ゼロから始めるインバウンド対策:担当者が知るべき3つのインバウンド対応の基礎知識 飲食編

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飲食事業を営む皆様、インバウンド対応は進めていらっしゃるでしょうか?年々日本を訪れる訪日外国人観光客は増えていますが、2014年には訪日外国人が1300万人だったのが2016年には2400万人を超え、東京オリンピックが控える2020年には政府目標で4000万人とされています。

観光庁が発表している「訪日外国人の消費動向 平成28年10-12月期報告書」によると、訪日外国人観光客が日本を訪れる際に最も楽しみにしているのは「日本食を食べること」となっており、今後ますます日本での飲食業界におけるインバウンド対応が必要となります。

訪日外国人の70%が目的にする「日本食」人気ランキングは?

日本を訪れる訪日外国人観光客は、そもそも何を目的に日本を訪れているのでしょうか?日本は海外には珍しい明確な四季、季節とともに移り変わる自然風景、大都市部でのショッピング、豊かな伝統文化などがありますが、実はその中で最も注目を集めているのは日本の料理なんです。インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?訪日ラボがまとめた「インバウンドデータレポート」を詳しく見てみる「調査・リサーチ」の資料を無料でダウンロードする「インバウンドデータ」の資料を無料で...

しかし実際には「インバウンド対応って結局どういうことなのかわからない。」「実際何をすれば良いのかわからない。」という方も多いのではないでしょうか?そんな方に向けて農林水産省が飲食事業者に向けて「飲食事業者のためのインバウンド対応ガイドブック」というガイドラインを公開しています。この資料について、今回の記事では「担当者が知るべき3つのインバウンド対応の基礎知識 」、後日お届けする後編では「インバウンド対応 実践編」について詳しく見ていきます。

 

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1.日本のインバウンド対応の現状を知る

そもそもインバウンドとは外から日本へと入ってくる旅行、訪日外国人旅行を指します。逆に海外旅行はアウトバウンドと言います(※いずれの単語も英語ですが、本来は「外から入ってくる」「内から出ていく」という意味の言葉で、「旅行」という意味合いは日本で後付されたものです)。

インバウンドは着実に地方誘致が進んでいる:農林水産省「飲食事業者のためのインバウンド対応ガイドブック」より引用

インバウンドは着実に地方誘致が進んでいる:農林水産省「飲食事業者のためのインバウンド対応ガイドブック」より引用

現在は滞在期間の延長や観光ビザの必要がなくなるなどのビザの大幅緩和、格安航空券などの影響で、今までにないスピードで訪日外国人観光客が増えています。この中で、 東京、大阪の2大都市圏のみを訪問する観光客は44%、地方を訪問する観光客が56% となっており、 インバウンドは首都圏のみのものではなく地方にも広がりを見せてきています 。地方を訪れた訪日外国人観光客は、「自然、景勝地観光」「温泉に入る」など積極的に日本文化を楽しんでいます。

2015年の訪日外国人観光客 国籍別比率:農林水産省 「飲食事業者のためのインバウンド対応ガイドブック」より引用

2015年の訪日外国人観光客 国籍別比率:農林水産省 「飲食事業者のためのインバウンド対応ガイドブック」より引用

訪日外国人観光客を国籍別に見ると、台湾、韓国、中国、香港の4つの国で約72%を占め、次いでアメリカ、タイ、オーストラリアと続いています。なお東アジアと比較すると東南アジアからの訪日外国人観光客は少なく見えますが、ヨーロッパ、アメリカからの訪日外国人観光客はさらに少ないというのが現状です。

インバウンド主要国の2016年祝日一覧:2015年の訪日外国人観光客 国籍別比率:農林水産省 「飲食事業者のためのインバウンド対応ガイドブック」より引用

インバウンド主要国の2016年祝日一覧:2015年の訪日外国人観光客 国籍別比率:農林水産省 「飲食事業者のためのインバウンド対応ガイドブック」より引用

台湾、韓国、中国、香港からの訪日外国人観光客が多く訪れるのは旧暦である春節の2月。また、各国の大型連休に合わせての訪日も多く、中国では国慶節の9月・10月が大型連休になっています。欧米各国については欧州でのバカンス時期の7月・8月頃と12月のクリスマス休暇の訪日が多く、各国ともに日本の花見シーズン・紅葉シーズンは人気の時期となっています。

