タイ・バンコクでは「非常事態宣言」エイプリルフールの悪ふざけは罰金、深夜外出禁止令もスタート

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タイでは3月26日に非常事態宣言が発令され、現在は海外からの渡航は禁止となっています。

現在も、学校や会社、飲食店の店内飲食ややフィットネスジムなど、多くの民間施設が閉鎖しています。

多くの日本人が帰国を決断する中、在留組は日本国大使館からの報告を逐次確認し、その情報を頼りに仕事や生活を組み立てている状況です。


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営業中の店舗は?医療機関は?

市民の多くは自宅待機で生活していますが、建設現場などの肉体労働者、そして飲食店やスーパーで働く人はいつも通り稼働しています。

また、薬局や医療機関も普段通り営業をしており、日本人が多く利用するバンコク市内の病院・サミティベート病院では、院内感染を防ぐための体制が完備されているようです。どのような症状が出たら病院にかかったほうがいいかといった詳細情報を、オンラインで公開しているだけでなく、内容も頻繁にアップデートされています。

今のところ医療現場での混乱は日本人向けにはほとんど伝わってこない状況です。

「非常事態宣言」が出されるも、死亡者数は19名にとどまる状況

タイでは日本より先んじて非常事態宣言が出されています。

非常事態宣言が出されてはいるものの、新型コロナウイルスによる死亡者は19人、感染者で入院中の人は1,378人、治癒し退院した人581人、合計1,978人うち外国人は5.7%(4月3日現在・タイ保健省)となっています。

ニューヨークのような感染者の爆発的増加による混乱は今のところ起こっていませんが、非常事態宣言の禁止事項は日々強化されています。

4月3日からは、午後10時~午前4時の外出を禁じられ、違反者には最大2年の禁錮か4万バーツ(約13万円)の罰金、またはその両方を科されることとなりました。

筆者はもともとその時間帯に出歩くことが少ないため、街の状況ははっきりと伝えられませんが、治安の悪化が懸念されるなかこの禁止令に効果は期待できます。

新型コロナウイルスへのタイ政府の「徹底的」対策

4月1日、日本政府がマスクを一家庭に二枚配ると発表したその前日、タイ政府は「新型コロナウイルスをネタにエイプリールフールの発言をオンラインで公開した人を処罰の対象とする。懲役もしくは罰金またはその両方」と発表しました。

それほどに今、タイ国内で流通している情報はデマが多いことが伺えるとともに、インターネットによって人々が情報を得ているということも表す警告とみて取れます。

これまでタイ政府は、様々な新型コロナウイルス対策を実施してきました。外国人在住者の我々からしてみると少々「カルチャーショック」を受ける対策もあります。

1. 繁華街に消毒液…市民は安心?

非常事態宣言が出された直前の3月19日未明、繁華街に消毒液をまくという施策がとられたと報じられました。

小規模な消毒液の散布自体は、バンコクの公衆衛生の条例で取り決めがあるようで、普段から頻繁にみられるのですが、大きなタンク車と人海戦術で一斉にそれらが行われたのは初めて目にしました。

そのような備品を軍が有していて有事の際即座に稼働するスピード感にも驚きましたが、新型コロナウイルスのように未知の病原菌が繁殖する条件のうち「人から人への直接感染以外の可能性」に対して、タイ政府が真摯に向き合っている姿勢を示しているともいえます。消毒液散布は、市民の安心感を向上させたといえるでしょう。

2. 空中から消毒液を散布!

また、時を同じくして空中から消毒液をまくという施策もとられました。これも上記の条件付け「新型コロナウイルスの人から人への直接感染以外の可能性」に対してのタイ政府の動きのひとつです。

外国人在住者の我々からすると、一見単なるおまじないか気休めのように見えなくもありません。「空気中の病原菌を空中散布でどうにかなると思うそのココロは何か?」という声が、国内外から聞こえてきそうです。

しかし、タイ政府がこれを大真面目にやっているだろうことも筆者には想像できるのです。

第二次世界大戦後、タイ王国は国力を回復するため国内の渇水対策に力を注いできました。稲作を中心とする農業に水不足は深刻な問題です。国費を使って、渇水対策の空中散布チームが結成され、日夜研究が行われ続けているのです。

その名も「Royal rainmaking Project」です。


このチームは実際に水を降らせる実験のみならず、大気中に窒素や硫黄などの化学物質を散布して雨雲を人工的に作り、降雨を促すという実験にも成功しています。

筆者にとっても、そしておそらくほとんどのタイ市民にとっても人工降雨の研究成果はとても夢がありココロ躍るものでしょう。

そのため新型コロナウイルス対策でタイ政府が行った消毒液の空中散布や繁華街の消毒についても、同じだけの期待感で政府の施策に注視し、感謝しているのではないかと思われるのです。

3. アビガン4万錠を日本から輸入

日本からタイに向けての明るい話題といえば、3月30日に、タイ製薬公社が抗インフルエンザ薬のアビガン4万錠を日本から購入したことがあげられるでしょう。

各1万8,000錠をバンコク首都圏と地方に供給し、4,000錠はタイ製薬公社が備蓄するとしています。

日本国内でも、アビガンは治療薬として効果が期待されているとの報道があります。タイの医療機関でこの薬が有効活用されることを願っています。 

対策の姿勢をしっかり見せるタイ政府、これからの見通しは?

この先しばらくは、非常事態宣言下での行動制限は続き、外出はほぼなしで生活していく見込みです。

日本人学校も依然新学期を迎えることができる日にちを明らかにしていませんが、教科書配布を今月16日から、またWeb授業も5月から開始していく見込みであると発表がありました。在留組の保護者は目途が立ち、束の間胸をなでおろしている状態でしょう。

一方、タイ国内で働く地元の労働者について、さまざまな議論が起こっています。

例えば外出を余儀なくされている肉体労働など現場仕事の人に対して「彼らに人権はあるのか」などと地元の新聞社は問題提起をしています。市民がお互いの生活に関心を払い、支え合うための仕組みもある程度機能しているようにもみえます。

もちろん、タイ市民に対して行われた補助金の申請において申込者が殺到しキャンセル待ちが相次ぐなど、うまく機能していない部分もあります。

しかし、肝心の新型コロナに対する施策は水際でしっかり防げているようです。また市民にそれを実感させることにも成功しているといえるでしょう。

非常事態宣言がとかれる日が予想しているより早く来るのではないかと心待ちにしています。

<参照>

Bangkok Posts:Army disinfects Bangkok roads nightly

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この記事の筆者

平澤晴花

平澤晴花

バンコク在住フリー記者。80年新潟生まれ大学生時代は京都。高校時代にカリフォルニア州に留学経験あり。業界新聞、広告、福祉教育系オウンドメディアなどを経験。市場と料理が好きです。

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