• 訪日タイ人のハイシーズンは4月、10月、12月
    • インバウンド総消費額は増えているものの一人あたり消費額は減少
    • 親日度ランキング1位、人気の旅行先ランキングでは4位

インバウンドにおけるタイ市場の特徴とは

2018年の訪日タイ人は113万人を超え、2014年と比較すると約1.7倍に増加しています。2018年、訪日タイ人は一人あたり124,421円を訪日旅行時に使いました。2018年に訪日したタイ人を年齢・性別ごとに見てみると、男女共に30代が大きな割合を占めています。また、訪日タイ人のインバウンド市場で特筆すべき点は「4月、10月、12月がハイシーズン」「伸び悩む個人消費額」「親日度ランキング1位」の3つです。それぞれ詳しく解説していきます。

訪日タイ人インバウンド市場、3つの特徴を解説

1. 訪日タイ人のハイシーズンは4月、10月、12月

訪日タイ人数を月別に見てみると、4月、10月、12月が極端に増えており、その他の月は極端に減っていることが分かります。2018年の場合、最も訪日タイ人の多かった4月には約15万人のタイ人が訪日しており、この数は訪日タイ人全体の約13%になります。次に訪日タイ人の多かった12月は全体の約11%、その次に訪日タイ人の多かった10月は全体の約10%を占めており、この3か月に訪日タイ人全体の約34%が集中しています。訪日タイ人向けのインバウンド対策を行う場合は、この3か月に集中してインバウンド対策を実施できると良いでしょう。

2. インバウンド総消費額は増えているものの一人あたり消費額は減少

訪日タイ人のインバウンド消費額は、総消費額で見てみると2014年から2018年にかけて約449億円、約1.5倍程増加しているものの、個人消費額で見てみると2014年から2018年にかけて平均21,608円、約15%程減少しています。これは訪日タイ人が増加したためとも言えますが、今後一人あたり消費額を増加させるにあたり魅力的な商品やサービスなどを打ち出して行く必要があると言えます。ハイシーズンとなる4月、10月、12月の時期を狙い、コト消費やアクティビティなどを用意するほか、日頃からタイ語で応対できる環境を整えるなどの対応が鍵となります。

3. 親日度ランキング1位、人気の旅行先ランキングでは4位

電通チームクールジャパンの調査によると、タイは台湾、フィリピン、ベトナムと並びランキング1位となる親日度を持っており、多くの人が日本に対して好意的な感情を抱いています。タイ人が国外旅行をする際の人気の旅行先として、日本は東アジア諸国では1位となる第4位にランクインしています。タイの平均月収からすると訪日旅行は手の出しにくいものになりがちですが、そのような状況にも拘らずこれだけの人気を維持していることは大きな特徴です。

タイ人の特徴

タイ人の性格・国民性

タイは、東南アジアの暖かい気候を享受している国です。そのためタイ人もおおらかで温和な人が多いと言われています。また、タイは日本と同じく立憲君主制の国で、現在はラーマ10世が国王を務めており国民の敬愛を集めています。1993年米騒動で日本に送られたタイ米が大量破棄された際には対日感情が悪化しましたが、その後両国の地道な歩み寄りがあり、現在では親日度ランキング同率1位になるほどに対日感情が回復しました。
タイの民間には階級社会が根強く残っており、タイ人同士で接する際には相手の階級をとても気にする人がいます。また、仏教国家であるため僧侶が尊敬されており、敬愛な仏教徒が多く存在します。
タイ人は余り感情を表に出さず、特に怒りは良くないこととされているため、心の中で堪える人が多いようです。女性に対しては非常に親切で、おおらかではあるものの礼儀は守る人が多くいます。

タイ人と接するうえで気を付けておきたいマナー

タイは仏教文化が根付いていますが、同じく仏教人口の多い日本とは異なり上座部仏教という教えを守っています。日本よりも忠実に仏教の戒律が守られているため、僧侶は飲酒、肉食、結婚等が厳しく禁じられています。
タイの習慣として、左手は不浄の手とされており、握手の際には右手を用いること、頭は神聖な部位とされているため触ってはいけないこと等があります。またタイの王室や国王を侮辱する行為は、例え冗談でも決して許されません。タイ国内では不敬罪にも問われる行為となるので気をつけましょう。他にも人前でタイ人を叱りつける等の行為は、日本人以上に面子を大事にするタイ人にとって大きな屈辱であるため気をつける必要があります。
また、タイの挨拶として胸の前で合掌する「ワイ」というものがあります。タイ人同士では普段から用いられているため、覚えておくと良いでしょう。

タイ人の親日度・日本語学習者数

電通「ジャパンブランド調査」によると、タイは2018年時点で「親日度ランキング」同率1位となっており、特に高い親日度を持っていることが分かります。(*1)
国際交流基金「海外日本語教育機関調査」によると、タイには2015年時点で606校の日本語教育機関と1,911人の日本語講師が存在し、173,817人が日本語を学習しています。(*2)

<参照>

  • (*1)電通 チーム・クールジャパン「ジャパンブランド調査2018」
  • (*2)国際交流基金 2015年度 海外日本語教育機関調査

タイ人のスマホ事情:人気の機種やSNSは?

