世界各地でワクチン接種が急速に進展、タイやスペインでは観光客受け入れの動きも【新型コロナ海外まとめ・6月】

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新型コロナウイルスの感染拡大はいまだ収束のめどがたたず、210を超える国・地域で感染が報告されています。

5月26日のロイターの集計によれば、新型コロナウイルスの感染者数は世界全体で1億6,845万人を超え、死者は364万229人にのぼっています。

新型コロナウイルスのワクチン接種は、世界各国で着々と進んでいますが、ワクチンの入手状況に応じて、接種対象の選定やスケジュールには差が生じています。

5月11日、国連経済社会局(UN DESA)は、2021年の世界の経済成長率(実質GDP伸び率)を5.4%、2022年を4.1%と発表しました。

世界各地でのワクチン接種の急速な進展を背景に、前回2021年1月の見通しと比較して、それぞれ0.7%ポイントずつ上方修正しました。

この記事では、5月1日から5月31日ごろまでの世界各国の動きについてまとめてご紹介します。

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【アジア】タイ・プーケットで観光再開の動き、香港=シンガポールのトラベルバブル延期

アジア圏の新型コロナウイルスに関する動向を紹介します。

4月28日、アジア開発銀行(ADB)は2021年版アジア経済見通しを発表しました。

アジアの新興国地域の2021年の経済成長率を、前回2020年12月の発表時より0.5ポイント引き上げ、7.3%とする予測を発表し、2022年の成長率については5.3%と予測しました。

日本 緊急事態宣言を6月20日まで延長、水際対策強化も

5月28日、日本政府は、東京都など9都道府県の緊急事態宣言を6月20日まで延長することを決定しました。

5月31日を期限にまん延防止等重点措置の対象とされている千葉県、埼玉県、神奈川県、三重県、岐阜県も、6月20日まで期限が延長されました。

5月18日、日本政府は、インドで確認された変異株指定国・地域として、バングラデシュを追加し、水際措置を強化すると発表しました。

5月25日には、さらにバングラデシュを含む6か国(インド、ネパール、パキスタン、バングラデシュ、モルディブ、スリランカ)に対し、日本入国時の追加措置を実施すると発表しました。

5月27日から、6か国からの在留資格保持者の再入国は、当分の間原則として拒否されるほか、5月28日からは6か国からのすべての入国者と帰国者について指定場所での10日間の待機と、複数回の新型コロナウイルス検査が必要となります。

韓国 ワクチン接種率10%超、防疫対策レベルを3週間延長

韓国では新型コロナウイルス感染有無を調べられるセルフ検査キットの販売が広がり、5月初旬からスーパーやドラッグストアでも販売が始まっています。

このキットは、自分で鼻から検体を採取して検査し、15~20分程度で結果が分かるというものです。

5月21日、韓国の中央災難(災害)安全対策本部は、新型コロナウイルスの防疫対策「社会的距離の確保」の現行レベルと、5人以上の私的な集まりの禁止措置について、5月24日から3週間延長すると発表しました。

重篤・重症患者と死者が減少し、医療体制が安定しているものの、ワクチンの接種を円滑に進めるため、防疫規則の緩和は難しいとしています。

また5月28日、韓国政府は、1回目の新型コロナウイルスワクチンの接種を完了した人が累計520万4,000人となったと発表しました。

韓国では2月26日に接種が始まり、開始から91日で、韓国の人口の10%超が1回目の接種を終えたことになります。

台湾 感染急拡大で警戒水準引き上げ

台湾では、5月に入り新型コロナウイルスの感染が急拡大しており、背景にはイギリス型変異株の影響があるとみられています。

5月19日、台湾当局は、5日連続で域内感染が100人を超えたことを受けて、域内全域で警戒水準を引き上げ、台湾の居留証を持たない外国人の入国を1か月停止することとしました。

