訪日外国人観光客の増加から、東京や大阪などの大都市圏、京都など人気観光地では、宿泊施設不足に陥っています。宿泊施設不足を解消するため、民泊やラブホテルを改装して利用する、などの対策が進んでいますが、鉄道会社であるJR東日本グループでは一風変わったインバウンド対策が行われています。

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運行廃止の寝台特急「北斗星」を再利用したホステルを開発:訪日外国人観光客がターゲットに

JR東日本グループによる9月6日のプレスリリースによると、同社は「Train Hostel 北斗星」を開発します。

これは、運行廃止になった寝台特急「北斗星」の2段ベッドや一部パーツを再利用し、内装に盛り込んだホステルです。

ホステルの施設内には、かつて「北斗星」が走っていた東北地方を中心に観光情報を提供するブースを併設。日本らしい寝台特急「北斗星」の疑似体験を通して、東日本方面の旅行喚起をしつつ、訪日外国人観光客をもてなそうというのが「Train Hostel 北斗星」のコンセプトです。

総武快速線の馬喰町駅直結のビルに開業:英語対応や、無料Wi-Fiの導入なども

「Train Hostel 北斗星」は、総武線快速の馬喰町駅4番出入口に直結のビルをリニューアルしてオープンします。「北斗星」の実車パーツを内装に再利用しています。具体的なインバウンド対策としては、

  1. 全スタッフの英語対応
  2. 無料Wi-Fi を導入
  3. ホームページの多言語化(英語、韓国語、中国語)
  4. 大型スーツケース置き場の併設

などが実施されます。

宿泊料金は2,500円/泊~4,000円/泊と安価。オープンは2016年12月中旬頃を予定しています。また、訪日外国人観光客の東日本エリアの旅行需要を促すために、東北地方を中心とした東日本の旅行情報も発信します。

宿泊予約・お問い合わせ:info@trainhostelhokutosei.com

翌年には女性専用のカプセルホテル「神田カプセルホテル」も開業:訪日外国人観光客集客に向け宿泊施設の増設へ

また、同プレスリリースでは、2017年7月(予定)に「神田カプセルホテル」(仮称)をJR神田駅付近にオープンすることも発表されています。女性専用のカプセルホテルで、価格は5,000円程度を予定しています。インバウンド対策として、

  1. 全ての館内サインの日英表記
  2. 受付での英語対応
  3. 無料Wi-Fiの導入
  4. 大型スーツケース預かりサービス
  5. 英語版のホームページ及び予約サイトの開設

などが実施されます。

JR東日本からのこうした宿泊施設開業に関するインバウンド対策。京急電鉄でも、訪日外国人旅行者急増による、宿泊施設不足に対応するための取り組みを行っています。

 

京急電鉄では、「京急EXイン」を人気エリアにオープン:立地の良さを活かし東京五輪までに3,000室のチェーン展開を目指す

京浜急行電鉄株式会社のプレスリリースによると、関連会社である株式会社京急イーエックスインが運営する宿泊特化型ホテルブランド「京急EXイン」を都内人気エリアにもオープンするとのこと。

2016年8月25日には「京急EXイン 東銀座」が新規オープン、続いて同年9月1日には「京急EXイン 高輪」がリニューアルオープンしました。外国語対応に加え、訪日外国人観光客に向け、日本国内の英字新聞「Japan Times」の無料配布も実施しています。

京急電鉄は、2017年までに品川、羽田空港を中心に12館、2,700室、2020年までに3,000室のチェーン展開を目指す予定。羽田空港や品川駅へのアクセスの良さを強みとしたインバウンド対策を行っていきます。

訪日外国人観光客集客のため、宿泊施設の増設を進める鉄道業界。こうした動きの裏には何があるのでしょうか?

 

背景には宿泊施設の不足が:大阪では81.8%、大都市圏+京都で高い客室稼働率

では、「客室稼働率(*)」から、日本の訪日外国人観光客向け宿泊施設の現状を見ていきます。

先日8月31日に、観光庁より宿泊旅行統計調査の6月の第2次速報および7月の第1次速報が発表されました。これは、日本国内における訪日外国人観光客も含めた宿泊関連の統計をまとめているものです。

今回のデータによると、大都市圏の客室稼働率は東京で77.4%、大阪で81.6%になっており、とても高い数値。観光地として人気の京都府では、71.3%。全国平均である57.2%と比較すると訪日外国人観光客に人気の地域では客室稼働率が高いことがわかります。客室稼働率が高いということは、ホテルや旅館など宿泊施設に空きがないことを意味します。より多くの訪日外国人観光客集客のため、宿泊施設を増設することは急務であるといえます。

*客室稼働率:ホテルや旅館などの宿泊施設において、全客室の内、実際に顧客に利用されている客室の割合のこと。

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まとめ:訪日外国人観光客誘致に当たり宿泊施設の増設は急務

JR東日本は、「寝台特急 北斗星」の再利用という「日本文化」を売りに、京急鉄道は、羽田空港や品川駅への「アクセスの良さ」を売りにして、宿泊施設の増設に関するインバウンド対策に取り組んでいます。

これからも増えるとされる訪日外国人観光客数に対処するために、JR東日本や、京急鉄道のような取り組みはこれからも続くことが予測されます。

 

 

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