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パナソニックが発売しているちょっと変わった翻訳機「メガホンヤク」をご存知でしょうか。拡声器にそっくりのデザインを施した商品で、名称は「メガホン」「翻訳」をかけたユーモアから採用されたと思われます。

ご存知の通り、翻訳機能を持ったデバイス自体は珍しくありません。コンピューターを使った機械翻訳の発想自体は20世紀半ばごろから存在し、現在はAIを使った翻訳システムまで登場しています。精度の問題はあるものの、スマホアプリやブラウザで外国語に置き換えた音声を再生する無料サービスも少なくありません。

しかし、「メガホンヤク」はアニメ「ドラえもん」に登場する未来の道具「ほんやくコンニャク」を連想させることから国内外で注目を集めたり、東京メトロ、成田空港などで採用されたりと、登場以来たびたびニュースになっています。使用場面が限られている翻訳機の世界では、知名度の高いヒット商品といえるのではないでしょうか。

 

メガホンヤクの特徴はなんといっても、分かりやすさ!

「メガホンヤク」の特徴はなんといってもシンプルなデザインで、ユーザーにとって分かりやすいデバイスだということ。翻訳機ながら拡声機としての機能を持っているのですが、そのことはメガホンそのものとしか言えないデザインから一目で分かります。

主な用途としては以下のような1対多のコミュニケーション場面を想定。拡声機の使い方とまるで変わりません。

  • 鉄道、空港、バスといった公共交通機関で、利用者に運行状況を伝える
  • イベント会場での案内、誘導
  • 事故、災害時の避難誘導

持ち手部分にはボタンが2つ付いており、その片方を押して日本語の音声を入力した後、もう片方を押すと英語、中国語、韓国語に置き換えて再生する仕組み。片手で操作することができることだけでなく、機械に疎い方でも直感的に理解できるメリットもあるのではないでしょうか。

 

どうして昭和風のレトロなデザイン、「メガホンヤク」というダジャレを採用?

日本のIT企業・ログバーが開発し、ハワイ各所で導入が進められている翻訳機「ili(イリー)」が手の平に収まるほど大きさであることを考えると、「メガホンヤク」ももっとコンパクトなデザインにすることは可能だったと思われます。そのほうが軽くすることができ、使い勝手も良かったはずです。

それでもあえて拡声機らしい見た目にしたのは「翻訳機という見慣れないアイテムを幅広いユーザーに使ってもらおう」という意図があるからではないでしょうか。「メガホンヤク」はその性質上、BtoCではないことは明らかです。たくさんの外国人に対して、日常的に大声で話しかけなくてはならない人はそうそういません。

しかし、イベント会場や交通機関では確実にこのような状況が存在します。導入するのは主に個人ではなく、一部業界の企業ということになります。利用契約も36ヶ月間と長く、原則的に5台以上契約する必要があります。

利用する企業側からすると、そこで働く従業員全員がスムーズに利用できるほうが好都合です。「ITデバイスに慣れている若手はすぐに使い方を覚えたが、40代以上はさっぱり……」「時間を割いて、使い方を説明しなければならない」というような事態が発生すると面倒ですし、人的なコストもかかってしまいます。

このような理由から「メガホンヤク」は企業での導入を前提にしていたからこそ、あえて昭和の電気機器を連想させるレトロなデザインが採用されたのだと思われます。

その一方で、クラウドサービスを使って定型文を登録し再生する機能などが搭載されており、ユーザーが利便性を向上させていくこともできます。誰でも使える間口の広さだけでなく、用途に合わせて深く使いこなせる拡張性の高さも追求しているのです。

 

まとめ:インバウンド需要を受け、盛り上がりを見せる翻訳業界のヒット商品

「メガホンヤク」は東京メトロや成田空港で導入されることが決定しています。増加を続ける訪日外国人観光客に対応するためのアイテムとして評価を得ることに成功しているのでしょう。

少し不思議なのは、この情報をライトな情報を扱うニュースサイトなどが”変わった商品情報”のような感じで取り上げていること。拡声機そのものの見た目、「メガホンヤク」という名称などのおもしろさ、その一方で翻訳機としてしっかり使えるミスマッチ感から「ドラえもん」の「ほんやくコンニャク」みたいだと話題になったことがあり、知名度が高いためでしょう。
これらの商品特徴は、企業向けに誰でも使える分かりやすさをアピールしようとした結果と考えるのが自然でしょう。話題になっているのはおそらく副次的な効果でしかありませんが……ここまで狙っていたとしたら、すさまじいマーケティングスキルですね。

 

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