日本政府観光局(JNTO)の訪日外客統計によれば、訪日外国人観光客が日本に最も多く訪れているのは毎年7月で、その他にも4月、10月、12月に訪日外国人観光客数が増加し、下がっていくという傾向があることがわかります。
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直近5年の10月の訪日外客数推移
2016年10月の訪日外客数は、前年同月比で16.7%の成長となり、4月、7月と同様に過去最高となる2,135,900人となっています。また、これまでの単月過去最高である2016年7月の2,296,500人に続き、単月の訪日外客数で2位となりました。

こうした訪日外国人観光客の増加について、日本政府観光局(JNTO)は、中華人民共和国(10/1)および台湾(10/10)の祝日である国慶節や学校の休暇、クルーズの寄港増加や航空路線の拡大、増便、日本国内での国際会議やイベントなどの影響によるものとしています。それでは実際に10月に訪日外国人観光客は何を目当てに訪日旅行をしているのでしょうか?
日本の紅葉

日本の秋の行楽として有名な紅葉ですが、訪日外国人観光客にとって日本の燃えるような赤、黄色の鮮やかな紅葉は大変人気があります。特に訪日外国人に人気が高いのが大自然の中で紅葉が楽しめる立山黒部アルペンルート、圓光寺、貴船神社などの名所が多い京都、関東地方では東京の新宿御苑、青山のイチョウ並木などです。
秋祭り
7月と同様に秋も日本各地で様々な祭りが催されます。その中で代表的な物を見ていきましょう。
京都 時代祭

葵祭、祇園祭とともに京都三大祭の一つです。笛や太古を先頭に、約2000名、2kmに渡る時代行列を楽しむ事が出来ます。祭儀は10月15日の参役宜状授与祭、21日の前日祭、22日の神幸祭、行在所祭、還幸祭、23日の後日祭で、メインイベントとなるのが22日の時代風俗行列です。
京都 鞍馬の火祭

京都三大奇祭の一つで、集落各所に焚かれたかがり火の中を、氏子が松明を持って練り歩いて神社山門を目指すもので、祭事は毎年10月22日(時代祭と同日)の夜に行われます。交通アクセスが良いとは言えない場所で開催される祭りですが、その迫力に魅力を感じている訪日外国人観光客が多いようです。
東京 靖国神社 秋の例大祭

靖国神社では春と秋に例大祭と呼ばれる行事が執り行われます。枚取り17日から4日間に渡って行われ、天皇陛下の勅使から供え物が献じられるほか、献茶式、美しい菊が展示される奉納菊花展、美しい生花が展示される特別献華展、的を歩射で射る草鹿式などが開催されます。訪日外国人観光客にとっても歴史的な重みのある神社という事で人気が高く、太平洋戦争(大東亜戦争)の展示物が収められた遊就館も人気スポットとなっています。
長崎 長崎くんち

国の重要無形民俗文化財に指定されています。奉納踊と呼ばれる、ポルトガル、オランダ、中国などの影響を感じさせる踊りなどが有名で、毎年10月7日から3日間行われる長崎県長崎市の諏訪神社の祭礼です。くんちの語源は、旧暦の9月9日を祝う中国の風習が伝わり、9日の読み方がなまったものとされています。
埼玉 川越まつり

ユネスコ無形文化遺産に登録されています。江戸「天下祭」を今に再現した山車行が有名で、小江戸川越の蔵造りの町並みを、何台もの山車が行き交います。最大の見どころは向かい合った山車が、囃子(笛、太鼓、鉦、踊り)で競いあう曳っかわせと呼ばれるものです。その歴史は大変古く、慶安元年(1648)に始まった神幸祭が起源とされています。
ハロウィンパレード

日本でもすっかり定着したハロウィンは、「仮想してパレードを行う」という日本独自の発展を遂げました。中でも国内最大規模のハロウィンパレードとして知られるのが川崎ハロウィンで、コスプレなどをした3000名ほどの参加者が、JR川崎駅東口付近を1.5kmほど練り歩くものです。その他にも訪日外国人観光客に人気の高い渋谷、六本木でのハロウィンも知名度が高まっています。
モータースポーツ

近年は東南アジアを中心にモータースポーツの人気が高まっており、日本人にはあまり知られていませんが、世界最高峰のカーレースであるF1世界選手権、そして世界最高峰のバイクレースであるMotoGP世界選手権の日本戦が、2016年には10月に1週違いで開催されていました。
<参考>
- JNTO: 訪日外客数(2016 年 10 月推計値)
- 長崎伝統芸能振興会:長崎くんちとは
- 立山黒部アルペンルート オフィシャルガイド
- 靖国神社:秋季例大祭
- 京都市観光協会:時代祭
- 川越まつり公式サイト
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