また台湾がこれまでに受け取った新型コロナウイルスのワクチンは30万回分強で、感染急増でワクチンの供給が細っていました。

台湾当局は5月19日、ワクチンの公平な分配のための国際的な枠組み「COVAX」から、英アストロゼネカ製のワクチンを追加で40万回分受け取ると明らかにしました。

香港 シンガポールとのトラベルバブル開始を延期、日本からの入境基準強化

香港政府とシンガポール政府は、4月26日に、2エリア間を一定の条件のもと、到着後の強制隔離なしで往来できる「エア・トラベルバブル」を5月26日から始めると発表していましたが、5月17日に延期を発表しました。

延期は、2020年11月に続き2回目です。

また香港政府は5月13日、新型コロナウイルスの防疫対策について、現行の防疫措置を5月13日から26日までの2週間とすると発表しました。

5月15日時点で、香港で新型コロナウイルスのワクチン接種を完了した人は、1回目が115万3,953人、2回目を終えた人が77万2,213人となっています。

5月17日、香港政府は、海外から香港への入境基準につき、5月21日から日本を「グループC」から「グループB」に変更すると発表しました。

日本で変異株による感染拡大で緊急事態宣言が発出されていることなどによるもので、従来の検疫措置に加えて72時間以内の陰性証明書も必要となりました。

シンガポール 厳格なコロナ制限措置導入

シンガポールでは、数か月にわたり新規感染者ゼロまたは1ケタ台が続いていましたが、市中感染が増加し、チャンギ国際空港などでクラスターが発生するなど感染が拡大しています。

5月14日、シンガポール政府は2020年のロックダウン緩和以降、最も厳格な新型コロナウイルス対策を導入しました。

懇親会を最大2人までとするほか、飲食店での飲食を禁止するなどの措置が、5月16日から6月中旬まで実施されます。

また5月11日から、日本を含む、新型コロナウイルス感染リスクの高い国・地域からの、外国人の就労パス保持者の入国規制を強化しました。

一部の戦略プロジェクトとインフラ工事に必要な外国人労働者を除き、入国の新規申請の受付が停止されます。

マレーシア 感染急増で全国で新たな封鎖措置

マレーシアでは新型コロナウイルスの感染者数が急増しており、ムヒディン首相が1月に宣言した緊急宣言が継続されています。

5月10日、マレーシア政府は、感染第3波に直面しているとして、州・地区をまたいだ移動や懇親会の禁止、教育機関の封鎖など、新たな封鎖措置を全国で導入し、6月7日まで続けるとしました。

また4月29日、在日マレーシア大使館は、長期滞在パスを保有して入国する外国人に義務付けられていた、確約書の提出と渡航通知書の取得について、5月1日から不要とすると発表しました。

一方、マレーシア保健省は5月10日付の通達で、新型コロナウイルス変異株確認国として、シンガポールを加えることを発表しました。

保健相は4月29日に、変異株3種が確認された40か国からの渡航者に関して、隔離期間を10日間から14日間に延長すると発表しており、これにシンガポールが加わったかたちです。

ミャンマー インド・バングラデシュからの渡航制限を導入

4月27日、ミャンマー保健・スポーツ省は、インドとバングラデシュから、ミャンマーへの渡航禁止措置を発表しました。

この措置は、東南アジア地域での新型コロナウイルス感染拡大傾向は、インドとバングラデシュでの感染拡大が影響しているとするWHOの発表を根拠としています。

4月30日、ミャンマーの外務省および運輸通信省などは、同日を期限としていた夜間外出禁止や、集会の禁止などの各種制限措置のほか、国際線の乗り入れ禁止や入国ビザの発給停止などの入国制限措置を、5月31日まで延長すると発表しました。

ミャンマーでは医療従事者のボイコット運動などにより、検査の大幅な停滞が続いています。

ベトナム 強制隔離期間を21日間に延長

5月5日、ベトナム保健省は、ベトナムへの入国者への強制隔離期間を、これまでの14日間から21日間に延長すると発表しました。

ベトナムでは、市中感染が1月下旬以降に増加していましたが、3月には収束していました。

しかし4月末以降、14日間の強制隔離を終えた入国者から、新型コロナウイルスへの感染が相次いで確認されたため、対応が強化されたものです。

タイ 非常事態期間を7月末まで延長、プーケットで7月から観光客受け入れ

5月25日、タイ政府は新型コロナウイルス感染拡大防止対策の非常事態期間を2か月延長し、7月末までとすると決定しました。

国内の重症患者が増加していることや、7月24日~28日の大型連休を控えて県を越えて移動する人が増加することなどを懸念したもので、2020年3月の発令以来、12回目の延長措置となります。

