
大手通信キャリアTrue Corpが運営。モール型のサイトで、We Trustという決済方法が特徴です。これは購入者の支払い後に、販売者側への支払い金額をWeloveShopping側が7日間預かるというもので、この間の返品や返金に対応出来る仕組みとなっています。
Tarad
こちらもモール形式のECサイトです。2009年楽天が株式の67%を取得しています。ファッションや家電化粧品が中心となってます。
ZALORA
ドイツのRocket Internet社運営するファッションECサイト。lazada(ラザダ)同様にマレーシア、シンガポール、タイ、インドネシア、ベトナム、シンガポールでもサービスを展開。独自ブランドなどもラインナップしている。
Luxola
コスメ商品を中心に扱うECサイト。運営元のLuxolaはシンガポールの企業で、トランスコスモス株式会社、GREEベンチャーズなどが出資をしています。
まとめ
タイは親日家の方が多く、日本のアニメ、漫画などの影響も根強い国です。そういった意味だけでなく、Facebook、LINEユーザーが多いことからマーケティングの効果が出やすく、近年はLINEが展開するRabbit LINE Payなど新しい決済手段も徐々に増えて来ている魅力ある市場と言えるでしょう。
<参考>
- 越境EC・海外WEB.com「越境EC − タイのトップECサイト」
- statista「Retail e-commerce sales in select countries in Asia Pacific in 2016 (in billion U.S. dollars)」
- ecommerce IQ「Top Ecommerce Sites and Apps in Thailand」
- JETRO「平成 27 年度 タイにおける情報通信・IT 事情に関する調査」
訪日ラボ セミナー紹介&最新版インバウンド情報まとめ
「稼ぐ観光・地域活性化」のヒントがわかるセミナーが目白押し!
RX Japan株式会社は、2024年5月8日〜10日に東京ビックサイトにて、「観光業/宿泊業」「ツーリズム」に関わるBtoB商談展「国際ツーリズムトレードショー」(iTT)を開催します。
この構成展である「観光DX・マーケティングEXPO」と「国際ウェルネスツーリズムEXPO」内では、セミナーが開催されます。
訪日ラボを運営する株式会社movも、「インバウンド×観光DX戦略」のテーマで登壇します!ご興味のある方はぜひご参加ください。
※訪日ラボは、「観光DX・マーケティングEXPO」「国際ウェルネスツーリズムEXPO」の公式メディアパートナーです。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「稼ぐ観光・地域活性化」のヒントがわかるセミナーが目白押し!観光DX・マーケティングEXPO / 国際ウェルネスツーリズムEXPOセミナーのご紹介
【インバウンド情報まとめ 2024年4月】3月訪日外国人数「300万人」突破 他
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、2024年4月版レポートから、3月〜4月のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。
最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!
本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→3月訪日外国人数「300万人」突破 / 2月の世界航空需要、コロナ前から完全回復【インバウンド情報まとめ 2024年4月】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!
→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる4月から観光・インバウンドに関わる仕事に就いたり、関連部署へ異動となり、知識のインプットに追われていませんか? また、より一層事業を推進するために必要な学び直しの機会を設ける担当者も増えてきております。
このセミナーでは、
新担当になって、インバウンドの何から始めたらいいか分からない
インバウンド推進が本格化し、改めて情報やノウハウを学び直したい
そもそもインバウンドに興味があるが、情報を収集できていない
方にとって必要な基礎情報と、知っておきたい新情報をお届けする機会となっております!
詳しくはこちらをご覧ください。
→4月までに学んでおきたい!【基礎から始めるインバウンド対策】 〜ラーチーゴー & ジャパンガイドが教える市場別最新データ〜