年々増え続ける訪日外国人観光客に伴い、2020年の東京オリンピックに向け、政府は観光ビジョンの中で、訪日外国人観光客数の目標を4000万人まで引き上げました。
近年、日本国内では官民一体となって、訪日外国人観光客の受け入れ環境の整備に取り組んでいますが、未だインバウンド受け入れには課題も多いのも事実。
観光庁から2016年1月12日にリリースされた「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関する現状調査」では、訪日外国人観光客が「旅行中に困ったこと」に関してのアンケート調査結果が取り上げられています。
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「最も困ったこと」として全体の30%が「無料公衆無線LAN環境」と回答:空港の無料Wi-Fi整備を求める声も多数
観光庁が訪日外国人観光客を対象に行った同調査によると、「訪日旅行中最も困ったこと」との質問に対し、全体の約30%が「無料Wi-Fiの整備の遅れ」と回答しています。
約20%を占める「コミュニケーションがとれないこと」を除いた他の選択肢のほとんどが一桁のパーセンテージで落ち着く中、無料Wi-Fiの整備に関してはとても高い数値になっています。
また、同調査の「無料Wi-Fiが利用できると便利な場所」との質問には「空港」との回答が81.1%ともっとも高い数値に。
この2つのデータから読み取れるのは、多くの訪日外国人観光客が日本国内でのWi-Fi環境の整備を望んでいるということです。また、同資料では「空港」での環境に関して「利用手続きが煩雑」「回線速度が遅い」などの声も見られ、空港での簡便な無料Wi-Fi環境整備にもニーズがあることがわかります。
このような背景をもとに、株式会社ビジョンでは国内のWi-Fi環境整備に向けた新たなサービスを開始しています。
株式会社ビジョンWi-fiルーターレンタル用セルフレジ端末「Smart Entry」を空港に導入
東京都新宿区に位置する情報通信サービスを提供する会社「株式会社ビジョン」(以下、ビジョン)は、訪日外国人観光客向けWi-Fiルーターレンタルサービス「NINJA WiFi」を提供しています。
今回、ビジョンは「NINJA WiFi」の当日申し込みにおいて多言語対応・決済機能を盛り込んだセルフレジ「Smart Entry」(以下、スマートエントリー)を導入します。
スマートエントリー:特徴は「手続きの簡略化」「6言語対応」訪日外国人観光客にとってストレスフリーな手続きが可能に
利用方法は
- スマートエントリー上でパスポート、クレジットカード情報の入力
- 入力完了後にレシートが印刷される
- レシートをカウンターに持っていき「NINJA WiFi」の受け取り
となっており、インバウンド向けWi-Fiルーター「NINJA WiFi」の当日レンタル手続きが簡単になりました。
以前であれば、訪日外国人観光客がWi-Fiルーターのレンタルに申し込む場合、対人の手続きが必要でした。しかし、言語の壁等から訪日外国人観光客にとってハードルが高いこともしばしば。
しかし、セルフレジであるスマートエントリーの使用によって、すべてが専用端末で済んでしまうため、訪日外国人観光客にとってストレスフリーなWi-Fiルーターの申し込みが実現。待ち時間もないため、訪日外国人観光客は、申し込みしてからすぐにWi-Fiの利用が可能になります。
現段階で、日本・英語・繁体字・簡体字・韓国語・スペイン語の6言語に対応しています。対応言語に関しては順次拡張していくとのこと。
11月より「グローバルWiFi羽田空港カウンター」で設置開始
スマートエントリーは、2016年11月より、羽田空港・国際線ターミナル到着ロビー2階の「グローバルWiFiカウンター」に設置されます。
ビジョンではこれまでも空港カウンターや、観光案内所において、インバウンド向けWi-Fiルーターのレンタル、受け渡しサービスを行ってきました。今回のスマートエントリー導入は、これまでのノウハウと顧客の声をもとに開始されたとのこと。
まとめ:「スマートエントリー」の導入で訪日外国人観光客は手軽に有料Wi-fiルーター申し込みが可能に:Wi-Fi環境整備の促進と関連会社のインバウンド収益増加が実現
冒頭でご紹介したように、訪日外国人観光客は日本の無料Wi-Fi普及率に不満をもっています。
今回ご紹介したWi-Fiルーターレンタル時におけるセルフレジスマートエントリーのようなサービスの普及が進めば、一定数の訪日外国人観光客は、無料Wi-Fiを探すのではなく、有料でも快適なルーターをレンタルする方向に流れることが予測されます。これは、結果的にWi-Fi環境整備を促進します。
それと同時に、Wi-Fiルーターの提供を行う企業にとっても、インバウンド収益が期待できることから、訪日外国人観光客にも企業にもWin-Winの関係といえるでしょう。
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