また在日タイ大使館は4月30日、5月6日以降、すべての国・地域からのタイへの入国者に対して、タイ国内における隔離期間を原則14日間に変更すると発表しました。

日本など一部の国からの入国者については、隔離期間が10日間に短縮されていました。

さらにタイ外務省は、パキスタンからの渡航者からインド型の変異株が検出されたことを受けて、5月10日、パキスタン・バングラデシュ・ネパールからの入国を実質的に禁止しました。

一方で観光客受け入れ再開に向けた動きも進んでおり、タイのプラユット首相は5月7日に行われたスピーチで、7月からプーケットに限定して外国人旅行者を受け入れることを改めて明らかにしました。

タイ南部プーケット県は、新型コロナウイルスワクチンの接種を加速し、ワクチン接種済みの外国人旅行者を検疫隔離免除で受け入れる実証試験「観光サンドボックス」を7月1日に開始し、住民の70%への接種を目指す予定です。

バングラデシュ ロックダウン再延長も一部規制は緩和

5月23日、バングラデシュ政府は、現行のロックダウンとそれに伴う規制を5月30日まで再延長すると発表しました。

さらに飲食店は定員の半数以内の利用数を条件として、店内での食事提供の再開を認めるなど、一部規制の緩和措置も発表しました。

バングラデシュでは、イード休暇(断食明け休暇)後の新型コロナウイルス変異株の感染拡大が懸念されており、予断を許さない状況が続いています。

フィリピン インドなどからの入国禁止を5月末まで延長

5月13日、フィリピン大統領府は、インド、パキスタン、ネパール、バングラデシュ、スリランカの5か国からの渡航者に対する入国禁止措置を、5月31日まで延長することを発表しました。

フィリピンではインド型変異株の感染拡大を懸念し、4月29日からインドからの入国を禁止していました。

一方でフィリピン政府は、5月1日から、有効な査証を有するなどの要件を満たす、日本人を含む外国人の入国を条件付きで再開しました。

インド 感染拡大収束せず、複数州でロックダウンを延長

インドでは、新型コロナウイルスの感染拡大により、複数の州でロックダウンが行われています。

5月30日、ハイデラバードを州都とするインド南部テランガナ州政府は、ロックダウンを6月9日まで延長すると発表しました。

ロックダウンは5月12日に開始されましたが、19日に発表された延長に続き、これが2度目の延長となります。

同州の1日あたり感染者数は、3月中旬から始まった感染第2波以前のレベルには戻っておらず、ロックダウンの継続により感染第2波の完全収束を目指しています。

インド南部タミル・ナドゥ州でも、5月24日までの予定だったロックダウンを、5月31日まで延長しました。

ベンガルールを州都とするインド南部カルナータカ州政府も、4月27日から継続しているロックダウンを6月7日まで延長しています。

【北・南米】米、日本への渡航勧告を最高レベルに引き上げ

北・南米の新型コロナウイルスに関する動向を紹介します。

アメリカ 国務省と米CDCが日本への渡航勧告を最高レベルに引き上げ

バイデン米大統領は4月30日、新型コロナウイルスの変異株対策として、過去14日以内にインド滞在歴のある外国人の入国を停止する大統領布告を発表しました。

また5月4日には、アメリカ国内で7月4日までに成人の70%が少なくとも1回目の新型コロナウイルスワクチンの接種を終え、1億6,000万人の成人の接種完了を目指すと明らかにしました。

ニューヨーク州のクオモ知事は5月3日、新型コロナウイルスの感染者数減少とワクチンの普及にともない、隣接するニュージャージー州とコネティカット州とともに、5月19日から、ほぼすべての事業の収容制限を解除すると発表しました。

