昨今、ますますの盛況が続くインバウンド市場。2024年時点で、その市場規模は8兆1,395億円に達しました。国内輸出産業と比較しても第2位につけており、日本経済に大きな影響を与える産業として、存在感を示しています。
今回は1月23日に発表された財務省貿易統計の速報をもとに、主要品目別輸出額とインバウンド消費額の比較をまとめます。
※1月30日追記:1月30日に公開された確報値に修正しています
関連記事:【2023年】インバウンド消費額と主要品目別輸出額の比較
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インバウンド需要(訪日旅行消費額)は8.1兆円、輸出産業第2位の規模
観光庁が発表したインバウンド消費動向調査によると、2024年のインバウンド消費額は8兆1,395億円(約8.1兆円)で、過去最高となっています。関連記事:訪日消費額、過去最高の8.1兆円

財務省貿易統計(速報)で発表された他産業の輸出額と比較すると、1位の自動車に次ぐ2位の額に位置しています。

前年2023年のインバウンド消費額は5.3兆円、輸出額と比較して第3位でしたが、2024年は2位に浮上しています。
1位の自動車産業との差も縮まっており、インバウンド市場の影響力が拡大していることがわかります。

コロナ前の2019年と比較すると、順位自体は同じですが、消費額が大きく伸びています。
また、自動車をはじめ全体的に輸出額を伸ばしているほか、特に半導体業界の盛り上がりを反映した半導体関連の輸出額の増加もうかがえます。

※本記事では、財務省の統計データ及び経済産業省資料に準拠する形で記事内容・グラフを作成しています。輸出額とインバウンド消費額の算出方法は異なりますが、わかりやすく単純比較するものとなっています。
経済産業省資料:https://www.meti.go.jp/report/tsuhaku2023/2023honbun/i2230000.html
存在感を増すインバウンド消費、課題は「一極集中」
2024年、訪日客数・訪日消費額ともに過去最高を記録するなど、日本のインバウンド市場は拡大傾向にあります。さらに2025年は万博などの国際イベントの開催を控えているほか、中国市場の回復・拡大の可能性もあり、さらなるインバウンド市場の拡大が見込まれます。
現在の日本は地方部を中心とした人口減少などの課題が挙げられており、今後国内のマーケット規模が縮小していくことが予見されています。そこで日本経済を活性化させるために重要視されているのが、外貨を稼ぐ手段を増やすこと。現在の輸出市場で多くを占める工業分野に頼るだけではなく、観光分野でも稼ぐ力を強化することが重要になってきているのです。
ただしインバウンド市場が盛り上がる一方で、現在の観光分野には一部の都市に観光客が集中してしまうといった課題もあり、地方部と比べて三大都市圏に宿泊者が偏ってしまう状況が続いています。今後さらに増加が見込まれるインバウンド需要を前に、地方誘客促進に向けた取り組みも重要です。

関連記事:観光庁2025年度予算、530億で決定 地方誘客への取り組みに464億
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- 観光庁:インバウンド消費動向調査
- 財務省貿易統計:2024年(年分)主要商品別輸出(速報)
- 財務省貿易統計:2024年(年分)主要商品別輸出(確報)
- 観光庁:宿泊旅行統計
インバウンド戦略策定のポイントと、組織に必要な意思決定の仕組み化
訪日外客統計によると、2024年年間推計値は過去最高となる3,687万人を記録。またインバウンド消費動向調査においても、旅行消費額は年間速報値で8兆1,395億円となり、これまで過去最高であった2023年の5兆3,065億円から53.4%増となりました。
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