2021年上半期、海外で売れた日本の商品は?コロナ禍で生まれた「日本推し」の動き

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

越境EC事業を展開するBEENOS株式会社(以下:BEENOS)が、「BEENOS 2021年上半期 越境ECランキング」を発表しました。

2021年上半期の消費動向は、新型コロナウイルス感染症の影響が継続して表れています。同時に、商品別ランキングでは従来の人気商品も変わらずランクインしました。

コロナ下を経た越境ECの実態から、ポストコロナの時代にインバウンド事業者が押さえておきたいポイントを見ていきます。

インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)

BEENOS、2021年上半期越境ECランキングを発表

「BEENOS 2021年上半期 越境ECランキング」は、日本から海外に売れている商品をランキングにまとめたものです。

同ランキングでは、BEENOSグループの購買データを元に、売れている商品の網羅的な消費傾向を表す「二大ジャンル」、より詳細な人気商品がわかる「商品別ランキング」の2種類が発表されています。

越境EC二大ジャンルはホビーとファッションに

2021年上半期の二大ジャンルには、「ホビー」「ファッション」が選ばれました。どちらのジャンルにも共通していることは、希少性の高い商品が人気であるという点です。

BEENOS 2021年上半期 越境EC 二大ジャンル
▲BEENOS 2021年上半期 越境EC 二大ジャンル:BEENOSプレスリリースより

引用元:BEENOSプレスリリース

BEENOSは、上半期は日本の人気アニメが世界的ヒットしたり、トレーディングカードが数千万円単位で海外で取引されたりと、日本のコンテンツを「推す」世界のファンの想いが消費に表れたと分析しています。

またBEENOSによると、「ホビー」商品など趣味性の高い商材は、世界中の消費者にリーチできる越境ECにおいて需要が高くなる傾向があるということです。

特に、2021年上半期は、トレーディングカードへの需要が高まったようです。特典カードが入った限定商品が人気を集めたほか、クリエイターによる創作の総合マーケット「BOOTH」では世界的にも有名なVTuberのグッズが好調でした。

「普通は手に入れられない」というプレミア感が一定層のファンの熱気を高め、流通へとつながったとされています。

「ファッション」ジャンルについては、日本のアパレルブランドの品質とこだわりのデザインは海外でも評価され、人気を集めているということです。

特に、ストリートファッションブランドや日本のデザイナーズブランドが海外から熱い支持を得ました。日本発の商品は状態が良いと評判で、世界的にも需要が高く、限定スニーカーやラグジュアリーブランドのアイテムが人気です。

「ファッション」分野においても、「ホビー」と同じように、希少性の高い商品の需要が高いことがわかります。

商品別ランキングでは定番商品と人気商品の両方がランクイン

2021年上半期に見られた消費傾向、「ホビー」や「ファッション」の人気が高かった中、商品別ランキングでは定番商品もランクインしました。

BEENOSは、インバウンド需要のオンライン化、手芸用品や食料品が売れたことから、「おうち時間」の充実といったコロナ禍の影響を受けた消費傾向が継続して表れたとみています。人気商品トップ10のランキングは以下の通りです。

BEENOS2021年上半期 越境EC商品別ランキング
▲BEENOS2021年上半期 越境EC商品別ランキング:BEENOSプレスリリースより訪日ラボ編集部作成

BEENOS 2021年上半期 越境EC商品別ランキング 商品画像
▲BEENOS 2021年上半期 越境EC商品別ランキング 商品画像:BEENOSプレスリリースより

引用元:BEENOSプレスリリース

1位には、刃物のまちとして知られる関の「パンフラワー用ハサミ」が、2位には倉敷の「軽量用防振ゴムKXBシリーズ」がランクインしました。1位、2位から、日本のメーカーこだわりの「ものづくり」が海外からも厚い支持を受けていることがわかります。

