訪日ラボが独自に調査した「インバウンドに人気のホテル・旅館ランキング」。全国470施設の中から見事1位となったのが、大阪府の十三(じゅうそう)エリアに位置するシティホテル「プラザオーサカ」です。
今回は、株式会社プラザオーサカ 取締役の菅原 真太郎氏にインタビュー。なぜプラザオーサカが訪日外国人客からこれほどまでに支持を集めているのか、その理由を掘り下げました。
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プラザオーサカの人気の秘密を口コミから分析
プラザオーサカは、大阪市淀川区の十三(じゅうそう)エリアにある大型のシティホテル。阪急十三駅から徒歩5分の好立地に位置し、600室以上の客室を備えています。大阪の中心・梅田にも近く、ビジネスでも観光でも使いやすいホテルです。

そんなプラザオーサカが1位に輝いた「インバウンドに人気のホテル・旅館ランキング」では、Googleマップに掲載された口コミの数とその評価による「人気ポイント」で順位を作成しています。1位から10位までのランキングは以下の通りです。
![▲インバウンド人気ホテル・旅館ランキング [全国編] TOP10:訪日ラボ インバウンド人気ホテル・旅館ランキング [全国編] TOP10:訪日ラボ](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/23998/main_262d5cbc4fe5bbadedac73046c830690.jpg?auto=format)
プラザオーサカは2位のホテルと500ポイントもの差をつけており、圧倒的な人気を集めていることがわかります。外国語の口コミ評価は平均★4.7と高く、同ホテルにおける口コミ全体の84.8%と非常に高い割合を占めているのが特徴です。
本調査ではほかにも、立地、接客・サービス、客室、食事、料金、施設・設備の6項目で「ポジティブな口コミを獲得した割合(ポジティブ率)」も分析しており、プラザオーサカはこのうち5項目で90%以上のポジティブ率を獲得。特に接客・サービスの項目で、スタッフによる多言語対応や、着物姿での写真撮影体験などに対する高評価が多数寄せられていました。

「旅館のようなコミュニケーション」が高評価の鍵。専任の外国人スタッフが細やかな接客を支える
── プラザオーサカが「インバウンドに人気のホテル・旅館ランキング」で1位となりました。おめでとうございます!口コミから「接客・サービス」の評価の高さが背景にあるのではと分析しましたが、実感としてはいかがでしょうか。菅原氏:そうですね。接客に力を入れているので、そこが評価されたポイントなのかなと思います。
── 接客について、どのような取り組みを実施されていますか。菅原氏:通常のホテルではフロント業務以外でお客様と接する機会が少ないと思いますが、当ホテルでは「旅館のように気軽で親密なコミュニケーション」を心がけています。そのために、コミュニケーションが取りやすいような環境を整えることが重要だと考えています。
たとえば、日本人客の方とは別の場所に、外国人のFIT(個人旅行客)専用のラウンジを設置しています。チェックインの際の手続きに加えて、お茶を出したり、観光案内をしたりと、スタッフとの交流が生まれる空間になっています。
ほかにも、外国人の受け入れに積極的な地元のレストランをGoogleマップのリストにまとめ、グルメガイドとして配布しています。ローカルな体験ができ、かつ外国人ウェルカムなお店に行くことができるためかなり好評で、多くの方に利用していただいているんです。
── なるほど。外国人旅行者の方は地元の人との交流を楽しみにしていることが多いので、「旅館のような接客」は重要なキーワードですね。そういったコミュニケーションをとるには言語の対応も必要になってくると思いますが、どのように実施しているのでしょうか。
菅原氏:当ホテルでは10年以上前から外国人スタッフを雇用しており、現在は全140名のうち約35名が海外出身のスタッフです。その中から多言語でのコミュニケーションを取る専任スタッフを「ゲストリレーションチーム」として7、8名配置しています。
── 早くから外国人採用を実施していたのですね。
菅原氏:そうなんです。彼らは日本人と異なる視点や感覚を持ち合わせており、単に言語ができるという以上に、相手の文化・背景を理解しながら細やかに対応してくれる優秀さを持っています。「人手不足だから雇っている」のではなく、「私たちにとって欠かせない存在である」ということを本人たちにも伝え、気持ちよく働ける環境を作るよう心がけています。
