「AIプロジェクトの成功率はわずか8%」AIが旅行業界にもたらす5つのトレンドとは【米フォーカスライト・カンファレンス参加レポート】

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旅行業界に特化したアメリカの大手調査会社フォーカスライト(Northstar Travel Group)は、11月18日~20日にカリフォルニア州サンディエゴで、「フォーカスライト・カンファレンス」を開催しました。

カンファレンスでは、AIエージェントやAI時代の検索行動、SNSアメリカ人旅行者の消費心理など様々な講演が行われ、多数の著名企業が登壇しました。

本記事では、トリップアドバイザー データ・AI部門責任者のラフール・トッドカー氏と、AIデータクラウドを提供するSnowflake(スノーフレーク)旅行・ホスピタリティ部門 グローバルヘッドのホイットニー・ホーソーン氏による対談セッション「AIによる変革:旅行業界への影響」の模様をレポートします。

関連記事:生成AIが観光の課題をどう変える?活用事例や注意点も解説

▲講演の様子:訪日ラボ撮影
▲講演の様子:訪日ラボ撮影

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AIが旅行業界にもたらす「5つのトレンド」

両氏は、「AIが旅行業界にもたらす5つの重要トレンド」として、以下の5つを提示しました。

  1. データ
  2. 検索
  3. パーソナライゼーション
  4. AIエージェント
  5. チェンジマネジメント

1. データ:真の価値は「非構造化データ」

冒頭、ホーソーン氏は「データなしにAIは存在しない」とし、企業の競争力の源泉が変化していることを指摘しました。

これまで航空会社やホテルなどは、機材の改装やラウンジ体験といった「インフラ」に投資してきましたが、これからより重要となる資産は「ファーストパーティデータ(自社で収集したデータ)」になります。

特に注目すべきは、企業が保有するデータの80%以上を占めるとされる「非構造化データ(レビューのテキストや音声ログ、SNSの投稿など)」です。これまでは活用が難しかったデータを、生成AIによって統合・解析可能になったことで、以前は得られなかったインサイトを得られるようになりました。

またトッドカー氏は、新しいトレンドの一つとして、保有しているデータについて、AIが文脈を理解しより適切な回答を生成できる形に加工する「コンテキスト・エンジニアリング」という用語を挙げました。

旅行会社においては、顧客に関するデータ(マーケティング、ロイヤルティ、オペレーション、コンタクト)はバラバラに存在していましたが、これらすべてを統一し、一人の顧客への確固たる理解に基づいて意思決定を行うことが、他社との差別化につながるとしました。

2. 検索:SEOから「AEO」「GEO」に

ユーザーがブランドを見つける方法は完全に変わり、ユーザーの行動は、単なる「検索」から「答え」を求める行動へとシフトしていると言います。

これに伴い、マーケティングにおいてもSEO(検索エンジン最適化)から、GEO(生成エンジン最適化)やAEO(回答エンジン最適化)という新しい用語が生まれました。

企業は、Webサイトなどで提供しているコンテンツがAI対応であるか、つまりAIエージェントがそれを読み、答えとして構成できるようにテキスト化されているかを考える必要があるとしました。

3. パーソナライゼーション:より深く一貫した顧客理解が重要

従来のパーソナライゼーションはテキストが中心でしたが、今後は画像、動画、音声など異なる種類のデータを組み合わせて処理する「マルチモーダルAI」が標準となると言います。

特に旅行において顧客は、出張や家族旅行、友人との旅行など、複数のペルソナを持っており、そのすべての情報を包括的に理解し、一貫したコンテンツ提供を行う重要性を説きました。

4. AIエージェント:「顧客志向」から「従業員志向」に

トッドカー氏は、AIエージェントと従来のチャットボットの違いとして、「コンテキスト(文脈理解)」「記憶(以前のやりとりを覚えている)」「エージェンシー(自律的な意思決定)」の3つを挙げました。講演では、AIエージェントを利用したフライト予約に前向きな消費者は約70%、ホテル予約では約65%というデータも示されました。

また、トレンドの変化として「純粋な顧客志向から従業員志向へのシフト」が語られました。AIエージェントの活用では、まず「どうしたら社内の従業員の生産性を高められるか」に焦点が当てられていると言います。

5. チェンジマネジメント:変化の最大の壁は「人」

最後に両氏は「物事を変化させるには人が必要」として、組織文化の変革の重要性を語りました。

ある調査によると、AIプロジェクトの成功率はわずか8%に過ぎず、失敗の主な原因は「リーダー、人、文化が準備できていない」からだと言います。

AIを『同じことを速くやるためのツール』と考えてはいけない」と語り、AIは「全く新しい方法で仕事をするための手段」であり、リーダー層がそのビジョンを示し、組織全体の文化を再構築する必要があるとしました。

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訪日ラボ編集部

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