翌5月4日には、カリフォルニア州ロサンゼルス郡も、6日からバーの屋内営業の再開を認めるなど、営業制限を緩和すると発表しました。

一方、米国疾病予防管理センター(CDC)は、日本への渡航勧告を最高の「レベル4:(新型コロナウイルスへの感染リスクが)非常に高い(Very High)」に、米国務省も、日本の渡航勧告レベルを4段階中最高の「レベル4:渡航を中止せよ(Do not travel)」に引き上げました。

メキシコ 新型コロナ警戒信号の色を発表、緑の州が半数

5月21日、メキシコ連邦保健省は、5月24日以降に適用される、各州の新型コロナウイルス感染警戒信号の色を発表しました。

全国32州のうち、1州がオレンジ、15州が黄色、16州が緑となり、オレンジが2州減り、緑が2州増えた形で、緑が全体の半数を占めています。

メキシコの警戒信号は、警戒度の高い順に、赤、オレンジ、黄色、緑となっています。

メキシコでは、医療関係者や高齢者などに新型コロナウイルスワクチンの優先接種を進めており、5月20日時点で、人口の13.8%に対して少なくとも1回の接種が完了しています。

チリ ワクチン接種者の移動制限緩和も、国境封鎖措置は延長

5月26日、チリ政府は新型コロナウイルスワクチンの接種を完了した18歳以上の人を対象に、国内の移動制限を緩和する「特別移動許可証」の発行を開始しました。

許可証は政府運営の専用ウェブサイトから取得でき、許可証の所持者は、規制緩和段階の第1段階と第2段階の地域に住んでいても、チリ警察が発行する事前許可なしで外出できます。

第1段階以外の地域では、州を越えての移動も解禁されます。

一方でチリ保健相は、5月24日、5月末を期限としていた国境封鎖措置については、6月15日まで延長すると発表しました。

ワクチン接種の進展を受けて規制緩和が進むなか、政府が想定するより感染者数は減少していないというジレンマが背景にあるとみられます。

アルゼンチン 感染拡大で再び厳格なロックダウンへ

5月20日、アルゼンチンのフェルナンデス大統領は、新型コロナウイルスの国内の感染者・死者数が過去1週間で最多を更新したことを受け、現行の行動制限措置を6月11日まで再延長すると発表しました。

さらにブエノスアイレス首都圏など感染リスクが高い地域では、5月30日まで、より厳格な行動制限措置を講じるとしました。

政府は遅れていたワクチン接種プログラムを加速させており、少なくとも国民全体の18.4%が1回目の接種を、4.7%が完全接種を済ませたとみられます。

【オセアニア】豪がインドからの入国禁止、ワクチン接種進んでも国境は閉鎖

オセアニアの新型コロナウイルスに関する動向を紹介します。

オーストラリア インドからの入国禁止、ワクチン接種進んでも国境は閉鎖の方針

オーストラリア保健相は5月2日までに、コロナ禍が深刻なインドから入国した場合、投獄もあり得るとの厳しい姿勢を示しました。

5月1日に出した声明で、インドに過去14日間以内に滞在した人物は、3日の時点でオーストラリアへの入国を拒まれると発表しており、入国を試みた場合は最大禁錮5年の処罰を下される可能性があると警告しています。

また5月18日、オーストラリアのモリソン首相は、新型コロナウイルスのワクチン接種を完了しても、海外への渡航を許可するのはまだ安全とはいえないとの見解を示しました。

同国は2021年内に約2,600万人の人口のワクチン接種を完了する考えで、国境再開は2022年半ば以降を目指しています。

航空会社や旅行業界など、コロナ流行による打撃を受けている産業からは、早期の国境再開を求める声が出ています。

【ヨーロッパ】イギリスが海外渡航解禁へ、スペインやイタリアで日本からの入国制限解除

ヨーロッパの新型コロナウイルスに関する動向を紹介します。

イギリス 海外渡航解禁へ、各種規制も緩和

イギリスでは各種規制の緩和が進んでいます。

5月7日、イギリス交通省は、海外渡航の再開に向け、イングランドで5月17日から余暇を含む不要不急の海外渡航禁止措置を解除すると発表しました。

あわせて入国後の自主隔離を免除する国のリストも公表し、感染リスクに応じて国・地域が緑・黄・赤で区分けされ、異なる入国規制が設けられます。

日本は、自宅などで10日間の自主隔離などが義務付けられる「黄」に分類され、日本からの入国に関してこれまでと変更はありません。

また5月17日、イングランドは新型コロナウイルス感染拡大に伴うロックダウンの緩和が第3段階に移行し、飲食店の屋内営業や、ホテルなど宿泊施設、カジノなど屋外娯楽施設などが一定の条件で再開されました。

5月30日、英デイリー・テレグラフ紙は、イギリス政府が新型コロナウイルスワクチン接種を証明する「ワクチンパスポート」の導入を取りやめる計画だと報じました。

パスポートをめぐっては、保守党や人権団体などから反対の声が上がっており、ジョンソン首相も4月に倫理面での問題に言及していました。

スペイン 警戒事態宣言解除、日本からの入国制限解除

スペインでは感染状況が感染第3波ピークから大幅に改善し、4月からはワクチン接種が加速し、5月11日時点で初回接種者が全体の29.6%、接種完了者が13.3%にのぼっています。

5月9日、スペインは新型コロナウイルス感染拡大防止のための警戒事態宣言を6か月ぶりに解除し、州をまたぐ移動が全国的に可能となりました。

またスペイン政府は、不要不急の入国制限解除国リストを改定し、5月24日に、日本からの入国制限を約4か月ぶりに解除しました。

観光や出張目的の入国が再び解禁され、入国時のPCR検査の陰性証明書の提出は不要となります。

5月21日、スペインのサンチェス首相は、6月7日から新型コロナウイルスのワクチンを接種済みの観光客を受け入れる方針を明らかにしており、今後夏のバカンス期に向けたインバウンド集客が本格化していく見込みです。

フランス 6月末までの段階的規制緩和のスケジュール発表

4月29日、フランスのマクロン大統領は、新型コロナウイルス感染拡大防止対策の規制緩和について、具体的なスケジュールを示しました。

5月3日からの第1段階から、6月末からの最終段階まで、段階的に規制を緩和していく方針です。

最終段階では、夜間外出禁止、公衆を受け入れる全施設での人数制限が解除されるほか、1,000人以上のイベントでは「衛生パス」を提示することにより参加が可能となります。

フランスでは4月30日までに、要介護高齢者滞在施設入居者の99%、70歳以上の69%、60歳以上の60%、18歳以上の30%が、1回目の新型コロナウイルスワクチンの接種を完了しています。

ドイツ ワクチン接種進展で、接種者と回復者の行動制限を一部緩和

ドイツでは、新型コロナウイルスのワクチン接種が2020年12月27日から開始され、5月10日時点で全人口の33.3%が1回目の接種を完了し、接種完了者は9.6%となっています。

ワクチン接種の進展を受け、接種完了者と感染からの回復者を対象にした行動制限を一部緩和する政令を制定し、5月9日に発効しました。

夜間外出制限の適用や、自主隔離義務の適用などが除外されますが、マスク着用義務やソーシャルディスタンスの保持など、衛生措置に関する規定については免除されません。

スイス 新型コロナ対策の緩和戦略を採択、6月末からのコロナ証明書の運用開始目指す

5月12日、スイス連邦参事会(内閣)は、4月に発表した新型コロナウイルス対策の3段階の規制措置の緩和戦略を正式に採択しました。

感染者数や医療体制の面から国内の疫学的状況が改善しつつあるとして、5月末から緩和戦略における「保護フェーズ」から「安定化フェーズ」への移行が可能と判断し、具体的な緩和措置を発表しました。

レストランやカフェの屋内営業の再開などを認めるものですが、ワクチン接種を希望する、高齢者などすべての高リスク者が、新型コロナウイルスのワクチン接種を5月末までに完了していることが移行の条件とされています。

緩和措置案は各州との協議後、5月26日に正式決定され、今後は6月18日に次の規制緩和策を決定する予定です。

また5月7日、スイス連邦保健局は、新型コロナウイルスワクチンを接種済みであることなどを証明する「コロナ証明書」について、6月末から運用を開始する予定だと発表しました。

イタリア 5月中旬に独自グリーンパス導入、日本からの入国制限緩和

5月4日、イタリアのドラギ首相は、新型コロナウイルスワクチン接種を証明する「グリーンパス(ワクチンパスポート)」を5月中旬から独自に発行すると表明しました。

欧州連合(EU)が6月中旬から導入する予定のグリーンパスを待たず、独自にグリーンパスを発行する方針で、外国人観光客に夏にイタリアへ旅行するよう呼びかけました。

またイタリア政府は入国に関する制限措置の変更を発表し、日本はリストDに分類され、5月16日から原則として目的を問わず入国が可能となりました。

日本のほか、カナダやアメリカもリストDに加わっています。

ギリシャ 感染安定化の傾向で、5月の観光再開を視野に

4月21日、ギリシャのミツォタキス首相は、5月15日から観光客の受け入れを再開できるとの見通しを示しました。

新型コロナウイルスの感染が、ワクチン接種の進展により安定の兆候を示してきたとしています。

ただし感染は依然として高止まりしており、伝統的な帰省旅行シーズンである30日からのイースターの週末は旅行すべきでないと言明しました。

ベルギー 飲食店の屋内営業再開など夏の緩和計画を発表

5月11日、ベルギー連邦政府は、新型コロナウイルス感染拡大防止対策の規制緩和として、飲食店の屋内営業や、屋内娯楽施設の再開などを含む「夏の緩和計画」を発表しました。

同計画は6月9日から開始され、コロナ流行以前の生活に戻すための規制緩和が4段階にわたり進められます。

6月9日から始まる第1段階では、一定の条件下で飲食店の屋内営業が可能となり、映画館やジムなどの屋内施設も再開されます。

全業種の活動再開条件として、既往歴のある人の8割がワクチンを接種することなどをあげており、9月1日の全制限解除を目指して、国民にワクチン接種を呼びかけています。

ハンガリー 免疫証明書保有者は入国時の自主隔離が免除に

4月29日、ハンガリー政府は、ハンガリーの免疫証明書を保有している人は、国外からの帰国または再入国時に求められる10日間の自主隔離義務を免除する政令を公布しました。

さらに、セルビア、モンテネグロ、クロアチアなど、ハンガリー政府と協定を締結する外国政府発行の免疫証明書を保有している人も、同等に自主隔離が免除されます。

EU コロナ電子証明制度インフラ、6月に整う見通し

EUでは、新型コロナウイルスワクチン接種完了を示す電子証明書の導入準備が進んでいます。

5月25日、EUの執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長は、6月1日にはEU域内レベルでのインフラが整う見通しだと明らかにし、EU加盟国は6月半ばをめどに、欧州委員会が設定したシステムに接続できるようになるとされています。

またEU理事会は、5月6日にEU加盟国と欧州自由貿易連合(EFTA)加盟国以外の国からの、不要不急の入域(渡航)制限措置解除の対象国リストを改定し、新たにイスラエルを入域制限解除国に追加しました。

さらに理事会は5月20日、EU域外からの不要不急の入域制限を緩和する勧告を採択しました。

【東欧】ロシアで接種1回のコロナワクチン「スプートニク・ライト」承認

東欧の新型コロナウイルスに関する動向を紹介します。

ロシア 接種1回のコロナワクチン「スプートニク・ライト」承認

5月6日、ロシア当局が、接種が1回で済む新型コロナウイルスワクチン「スプートニク・ライト」の使用を承認したことが明らかになりました。

スプートニク・ライトは、モスクワのガマレヤ研究所が開発し、新型コロナウイルスに対する有効性が79.4%で、1回分のコストは10ドル未満とされています。

輸出向けに割り当てられているため、感染が拡大する国々への供給が進む可能性があります。

ロシアのワクチン輸出は急増しており、ロシア製のワクチン「スプートニクⅤ」は、4月30日時点でロシアを除く63か国・地域で承認されています。

同ワクチンを生産する国も増えており、2021年2月にカザフスタンで量産が開始されて以降、5月にセルビアで、6月にアルゼンチンで本格的な製造開始が予定されています。

ノルウェー 規制緩和進む、「EUデジタルCovid証明書」の導入計画

ノルウェーでは、新型コロナウイルス感染対策の規制緩和が進められています。

首都オスロは、感染率減少とワクチン接種の進展を受けて、5月26日に規制緩和の第2段階に移行し、美術館や劇場など文化・娯楽施設のほか、2021年1月からテイクアウト限定となっていた飲食店などが営業再開を認められました。

オスロなど独自規制を導入していた一部地域を除く全国でも、5月27日から第2段階へ移行し、今後も感染状況などを見つつ、約3週間ごとに緩和が進められていく予定です。

ノルウェーへの入国は、原則ノルウェー人と同国に居住する外国人のみ認められ、不要不急の海外渡航の中止勧告は7月1日まで延長されています。

またノルウェーは非EU加盟国ですが、「EUデジタルCovid証明書」を導入する計画です。

【中東】ドバイ万博の国際参加国会議に173か国がリアル参加

中東の新型コロナウイルスに関する動向を紹介します。

UAE 感染減少で規制緩和、ドバイ万博の国際参加国会議に173か国がリアル参加

5月4日と5日にかけて、2020年ドバイ国際博覧会高等委員会は、万博会場内で、参加国代表者を集めた国際参加国会議をリアル開催し、173か国から370人が参加しました。

また5月17日、UAEのドバイ政府は、新型コロナウイルス感染者数減少を受けて、商業施設の入場制限などの各種規制を緩和しました。

マスク着用やソーシャルディスタンスなどは引き続き義務化されるものの、娯楽関連施設の収容人数を最大収容人数の50%から70%に引き上げるほか、地域でのスポーツイベントの開催などが許可されます。

UAEでの新規感染者数は、4月のラマダン月に入り徐々に減少し、5月17日時点でワクチンの接種回数は人口100人当たり延べ116回となるなど、着実にワクチン接種が進められています。

サウジアラビア ワクチン接種進展で、日本含む11か国の入国禁止措置解除

サウジアラビアは、外国人の入国を停止していた20か国のうち、日本を含む11か国について、5月30日から入国禁止措置を解除し、入国を認めました。

入国を認められた国のうち、アメリカやイギリス、UAEなどでワクチンの接種が進み、サウジアラビア国内でも国民の約4割が少なくとも1回目の接種を完了し接種が進んでいることが解除の背景にあるとみられます。

【アフリカ】南ア、感染拡大で「国家的災害事態」を6月15日まで延長

アフリカの新型コロナウイルスに関する動向を紹介します。

南アフリカ共和国 感染拡大で「国家的災害事態」を6月15日まで延長

南アフリカ共和国の協調統治・伝統業務省は、5月14日付の官報で、15日が期限とされていた災害対処法に基づく「国家的災害事態」を6月15日まで延長すると発表しました。

新型コロナウイルス感染対策を目的とした衛生プロトコルや、違反への罰則を規定するもので、2020年3月に宣言されて以降、延長が繰り返されています。

同国では感染第2波のピークを1月上旬に迎えた後、比較的感染状況が落ち着いていましたが、5月に入り感染が拡大し、インド型とイギリス型の変異株の感染も確認されています。

2月からはジョンソン・エンド・ジョンソン製のワクチン接種が医療従事者から開始され、5月12日時点で約43万人の接種が完了し、今後は60歳以上の高齢者への接種が進められます。

【WHO】欧米製以外で初、中国シノファーム製ワクチンを緊急使用承認

5月7日、WHOは中国国有製薬大手の中国医薬集団(シノファーム)が開発した、新型コロナウイルスワクチンの緊急使用を承認しました。

欧米以外で開発されたコロナワクチンの承認は初めてのことで、WHOがあらゆる感染症に対する中国製ワクチンの緊急使用を承認するのも、これが初となります。

またWHOは5月14日、各国の保健当局が、新型コロナウイルスのワクチンを接種した人にマスク着用義務を免除する場合、各地域の状況を踏まえて慎重に決定する必要があるとの考えを示しました。

この前日、米疾病対策センター(CDC)は、ワクチン接種を完了した人は、屋外と屋内の大半の場所でマスクを着用しなくてもよいとする指針を発表していました。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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