さらに、キャリアアップの機会も積極的に提供しています。実際に、外国人スタッフの中には現場業務にとどまらず、営業部に配属されインバウンドセールスを担っている方もいます。成功体験を積み重ねることで自信を深め、モチベーション高く働き続けられるよう支援していくことが、私たちの大事な役割だと考えています。
併設レストランもトリップアドバイザーのアワードを受賞、ハラール対応にも尽力
── ホテル内に併設されている鉄板焼レストラン「逢坂」もインバウンドから人気を集めているそうですね。トリップアドバイザーが調査した「トラベラーズチョイスアワード2025」にも選ばれているのを拝見しました。
※参考:2025/09/25 季節グルメ 鉄板焼「逢坂」がトリップアドバイザーの「トラベラーズチョイスアワード2025」を受賞
菅原氏:はい。「逢坂」は、今ではインバウンドの方に大変ご好評いただいているレストランですが、実は2年前までインバウンドのお客様がほとんどいなかったんです。
海外のスタッフを採用して対応を強化したり、料理内容や演出を海外の方向けにカスタマイズしたりしたことで、ありがたいことに少しずつ口コミで広がっていったようです。
── ハラール、ベジタリアン、ヴィーガン向けの食事対応なども実施されていますか?
菅原氏:そうですね、マレーシアやインドネシアといった東南アジアからのムスリムのお客様が増えているため、ハラール対応については特に力を入れています。
グループ内の和食レストランでハラール和牛を使用した懐石料理の提供を始めたところ、旅行会社や法人からの問い合わせ件数が着々と増えている状況です。大阪だとハラール対応ができる飲食店がまだ少ないので、重宝していただいているようです。
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今後もインバウンドをターゲットに。地域との連携も強化
── 今後のインバウンド需要については、期待もあれば、考慮しておかなければならないリスクなどもあるかと思いますが、そのあたりはどのようにお考えでしょうか。菅原氏:最近はインバウンドも国際情勢によって大きな影響を受けているようですが、日本国内の人口減少が進む中で、2030年には6,000万人規模となる可能性を持つ大きなマーケットであることは変わりありません。そのため弊社では、今後もインバウンドの方々をメインターゲットとして捉えていくべきだと考えています。
ただし、団体旅行客が多くなりすぎると、ロビーの混雑やマナー問題なども出てきます。その点ではFITの比率を高めていきたいですね。
インバウンドのお客様は、日本人に比べて滞在中の消費金額が高く、連泊も多いです。清掃の面でも効率化が図れるので、連泊数の多い方を積極的に集客していこうと考えています。
また、これまで対応してきたハラール以外に、大浴場での水着着用やタトゥーフレンドリー対応なども検討しています。
── 最後に、プラザオーサカが位置する大阪や十三といった地域のインバウンドに対して、今後どのような盛り上がりを期待されていますか。
菅原氏:弊社に宿泊される外国人のお客様の多くは、心斎橋や道頓堀、梅田などのメジャーなエリアに集中して訪れており、十三の下町文化を楽しんでくださる方はまだまだ少ないのが現状です。そのため、大阪全域に観光客を分散させるような取り組みをしていく必要があると考えています。
弊社でも地域と連携しての取り組みを実施しており、例えば先ほど申し上げたグルメマップの作成や、飲食店と連携したグルメツアーの計画などを進めています。 さらには、街全体をギャラリーのようにする「十三 淀壁」のプロジェクトも進行中です。
十三には昔から音楽やアートといった独自のカルチャーが根付いており、大阪の多くのエリアが再開発で姿を変えるなかでも、“ディープな大阪らしさ”が色濃く残っています。私たちはその個性を活かし、かつて治安の悪さで知られながらもアートや文化の力でおしゃれな街へと変貌を遂げた「ブルックリン」をモデルに、十三をブランディングしていきたいと考えています。
地域全体が一体となって十三の魅力を磨き上げることで、国内外の人々に「訪れたい」と思ってもらえる街にする。そして、その中心に「プラザオーサカ」が存在するという世界観を目指しています。
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