「あの日」から10年、観光業は復興になにをもたらしたか?

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3月11日で、2011年の東日本大震災発生から10年を迎えます。

4月には2016年に発生した熊本地震からも5年を迎えるなか、「復興オリンピック」ともされる東京オリンピックも今夏に迫っています。

復興をめぐり、観光業は何ができるのでしょうか。本記事では実際の復興ツーリズム事例をご紹介し、今後の展望を考察します。

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観光業が被災地の復興を支援:復興ツーリズム

被災地となった地域では、観光を通して復興を支援する「復興ツーリズム」の取り組みが進んでいます。

復興ツーリズムは東北地方のほか、2016年に発生した熊本地震からの復旧・復興に取り組む熊本市などでも行われており、当時の様子を伝える地元の語り部の方と被災地や復興現場を巡るツアーなど、学び豊かなものとなっています。

福島県が打ち出している「ホープツーリズム」は、福島の現状を実際に見聞きするインプットと、震災・原発事故の教訓を自分事として未来にどう活かすかを考えるアウトプットを重視しています。

実際に宮城県は、復興ツーリズムで観光客数の回復と増加に繋げており、外国人観光客の誘致にも成功しています。

各地域の事例紹介

復興ツーリズムの各地域での事例をご紹介します。

まず東日本大震災で甚大な被害を受けた東北地方は、一体となって復興ツーリズムを進めています。

また5年前の熊本地震で被災した熊本も、JTB企画のもと復興ツーリズムを推進しています。

さらにコロナ禍においても、オンラインを利用したプログラムで復興支援につなげている事例もあります。

東北地方の復興ツーリズム

東北地方では、東北太平洋沿岸地域と東北観光推進機構が連携し、外国人観光客の受入環境の整備やプロモーションを行っています。

また宮城県と連携し、防災の知見や取り組みを観光客誘致へ活かすための、防災観光プログラムの開発にも取り組んでいます。

専用サイト上では英語のほか中国語やタイ語も選択でき、外国人観光客への対応が可能で、モデルコースなども提示されています。

コロナ禍の現在においては、バーチャルツアーとして、実際に足を運べなくても震災遺構や被災地を体験できるような工夫も行われています。

TOHOKU Pacific Coast 公式WEBサイト
▲TOHOKU Pacific Coast 公式WEBサイト


コロナ禍でも観光で復興を後押し、琴平バスのオンライン復興支援ツアー

香川県の琴平バス株式会社は、コロナ禍でも観光で復興を支援するため、オンライン復興支援バスツアーを開催しています。

「バーチャルとリアルの融合」が魅力で、プランナーの案内を聞きながら、旅先の現地の方や参加者の方々とも会話しつつ、実際に現地ならではの特産品を食べるという体験もできます。

震災から10年となる今、改めて伝えたい震災の話なども交えて、復興のシンボルでもあるフラガールが案内します。

参加者には、申込時に旅のしおりと共に特産品などが事前に届けられます。

[3/6]自宅からいわきを応援!オンラインバスツアー:東日本大震災から10年、フラガールといく日本で一番近いハワイ『フラシティいわき』

新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、自宅でも気軽に楽しめるオンラインバスツアーが脚光を浴びています。また、東日本大震災から10年が経つ今年、被災地は復興を遂げ、観光客の到来を待ちわびています。今回、テレビでも話題となった「オンラインバスツアー」を展開する琴平バス株式会社は、これまでのノウハウを活かし、「東日本大震災から10年、フラガールといく日本で一番近いハワイ『フラシティいわき』」というオンラインバスツアーを3月6日に開催します。オンラインバスツアーの企画・運営において多くの実績を持つ琴...


熊本県の復興ツーリズム

JTBは2016年の熊本地震を受け、「今の熊本を見て欲しい」などの思いから、「学びのプログラム」として震災復興ツーリズムの旅行プログラムを開発しました。

語り部と共に被災したエリアを視察し、震災の遺構や復旧に向けた現状を見てもらうものとなっています。

2017年にJATAツアーグランプリ審査員特別賞を受賞し、2019年には年間で2,000名が参加しており、今後も継続していく予定となっています。

復興を通じて結ばれた東北と台湾の絆

震災後に台湾から大きな支援を受けた東北地方、特に福島は台湾から多くの訪日客が訪れます。

コロナ禍で直接交流ができない今こそ、感謝を伝えようとする動きもみられています。

2021年3月、震災10年を節目として、台湾の駅の壁面には、台湾への思いを書いたメッセージを掲げる東北の人たち1,200人の写真が掲示されました。

福島県インバウンド事例「ダイヤモンドルート・ジャパン」「ホープツーリズム」誕生|復興事業とデジタルマーケティング活用法

福島県のインバウンド事例や対策の代表格として、栃木県・茨城県と連携し「ダイヤモンドルート・ジャパン」設立や新しい観光事業「ホープツーリズム」の誕生が挙げられます。近隣の県と協力し、デジタルマーケティングを活用する、震災から復興へ向かう姿を魅力的な観光コンテンツに変えるなど独自の対策を行っています。この記事では、福島県のインバウンド事例や対策と、福島県のインバウンド事情について解説します。関連記事秋田犬ツーリズムの取り組み観光業界が今「イスラム圏」に注目すべき理由とは?目次福島県のインバウン...


復興ツーリズムで観光衰退や風評被害をとめる

被災地への観光は自粛ムードになる傾向が続いています。一方で宮城県は、2019年に過去最高の6,796万人(前年比374万人増)に達しました。

震災前年の10年は6,129万人であり、震災前の水準を上回り、約111%まで回復させたことになります。

被災地では風評被害が認識されていますが、復興ツーリズムで、そのようなネガティブイメージを払拭できる可能性もあります。

コロナ禍でも歩みを止めず、復興ツーリズムで観光活性化を

東日本大震災発生から10年がたち、観光業は復興ツーリズムで被災地に貢献してきました。

コロナ禍でも、オンラインツアーを開催するなど、各団体や地域は歩みを止めることなく、取り組みを続けています。

今後も復興ツーリズムの推進は、インバウンド需要の促進や外国との結びつき強化に繋がってゆくのではないでしょうか。

<参照>

コトバスツアー:東日本大震災から10年 フラガールといく日本で一番近いハワイ「フラシティいわき」

観光庁:東日本大震災を受けた観光施策の展開

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コロナ禍の収束後、インバウンド需要が順調に回復を続ける中、唯一回復が大きく遅れていた中国市場。

一方、ここ数か月の間は訪日中国人客数が順調に回復してきており、訪日旅行消費額も2024年1〜3月期では台湾を抜き、1位となったことがわかっています。

今、中国市場がどのような動向になっていて、今後どうなっていくのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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