タクシーはどうやってインバウンドにおいて地方誘致・地方創生に取り組むべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、タクシーが地方誘致・地方創生によってインバウンド集客で成功する事例が増加しています。都心部での訪日外国人受け入れのノウハウをそのまま持っていって成功する場合もあれば、地方ならではの特色を活かしたり、個別の取り組みが評価されている事例もあります。
このページでは、タクシーの地方誘致・地方創生のインバウンド対策やインバウンド集客における活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- タクシー×地方誘致・地方創生事例その①:飛鳥交通:訪日外国人仕様の「インバウンドおもてなしタクシー」
- タクシー×地方誘致・地方創生事例その②:ライドシェアの米Uberとタクシーの第一交通が提携
- タクシー×地方誘致・地方創生事例その③:公益財団法人大阪タクシーセンターではインターナショナルビジターズタクシードライバーを採用
地方誘致・地方創生のためのインバウンド集客やインバウンド対策においては、業界・業種やターゲットとする国籍によってかなりその内容が様変わりします。例えば、中国出身の訪日外国人には人気の観光地が、台湾出身の訪日外国人には人気ではなかったり、その消費動向が異なっていたりすることがあります。またこういた訪日外国人の国籍とは関係ない共通の手法が、色々な国からの訪日外国人にしっかりと効果がある場合もあります。
ここでは、タクシーという業界・業種における地方誘致・地方創生の各社の事例を元にして、効果的な地方誘致・地方創生を活用したインバウンド対策やインバウンド集客のケーススタディーをしてみます。それでは見ていきましょう。
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「インバウンドコンサル」の資料を無料でダウンロードする「広告運用」の資料を無料でダウンロードする「展示会出展サポート」の資料を無料でダウンロードする飛鳥交通:訪日外国人仕様の「インバウンドおもてなしタクシー」
横浜市と飛鳥交通は、訪日外国人仕様の「インバウンドおもてなしタクシー」により、訪日外国人のタクシー利用に関する動向調査・分析をする。2016年12月に締結した「訪日外国人受入環境整備(タクシー)に関する連携協定」に基づいて実施。
横浜市によると自治体とタクシー事業者がインバウンド(訪日外国人)に関して連携するのは全国初。
2017年度から、横浜市内を発着とする飛鳥交通の「インバウンドおもてなしタクシー」を20台運行する(開始時期未定・開始後は17年度いっぱい運行)。飛鳥交通は、旅行者の居住地、利用人数、乗降場所、利用料金、手荷物量などの情報を調査して横浜市に提供します。横浜市はデータや分析結果を観光施策に活用しています。
「インバウンドおもてなしタクシー」の特徴 1. 安心:ドライバーによる英語対応(外国語接遇講習の充実) 2. 親切:観光情報の提供(タクシー車内に観光用パンフレットの掲出) 3. 快適:フリーWi-Fiサービス(タクシー車内にWi-Fiルーターの設置) 4. 便利:クレジットカード決済(タクシー車内外の決済方法の整備) 5. 大容量:バンタイプ車両(日産NV200ベース) 6. 簡単:英語での予約・ネット決済サービス(TokyoTaxiToursサイトを活用した英語での予約受付・事前ネット決済)
両者の連携のきっかけは、横浜市の「共創フロント」(同市による民間企業からの提案受付窓口)に、飛鳥交通が「タクシーを活用した訪日外国人受入環境の向上」を2016年4月に提案したこと。横浜市と飛鳥交通で協議を重ね協定締結に至ったと言います。
ライドシェアの米Uberとタクシーの第一交通が提携
第一交通は、日本全国に約8,400台のタクシーを保有する日本のタクシー大手です。提携が実現すればUberのアプリを利用して第一交通のタクシーを予約し、呼び寄せることができるというもの。
また、第一交通は2017年11月に中国版Uberとも呼ばれる中国の配車サービス最大手「滴滴出行(ディディチューシン)」とも提携しています。さらに東南アジア最大手の配車サービスとも提携を検討しているそうで、ライドシェアサービスとの連携においては日本のタクシー界では先駆け的な存在です。
スペインのIT企業Amadeusとイギリスのリサーチ会社YouGovによる調査レポートでは、アジア・オセアニア地域の旅行者のうちUber, Grab, Lyft, Ola, Didi, Chuxingなどのライドシェアサービスの利用経験があるのは75%という高い数値になっています。
利用頻度別に細かく見てみると、「とても頻繁に使う」が10%、「頻繁に使う」が27%で、合計すると約40%に上ります。日本の旅行者は3分の2が利用経験なしと回答していますが、その他の地域の旅行者の間ではすでにライドシェアサービスは重要な移動手段のひとつとなっているようです。
また、旅行回数の多い旅慣れた旅行者ほどライドシェアサービス・アプリをよく使うという結果も出ており、今後も需要は高まっていくことが予想されます。
公益財団法人大阪タクシーセンターではインターナショナルビジターズタクシードライバーを採用
公益財団法人大阪タクシーセンターは、タクシー業務適正化特別措置法に基づく、タクシー運転者の登録とタクシー事業の業務の適正化を図るための事業を行っています。 インターナショナルビジターズタクシードライバーとは、公益財団法人日本英語検定協会2級レベルの能力を有し、日常の英会話ができて尚且つ大阪の観光案内ができるドライバーです。
外国人対応認定運転者登録認定機関では、来阪外国人に対し英語・中国語・韓国語で接客のできる大阪府下のタクシー運転者を認定しています。インターナショナルビジターズタクシードライバーの制度は、「多くのお客様から接遇能力で高い信頼を頂いている」「外国語能力及び観光知識を有したドライバーのみが 受講できるタクシー運転者研修を修了し、認定試験を合格している」という条件を満たしたドライバーのみが、インターナショナルビジターズタクシードライバーになれるとのこと。大阪を訪れた訪日外国人を、タクシー運転者が「おもてなし」することを目的としています。
認定運転者が乗車するタクシー車両にはロゴマークを貼付しています。現在、英語124名・韓国語5名・中国語17名のンターナショナルビジターズタクシードライバー認定されているとのこと。