地方自治体はどうやって動画・コンテンツ制作をインバウンドに活用すべきなのか?
インバウンド市場が盛り上がる中で、地方自治体が動画・コンテンツ制作によってインバウンドで成功する事例が増加しています。このページでは、地方自治体の動画・コンテンツ制作のインバウンド対策やインバウンド集客における活用について、次の3つの事例を取り上げます。
- 地方自治体×動画・コンテンツ制作事例その①:和歌山県紀美野町の動画を活用したPRの事例
- 地方自治体×動画・コンテンツ制作事例その②:ダイヤモンドルートの動画を活用したPRの事例
- 地方自治体×動画・コンテンツ制作事例その③:宇都宮、高崎、前橋、水戸の動画を活用したPR事例
近年プロモーションの方法として動画・コンテンツ制作がポピュラーになってきています。動画・コンテンツ制作によるインバウンド対策やインバウンド集客のメリットとしては、多くの情報を伝えながらも、顧客のイメージに残りやすいということがあります。伝えたい情報を写真や画像などよりも一度に多く発信できるためその分それぞれの地方自治体の色がはっきりと出やすく、工夫を凝らした動画・コンテンツ制作が求められています。
ここでは、地方自治体という業界・業種における動画・コンテンツ制作の各社の事例を元にして、効果的な動画・コンテンツ制作を活用したインバウンド対策やインバウンド集客のケーススタディーをしてみます。それでは見ていきましょう。
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「インバウンド動画制作」の資料を無料でダウンロードする「インフルエンサー」の資料を無料でダウンロードする「SNS運用」の資料を無料でダウンロードする和歌山県紀美野町の動画を活用したPRの事例
和歌山県は紀伊半島の先端部に位置することから、大阪府と隣接しているもののインバウンドとしては不利な地理です。しかし、訪問率や訪問者数、宿泊人泊数は全国上位半分に入り込んでおり、この背景には和歌山県の観光施策にあります。日本人による国内旅行に見切りをつけた和歌山県は、かなり早期からインバウンド対策に注力しています。特に香港をターゲットとして、香港人が求めるものを重視するマーケットインの考え方で、着実に香港人ファンを増やしています。
マーケットインの考え方を取り入れながら実践をしている和歌山県。動画を活用した面白い取り組みをしています。通常は観光やインバウンドを目的とした動画プロモーションは、その町の良いところをPRするものですが、紀美野町が作成した動画は「豊かな自然や沢山の見どころがあるにもかかわらず、関西国際空港、高野山から車で1時間の紀美野町を訪れる訪日外国人は”ゼロ”」と逆説的にその魅力をアピールするユニークな動画です。
インバウンドが来ないことを逆手にPR
西日本の空の玄関口である関国際空港にやってくる外国人は年間1200万人、日本仏教における聖地の1つとして有名な高野山に滞在する外国人は年間7万6千人いますが、車でわずか1時間の距離にある和歌山県紀美野町を訪れる訪日外国人はゼロであるという紹介から動画は始まります。
その後、地元の野菜で作った野菜ジェラートが食べられる「キミノーカ」、ベジタリアン料理が楽しめる「くらとくり」などのおすすめスポットの紹介、日本有数の星空の名所である紀美野町には「みさと天文台」があるなどといった内容が紹介されています。
このように、訪日外国人にむけて情報を発信したいが何を発信すればいいのかわからないという悩みを数多くあるでしょう。訪日外国人が少ないということを逆手にうまくPRしている事例の1つです。
ダイヤモンドルートの動画を活用したPRの事例
「ゴールデンルート」はご存知でしょうか?ゴールデンルートとは、メジャーで人気のある観光スポットを回る旅行の行程のことです。具体的には東京・箱根・富士山・名古屋・京都・大阪という日本の人気5都市を周遊する伝統的な日本旅行のルートです。
しかしながら、インバウンドの「コト消費」化、そして地方周遊が進むにつれて、ゴールデンルート一辺倒ではないインバウンドが広まりつつあります。「ゴールデンルート」の対抗馬として登場した、福島・栃木・茨城・東京を結ぶ観光ルート「ダイヤモンドルート」というものがあり、動画を活用したPRに成功しています。 そこで「ダイヤモンドルート」の動画を活用した事例をご紹介していきます。
「ダイヤモンドルート」の魅力を動画で発信
ダイヤモンドルートのPR動画は「Health & Lifestyle」「Nature」「Outdoor」「History」の切り口による4編に、ダイヤモンドルート全体のコンセプトを映し出した1編の合計5編。福島、茨城、栃木の見どころを、外国人目線の美しい映像で紹介するものです。
ダイヤモンドルートPR動画の制作には、上記の福島県と民放4社に加え、内閣府クールジャパン地域プロデューサーの渡邉賢一氏が代表を務める株式会社XPJPと、海外クリエイターが協力した他、海外のYouTuberが出演。2月24日に福島市で行われた試写会の後、YouTube上で一般公開されました。
その反響は大きく、動画公開からわずか2週間強で、ダイヤモンドルート全体のコンセプトを表現した動画が約330万再生、「Health and Lifestyle」切り口の動画が約210万再生、「Nature」が約132万再生、「Outdoor」が127万再生、「History」が314万再生となっており、合計1100万以上の再生回数に登っています。
動画を見てみると、文字での情報が少なく、広大な土地や綺麗な風景をビジュアルベースで発信をしています。文字では伝えにくい情報を、動画をうまく活用して発信しています。このように、きれいな風景や文字だけでは伝わらない情報は動画を活用することをオススメいたします。
宇都宮、高崎、前橋、水戸の動画を活用したPR事例
関東地方は日本への玄関口である成田を有する千葉県をはじめ、東京、神奈川、埼玉、栃木、茨城、群馬などが所属しています。訪日外国人の訪問率も高く、TOPの東京(48.2%)を筆頭に、2位の千葉(39.7%)、6位の神奈川(9.6%)と続いています。日光東照宮を始めとする日本人に馴染みのある観光地、栃木県の那須エリアは認知度がまだ低いためか1.5%となっています。まだまだ、茨城、栃木、群馬はインバウンド対策に苦戦をしています。
そんな宇都宮、高崎、前橋、水戸からなる「北関東中核都市連携会議」は、同市の魅力を伝える動画を外国人に撮影・作成してもらい、YouTubeに投稿してもらえるような取り組みを行っています。動画を活かしたインバウンド対策をご紹介いたしましょう。
外国人を巻き込み動画で地域の良さを発信してもらう
「北関東中核都市連携会議」は関東三県の宇都宮、高崎、前橋、水戸の四市長が新たな連携策などを話し合うものです。この連携会議が2018年1月31日に群馬県高崎市市役所において開催され、宇都宮、高崎、前橋、水戸の4市は、2018年度は外国人に同市の魅力を伝える動画を作成してもらい、その動画に関してのコンテストを開催しました。
通常、動画制作として思い浮かぶのは動画制作を専門とする企業に動画制作を依頼するというものですが、宇都宮、高崎、前橋、水戸市からなる「北関東中核都市連携会議」は、外国人に動画を制作してもらい、それをYouTubeに投稿してもらうという取り組みです。
他の動画を活用した自治体の取り組みと異なり、外国人を巻き込みながら動画を活用した取り組みです。
このように、動画×外国人を巻き込む対策は今後注目されていくでしょう。日本企業が日本人に対しても、このように巻き込んだプロモーションが多くなってきています。このようなプロモーションにも今後、注目してきましょう。