3位と5位には、先に見てきたように、越境ECで強いジャンルである「ホビー・カルチャー」商品が並びました。

3位の「ホットウィール ニッサン シルビア(S15)」は世界が誇るスポーツカーのダイキャストで、巣ごもりで高まるコレクション熱を反映したものだといえます。

5位には釣り具「ASA015ハゲ皮サビキ」が入り、ソーシャルディスタンスを保てるアウトドアの世界的な人気を象徴した結果となったということです。

また、6位の「マンダム ホールドジェル ウェット&ハード」は、ハードタイプのヘアジェルです。海外から長年愛される日本企業の定番商品がランクインし、「日本ファン」からの根強い支持が見られます。

9位と10位には、日本らしさを味わえる商品がランクインしました。

9位は、藍染めや草木染など染色に最適な布「綿シャーチング・オフホワイト精練済み」で、10位には「豆皿 7.5cm 淡ピンク 和食器」(株式会社あづま商店)がランキング入りしています。

コロナ禍によって訪日できない今、ハンカチや小物を手作りして、好みの色に染めてみたり、お皿だけでも日本の気分を味わったりと商品から日本に親しんでいるのかもしれません。

インバウンド消費のために海外に日本製品を出品することは、変わらず効果が期待できるのではないでしょうか。

2021年上半期からうかがえる「日本推し」消費、今後の変化は?

2021年上半期、日本では「推し活」が活発になったとされていますが、これは海外にも広がったようです。

日本のアニメやゲーム、VTuber といった自分の「推し」を応援する海外ファンの熱い気持ちは、流通にも結びつきました。自粛期間に日本のコンテンツに接する時間が増え、ファンの層が広がったこと、感染症拡大の影響によりDXが急速に進んだことでボーダレスに世界のファンがつながり、コミュニティ内の熱狂が消費に発展したことが挙げられています。

これが二大ジャンルに反映され、商品別ランキングにも波及しています。この風潮がいつまで続いていくかを見極めることが、コロナによって絶えず変化し、転換点すらも迎えているインバウンド業界で求められることだと考えられます。

また2021年下半期には、世界各国のワクチン接種がさらに進み、コロナ終息も期待されます。

オンラインからオフラインへ戻っていく場面が少なからず訪れることも予想できるでしょう。一方で、観光のDXが求められているように、デジタル技術との共存は今後発展していくとも考えられます。

これらの変化が、今後の越境ECの消費動向、さらにインバウンド消費全般にどのように影響していくかも注視する必要があります。

インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
訪日ラボに相談してみる

<参照>
BEENOS:プレスリリース

訪日ラボセミナー紹介&最新版インバウンド情報まとめ

訪日ラボおすすめのセミナーや記事をご紹介します。

専門家が徹底議論!地域に眠る観光資源の「磨き上げ」、結局何をしたらいいの?

観光庁は、インバウンドの地方誘客を目的とし、「観光資源の磨き上げ」を推進しています。これに沿って観光コンテンツの造成や発信力強化に取り組みたいと思うものの、「何からやればいいのかわからない」「やってはみたものの、まだ観光客を呼びこめていない」といった悩みを抱えている自治体・企業の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、食体験、ツアー造成、アクティビティ、アドベンチャートラベルなどを専門として第一線で活躍するスペシャリストたちが集結

「観光資源の磨き上げ」とは何なのか、外国人を惹き付ける観光コンテンツはどう作り、どう発信するべきなのか、徹底議論します!

詳しくはこちらをご覧ください。
専門家が徹底議論!地域に眠る観光資源の「磨き上げ」、結局何をしたらいいの?

【インバウンド情報まとめ 2024年5月後半】「世界で最も成長している観光地」トップに東京 他


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、2024年5月後半版レポートから、5月のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

※【インバウンド情報まとめ】は2024年5月より月2回発行いたします!最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

「世界で最も成長している観光地」トップに東京 / 富士山前のコンビニ、撮影防止の「黒幕・防護柵」設置【インバウンド情報まとめ 2024年5月後編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに