イギリスの市場調査会社ユーロモニターインターナショナルは11月9日、世界の観光産業に関する最新の調査を発表しました。
急速なインフレが進行し、交通や輸送の混乱、原材料価格の高騰など厳しい事業環境が続くなか、多くの観光事業者が値上げに踏み切っています。
インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)
英ユーロモニター、世界の観光産業に関する最新の調査を発表
ユーロモニターインターナショナルは11月9日、「Travel and Hospitality Global Outlook and Innovation Guide(トラベル&ホスピタリティ・グローバル展望&イノベーション・ガイド)」をリリースしました。
急速なインフレ、事業者の56%が「値上げ」実施
この調査は世界の観光産業に関する最新の動向を分析したもので、2022年の海外旅行消費額は、全体で前年比88%増になると予測しています。
いっぽうで旅行事業者から「過去12か月間の旅行ビジネスへの影響」として最も多く挙げられたのは、「インフレ」で全体の6割以上を占めました。
インフレ率は2022年に9%に達し、2023年でも6%になると予測されています。
さらに「交通・輸送の混乱」や「生産・流通コストの高騰」、「原材料価格の高騰」もそれぞれ5割以上にのぼりました。
このような環境の中で競争力を維持するため、調査に回答した旅行事業者のうち56%が2022年に「値上げ」に踏み切っており、24%が後払いなどさまざまな決済方法を検討するなどの対応を行っています。
「テクノロジー」と「サステナビリティ」が重要
ユーロモニターの分析では、今後の観光産業の成長のためのキーとして「テクノロジー」と「サステナビリティ」が強調されています。
テクノロジーに関しては、「今後5年間で旅行ビジネスに影響を与えうる技術」として「ビッグデータ解析」との回答が最多で65%以上を占め、次いで「人工知能(AI)」が49%となり前年調査と同じ項目がランクインしました。
サステナビリティに関しては、旅行の項目としてパッケージツアーやショッピングなどマスマーケット向けの項目が75%と多くの回答者から支持を得ているものの、持続可能性に関する項目を少なくとも1つは選択した消費者が全体の60%以上にのぼりました。
旅行事業者の58%は「顧客はサステナブルな商品やサービスにより多く支払う傾向がある」とも回答しており、よりグリーンな旅行への関心が高まっていることがうかがえます。
また旅行事業者が顧客に受け入れてもらえると考える値上げ幅は、「10%まで」が最多で全体の3割弱を占め、「5%」(25%強)、「値上げ自体が受け入れられない」(25%弱)と続いています。
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる
訪日ラボ セミナー紹介&最新版インバウンド情報まとめ
専門家が徹底議論!地域に眠る観光資源の「磨き上げ」、結局何をしたらいいの?
観光庁は、インバウンドの地方誘客を目的とし、「観光資源の磨き上げ」を推進しています。これに沿って観光コンテンツの造成や発信力強化に取り組みたいと思うものの、「何からやればいいのかわからない」「やってはみたものの、まだ観光客を呼びこめていない」といった悩みを抱えている自治体・企業の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、食体験、ツアー造成、アクティビティ、アドベンチャートラベルなどを専門として第一線で活躍するスペシャリストたちが集結。
「観光資源の磨き上げ」とは何なのか、外国人を惹き付ける観光コンテンツはどう作り、どう発信するべきなのか、徹底議論します!
詳しくはこちらをご覧ください。
→専門家が徹底議論!地域に眠る観光資源の「磨き上げ」、結局何をしたらいいの?
訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.1 〜見逃せないインバウンドの最新情報をお届け〜
訪日外国人の数はすでにコロナ前の水準を超えており、インバウンドの業界はますます盛り上がりをみせています。
目まぐるしく変わるインバウンドの動向。最新情報をしっかりと把握するのが難しくなってきてしまった…と感じている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回から、インバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が解説する「訪日ラボ トレンドLIVE!」シリーズがスタートします!
第一回は5月24日に開催。今月5月のインバウンドトレンド情報や、夏に向けた今後の動向についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
詳しくはこちらをご覧ください。
→訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.1 〜見逃せないインバウンドの最新情報をお届け〜
【インバウンド情報まとめ 2024年5月前半】外国人宿泊者数「中国」がコロナ後初の1位に 他
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、2024年5月前半版レポートから、4月〜5月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。
最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!
本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→岸田首相「2030年に訪日客6,000万人」改めて言及 / 外国人宿泊者数「中国」がコロナ後初の1位に【インバウンド情報まとめ 2024年5月前編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!
<参照>
EUROMONITOR:Travel and Hospitality: Global Outlook and Innovation Guide