タイはAndroidがiOSより人気で、約76%のシェアを持っています。タイは中進国とも言われる東南アジアでは成長率の高い国のひとつですが、平均月収は634.04米ドルとなっており、100米ドル程度から購入できる手頃なAndroidスマートフォンが人気のようです。また、人気のSNSアプリはiOS・Android共にLINEとFacebook Messengerがランクインしています。LINEは日本の他に台湾、タイ、インドネシアの3か国で多く利用されており、タイは海外では珍しくLINEが普及している国となっています。

タイのイベント・祝日カレンダー(2019年・2020年)

2019年2020年
新年1月1日(火)1月1日(水)
マカ・ブーチャ(万仏節)2月19日(火)2月9日(日)
チャクリー王朝記念日4月6日(土)4月6日(月)
ソンクラーン(旧正月)4月13日(土)4月13日(月)
ソンクラーン(旧正月)4月14日(日)4月14日(火)
ソンクラーン(旧正月)4月15日(月)4月15日(水)
勤労感謝の日5月1日(水)5月1日(金)
ヴィサカ・ブーチャ(釈迦誕生日)5月18日(土)5月6日(水)
王妃誕生日6月3日(月)6月3日(水)
アサラハ・ブーチャ(三宝節)7月16日(火)7月5日(日)
カオ・パンサー(入安居)7月17日(水)7月6日(月)
国王誕生日7月28日(日)7月28日(火)
大后記念日(母の日)8月12日(月)8月12日(水)
前国王記念日10月13日(日)10月13日(火)
チュラロコーン大王祭10月23日(水)10月23日(金)
前国王誕生日(父の日)12月5日(木)12月5日(土)
憲法記念日12月10日(火)12月10日(木)
年末休暇12月31日(火)12月31日(木)

タイの歴史

タイでは紀元前3,600年頃より農耕文化が始まっており、その後いくつかの王朝による支配を経て13世紀頃まではクメール王朝の支配下にありました。13世紀初頭にタイ人が蜂起し、初のタイ族による王朝となるスコータイ王朝が始まりました。スコータイ王朝は貿易を行うなど経済力を高め現在のタイ文化の礎となりましたが、15世紀中盤になるとアユタヤ王朝の属国となり、同時期のタイ北部に存在したランナー王朝もビルマの属国となりました。
アユタヤ王朝はクメール王国へ侵攻し首都アンコールを陥落させるなどの振興を経て、17世紀には日本、フランス、オランダから多くの貿易商が渡来する中継点としての役割を果たすようになります。しかし1767年にはビルマの攻撃に屈し、長きに渡り続いたアユタヤ王朝はビルマに取って代わられました。その後トンプリー王朝を経てチャクリー王朝が興り、1782年には首都がバンコクに定まります。1932年には立憲君主制となり、第二次世界大戦を経て現在のタイ王国へと至ります。
タイは日本と同じく、アジア諸国の中で第二次世界大戦を通して独立を維持した数少ない国のひとつで、現在では東南アジアの経済の中心地として、めざましい発展を遂げています。

タイ宗教観

タイは一大仏教国で、国民の約95%が仏教徒であるとも言われています。国内にはそこかしこにきらびやかな寺院が建てられており、多くの国民は毎週寺院で礼拝を行います。タイは信仰の自由が保障されており、僅かではあるもののイスラム教、キリスト教、ヒンドゥー教や民間信仰が存在しますが、国王になるには仏教徒でないといけないなど、仏教を中心とした国家体制が整えられています。
このように仏教が社会の中心に存在するタイでは僧侶が尊敬の対象となっており、鉄道には僧侶優先席が存在するほか、多くのタイ人は「タンブン」という金銭や物品の施しを僧侶に行います。
また、多くのタイ人は出家をします。期間は人によりまちまちですが、短くて一週間、長くて数か月が多いようです。しかし最近ではビジネスマンを中心に時間がもったいないので出家をしないという考え方も広まっています。
いずれにせよタイ人は仏教に対して多かれ少なかれ敬愛の念を抱いているため、タイ人と接する際にはこの点を念頭に置いておくと良いでしょう。