訪日タイ人観光客の宿泊施設事情:伝統文化を楽しむ旅館派、ショッピング目的のカプセルホテル派

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増加傾向にある訪日タイ人観光客。2016年4月には前月比11.1%増の13万人を記録し、単月では過去最高の数字を記録しました。また、同月の統計では訪日タイ人観光客は国別ランキングで6位につけており、見逃せない市場ともとれます。

さて、そんな訪日タイ人観光客はどのような旅行をするのでしょうか。今回は旅館という視点で見ていきます。

 


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訪日タイ人観光客の宿は、旅館派とカプセルホテル派に分けられる

訪日タイ人観光客の宿泊傾向として、旅館派とカプセルホテル派の二極化があります。安価で長期滞在をしたいグルメやショッピング目的の若い女性訪日タイ人観光客は、カプセルホテルやシェアハウスを好みますが、その一方で日本の伝統文化温泉を好む観光客は旅館に滞在する傾向があります。

訪日タイ人観光客の関心の中心は日本古来のもの

訪日タイ人観光客の関心の中心にあるのは日本古来のものです。訪日タイ人観光客が魅力に感じるものランキングでは、第1位に日本の四季がランクインしており、また第2位、3位、4位はそれぞれ温泉伝統文化日本食となっています。

さきほどショッピングを好む訪日タイ人観光客と日本の伝統文化温泉旅館に興味のある訪日タイ人観光客が二極化していると書きましたが、訪日タイ人観光客はショッピングを好む観光客よりも日本古来のものを好む観光客の方が多いのです。

 

北海道の僻地に殺到する訪日タイ人観光客

北海道に訪日タイ人観光客が殺到する僻地があります。札幌から200km離れた歌登には、毎年2,000人もの訪日タイ人観光客が訪れています。この町は町としてすらも認識されておらず、人口は1万人にも達しません。

2006年に枝幸町と合併し、新たなスタートを切りました。どうして都市部から遠く離れた歌登に訪日タイ人観光客が集まるのでしょうか。

日本を一度で味わいたい訪日タイ人観光客の存在

歌登が、僻地なのにも関わらず年間2000人以上もの訪日タイ人観光客を呼び込めたのには、富裕層の日本を一度で味わいたいというニーズに応えたことがあります。

また、そもそもタイ人からすると北海道は雪が降ったり、日本一寒い地域であることから憧れの土地でもあることが挙げられます。この2つの要素と顧客目線での経営戦略が功を奏し、歌登が訪日タイ人観光客からブランド視されるようになったのです。

 

訪日タイ人観光客は、いかにして情報を手に入れるのか

そんな訪日タイ人観光客は、いかにして情報を手に入れ、いかにして宿泊予約を行うのでしょうか。

まず、タイ人は活字が苦手な傾向があります。ですので、情報の入手はガイドブックでは行わずにインターネット、それも短文が多いインターネット掲示板ですることが多く、口コミ重視のミーハー民族とも言えるかもしれません。また、旅館などの宿泊予約は華僑系の旅行代理店を介することが多いです。

訪日タイ人観光客にとって、日系旅行代理店の進出は手遅れ

最近になってタイでも日系旅行代理店が営業を始めましたが、日系旅行代理店を介するタイ人の旅行予約はわずか数%程度と、失敗に終わっています。その要因には華僑系(台湾)の旅行代理店が一足先に進出したからがあります。

しかも、華僑系旅行代理店は日本とは違い、ネットを介した予約に強く、こういった点も活字が苦手なタイ人の心を掴んでいます。また、最近では個人旅行で個人で飛行機の手配から旅館などの宿泊先の予約までこなすケースも増えており、その個人旅行をする背景には自分でプランニングしたいという思いが見られます。

 

まとめ:訪日タイ人観光客は日本への憧れを強く持っている

元々、タイ東南アジアきっての親日国でした。それが2013年のビザ解禁で旅行を行うようになり、現在の状況に繋がっています。訪日タイ人観光客は、日本への憧れを強く持っており、インターネット掲示板で情報を交わすのもそれがあるからこそです。

ですから、彼らには日本古来のものが自分のところにどれだけあるかをアピールし、さらにビジュアル重視でアプローチしていくのが有効なのかもしれません。

 

訪日タイ人観光客インバウンドデータ集

データでわかる訪日タイ人観光客

タイ人は1人あたりGDPが6,000ドル弱で(世界94位)程度で、インバウンドが盛んな国の中ではそこまで経済力があるほうとは言えません。しかしながら、訪日タイ人は、そのあまり高くはない経済力に対してかなり高額の支出をしています。「豊かさ」を表すGDPを例にとって見てみましょう。

訪日タイ人の特徴・国民性・旅行スタイル

2013年のビザ発給要件緩和以降、円安効果とバーツ高効果もあり、近年急激にインバウンド消費において存在感を放つ訪日タイ人観光客。中国や台湾をはじめとした訪日ブームが加速している東南アジアの中でも、成長率が最も著しい国の一つです。タイは熱帯に位置しているため、年間を通じて気温が30℃ぐらいが平均です。

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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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