インバウンドが盛り上がるシーズンについては、以下の「インバウンドカレンダー」記事も参照下さい。

インバウンド・外国人観光客が多い時期がひと目でわかる「インバウンドカレンダー」:全国籍&アジア(中国、台湾、香港、韓国、タイ)編

インバウンド市場

あの国の訪日外国人が増えるのはいつ?インバウンドカレンダー:欧米(英語圏)編

先日ご紹介したインバウンドカレンダーの全国関集計&アジア編が好評でしたので、後編として欧米(英語圏)のアメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアのインバウンドカレンダーをご紹介します。 <東アジア・東南アジア編はこちら> [blogcard url=”https://honichi.com/11599”] インバウンドビジネスにおいて、どの国の訪日外国人観光客がどの月・タイミングで訪日外客数が増減するのか、いわばインバウンドカレンダーを押さえることは、戦略的に重要となります。...

 

2.外国人の多様性を知る

「和食」がユネスコ無形文化遺産として認められ、日本は「食文化・料理に魅力を感じる国」の上位にランキングされています。ただ、訪日外国人は出身国や宗教、個人の信念によって食文化が異なり、当然使用する言語も異なっています。また、当然のように食物アレルギーに関しても注意が必要です。

国籍別インバウンド対策についてはこちらで解説しています。

食文化・食習慣について

宗教別「食べてはいけないもの」一覧表

宗教別「食べてはいけないもの」一覧表

簡単に見ていくと、キリスト教徒(肉やアルコールを避ける人がいるが、基本的には禁止事項はない)、仏教徒(大乗仏教が広まっている地域では肉全般、ネギ科の植物などに注意が必要)、ヒンドゥー教徒(牛肉を食べない、肉を避ける人もおり、ネギ科の食物も食べない事がある)、イスラム教徒(豚は禁忌、アルコール、宗教上適切に処理されていない肉類を食べる事が出来ない)、ベジタリアン(動物性食品を食べない)などの特徴があり、それぞれ個別に注意が必要です。

飲食店・ホテルのインバウンド対策として知っておきたい 宗教別に見る「食べてはいけないもの」一覧表

近年増えている訪日外国人観光客を飲食店がおもてなしする際には、「食べることが出来ないもの」「食べてはいけないもの」「食べたくないもの」でニーズを整理することが出来ることを「飲食店のための国籍別インバウンド対策・おもてなしポイント」シリーズでご紹介しました。また、国による習慣・文化によるものとは別に「イスラム教」、「仏教」、「ユダヤ教」「ヒンドゥー教」などの宗教ごとに気をつけるポイントがあります。それぞれの宗教ごとに「食べてはいけないもの」が細かく定義されており、その内容は非常に多義に渡って...

 

3.訪日外国人観光客の期待を知る

訪日外国人観光客が旅行前に期待していたこと:観光庁 訪日外国人消費動向調査より引用

訪日外国人観光客が旅行前に期待していたこと:観光庁 訪日外国人消費動向調査より引用

観光庁が実施している平成28年度10月-12月の消費者動向調査では、69.9%の訪日外国人観光客が「日本食を食べること」を最も楽しみにしていることがわかります。

訪日外国人の70%が目的にする「日本食」人気ランキングは?

日本を訪れる訪日外国人観光客は、そもそも何を目的に日本を訪れているのでしょうか?日本は海外には珍しい明確な四季、季節とともに移り変わる自然風景、大都市部でのショッピング、豊かな伝統文化などがありますが、実はその中で最も注目を集めているのは日本の料理なんです。インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?訪日ラボがまとめた「インバウンドデータレポート」を詳しく見てみる「調査・リサーチ」の資料を無料でダウンロードする「インバウンドデータ」の資料を無料で...

