帝国データバンクの最新調査によれば、旅館・ホテル業界が急速な回復を遂げていることが分かりまました。
2023年度の旅館・ホテル市場(事業者売上高ベース)はコロナ禍前の2019年度と同じ水準まで回復すると予想され、63%の企業が増収基調であると報告されています。
インバウンドや国内旅行需要が回復している一方で、人手不足が深刻な問題として浮かび上がっています。
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2023年度の宿泊市場、過去最高の5.2兆円超えも
帝国データバンクによると、過去1年間の調査で、全国の旅館・ホテル業者のうち63%が「増収」基調であることがわかりました。
全国旅行支援を契機とした国内旅行の再始動や訪日外国人観光客の受け入れ再開によるもので、コロナ禍後で最高の数字を記録しました。
新型コロナの感染拡大によって厳しい状況が続いた旅館・ホテル業界ですが、新型コロナの5類移行などで水際対策が撤廃され、国内観光需要が急回復。さらに、訪日外国人客の再受け入れや出張需要の復調などが重なり、業界全体が増収基調となりました。
都道府県別では、宮崎県や沖縄県などで増収率が最も高く、愛媛県や群馬県、長野県、長崎県など6県では増収が8割を超えました。
調査結果によれば、2023年度の旅館・ホテル市場は4.9兆円前後と予想されていて、インバウンド需要が旺盛だった2019年度と同じ水準まで回復する見通しです。
年末年始や卒業旅行シーズンなどにより国内旅行需要が一層高まることが見込まれ、最終的な市場規模は2018年度の5.2兆円を上回る可能性も示唆しています。
宿泊現場で「人手不足」顕在化
一方で、業界内で深刻な課題が浮き彫りになっています。日本政府観光局によれば、2023年9月の訪日客数はコロナ禍前の2019年比で96.1%まで回復するなど、コロナ前の水準に迫る好調な状況です。
しかし宿泊現場では、フロントや調理スタッフなどの確保が追いついていないなど、深刻な人手不足が表面化しています。
帝国データバンクの調査によれば、旅館・ホテル業界の人手不足の割合は正規・非正規人材ともに7割を超え、宿泊予約や客室稼働率を制限するなど、旺盛な需要を十分に享受できないケースも見受けられます。
年末年始やスキーシーズンを控え、人手確保が業績に大きな影響を与える可能性があるため、業界全体での対策が求められています。
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<参照>
株式会社帝国データバンク:「旅館・ホテル」市場急回復 過去最高「5.2兆円」超えも 6割超が「増収」基調 訪日客の増加恩恵
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