メニューとしては、寿司、天ぷら、刺し身、近年はラーメン、焼き鳥、お好み焼きなどのソウルフードの他、松阪牛のようなブランドとなった高級和牛も注目を集めています。ただ、期待して訪れたものの、そこでの経験が思ったようなものでなければ彼らはリピーターにはなってくれません。

訪日外国人観光客が持つニーズ(日本人が普段訪れる場所で飲食がしたい/接客は外国人だからと特別視せず自然体でして欲しい/コストパフォーマンスにこだわりたい)を満たし、不満(外国語表記のメニューが見たい/コミュニケーションをしっかり取りたいクレジットカードで決済したい)を取り除いて上げる事が必要です。

無料で飲食店メニューを多言語化/英語・中国語・韓国語…アレルギー表記への対応も

飲食店にとってインバウンド対策としてメニューの多言語対応は現在は必須とも言えるものですが、自分で辞書や翻訳サイトを参考にしながら翻訳していくのも大変です。有料のメニュー作成サービスを展開する企業も多数存在しますが、実は、飲食店のインバウンド対応をサポートするため、各都道府県や地方自治体ではウェブ上で簡単に無料で多言語対応メニューを作成できるようにしています。多くのサイトで、英語だけでなく、中国語、韓国語といった主要なインバウンド市場の言語でメニューの作成ができるようになっています。今回は、...

訪日客はここで困る 3人に1人が"買い物中に店員とうまく会話できないこと"と回答 観光庁のアンケート調査で

観光庁は平成29年(2017年)2月7日、「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」の調査結果を発表しました。空港などで「旅行時に困ったこと」「多言語対応、通信環境などの受け入れ環境へのニーズ」「満足度」といった項目について答えてもらったもので、訪日外国人観光客が感じているリアルな感覚が反映されていると考えてよいでしょう。いったい、どのような結果になっているのでしょうか。やはり、先日ご紹介したリクルートライフスタイルの調査と同様の結果になっているようです。<関連>イン...

「世界で最もクレジットカードが使いやすい国」の実現に必要なこととは?

海外旅行で便利なクレジットカードですが、訪日外国人観光客にとってもそれは同様で、様々な場面でクレジットカードの利用場面があります。日本クレジットカード協会は日本を「世界で最もクレジットカードが使いやすい国」にするという目標を掲げており、2014年に訪日外国人観光客を対象としたカードの利用環境に関するアンケート調査を行っています。訪日外国人観光客が日本でクレジットカードを利用しなかった理由:観光立国実現に向けたクレジットカード業界としての取り組み 要約版 より引用この調査の中でクレジットカー...

 

まとめ

農林水産省が飲食事業者に向けて公開している「飲食事業者のためのインバウンド対応ガイドブック」というガイドラインから、「インバウンド対応とはそもそもどんなことを言うのか?」という点について見てきました。次回お届けする後編では「インバウンド対応の実践編」について詳しく見ていきます。

<参考>

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日本のインバウンド事業者が知らない「中国現地の最新旅行トレンド」


コロナ禍の収束後、インバウンド需要が順調に回復を続ける中、唯一回復が大きく遅れていた中国市場。

一方、ここ数か月の間は訪日中国人客数が順調に回復してきており、訪日旅行消費額も2024年1〜3月期では台湾を抜き、1位となったことがわかっています。

今、中国市場がどのような動向になっていて、今後どうなっていくのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は訪日ラボから、複数の中国SNSで在日中国人インフルエンサーとしても活動中の熊 孟華(ユウ モウカ)と、中国最大級の店舗・施設検索プラットフォーム「大衆点評」などを活用した中国向けプロモーションのコンサルティングを行う金子 泰士が登壇。

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【インバウンド情報まとめ 2024年4月】3月訪日外国人数「300万人」突破 他


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、2024年4月版レポートから、3月〜4月のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

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3月訪日外国人数「300万人」突破 / 2月の世界航空需要、コロナ前から完全回復【インバウンド情報まとめ 2024年4月】

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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